表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジョーカー・ガン  作者: 唄海
1章 撃鉄を起こせ
12/32

雨邪鬼

「……ぁ?」


 思わず目を開ける。今まで暗い空しか見えなかった視界には、傘をさして心配そうに俺の顔を覗き込む少女がいた。


「何だ、アンタ」

「あ、起きた起きた」


 少女は俺が大丈夫だとわかると、にっこりと笑った。


「何やってんだお前、どっか行けよ」


 起き上がり、少女を追い払おうとする。しかし少女はそんな事を気にせずに俺に話しかけてくる。


「迷子? それとも夜逃げ?」

「迷子、そんで死にかけ。はい、どっか行け」

「あはは、面白いね」

「ちっ」


 聞こえるよう大きな音で、悪意たっぷりに舌打ちをする。なんだか、凄く面倒な奴に絡まれた気がしてならない。


「もー、心配してやったのにー!」


 少女はぶーと不満そうに口を尖らす。


「知らない奴なのにか?」

「知らない人でも、倒れてたら心配するよ!」

「はぁ……そうかよ、それじゃあ心配も無くなったし帰れ」


 そう言って俺は少女に背を向けて歩き出す。すると少女は、俺のフードの端ぐいと引っ張る。


「……何だよ」


 振り返り、敵意を剥き出しにして少女を睨みつける。少女は、俺のフードをがっちりと掴みながら相変わらずニコニコと微笑んでる。


「用がないなら離せ」

「用があるから離さない」

「なっ……」

「君さ、迷子なんでしょ?」

「そうだよ。自分で何とかするから俺には構うな」

「嘘だぁ〜」

「嘘じゃ……ねぇよ」


 図星を突かれ、思わず言葉に詰まる。自分で何とかするから、なんてのは大嘘だ。本当はこのまま死ぬつもりだった。


「あー、やっぱり嘘だぁ」

「うるせぇ!」

「あははは!」


 ちくしょう、完成に相手のペースに乗せられてる。


「まぁまぁ、そう怒らないでよ」

「誰のせいで怒ってると思ってんだこのクソ野郎……」

「えへへ、ごめんごめん」


 少女は照れたように笑う。なんでコイツはこんなにも楽しそうなんだ。と言うか褒めてない。


「用ってなんだよ」


 これ以上抵抗しても無駄そうなので、とりあえず少女の要求を聞いてみることにした。

 用さえ聞いてやれば、俺を解放してくれるだろう。


「いやね、君迷子なんでしょ?」

「そうだよ、何回も言った通りだ」

「じゃあさ、じゃあさ」


 少女は俺の正面へくるりと回ってくる。なんだか、凄く嫌な予感がした。


「──雨が止むまでウチで雨宿りしなよ? 寒いし、そのままじゃ風邪ひくよ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ