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異世界最強のキャンセラー~レアなキャンセルスキルで無双する~  作者: 空地 大乃
第二章 王都活躍編

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第一〇話 クッコロ盗賊団討伐作戦

 シドという男が言っていた試すというのは、ようは俺達がクッコロ盗賊団を相手する強さを有しているか? を知りたかったという意味合いだったらしい。


 どうもクッコロ盗賊団というのは、盗賊ギルドの中でも処罰対象となっているようで、潰せばそれなりの報酬が貰えるようだ。


 盗賊ギルドは犯罪者の集まりで、規則なんてものとは無縁というイメージだったが、一応暗黙のルールみたいのがあるんだとか。


 しかしクッコロ盗賊団の連中はそんなルールも守らず好き勝手やっているため、盗賊ギルドからも狙われる羽目になってしまってるんだと。


 ただ、結構手練の連中が集まっているということで、潰そうにも中々苦労してるようだな。

 カラーナとシドは最近組んだらしいが、恨みが強いのはカラーナで、仲間たちがクッコロ盗賊団にやられたんだとか。


 そしてこの、奪えそうなら同じギルドの仲間からでも奪うというやり方も、盗賊ギルドから狙われる要因となってるらしい。


「だからうち、絶対仲間の敵とるんや……」


 と、いうわけで揺れる馬車の中でカラーナが悔しそうに唇を噛んだ。

 あの盗賊ギルドの騒ぎの後、俺とメリッサはふたりに事情を聞き、更に作戦を聞いた上で協力することに決めた。


 このふたりは盗賊団のアジトをつかめているわけではなかったが、盗賊団が次に馬車を狙いそうなポイントには当たりをつけていたみたいでね。


 だから作戦としては至極簡単。

 シドが奴隷商人に扮して御者を務め、馬車でそのポイントを移動する。

 そしたら盗賊団に襲われるだろうから、そこを俺たちでやっつけて連中から盗賊団のアジトを聞き出すと。


 ちなみに情報源はシドで、連中のやり方はレベル30程度のが四、五人、藪の中で待ち伏せし、弓矢で馬の足を止めてから囲むという方法のようだ。


「それにしても、まさか冒険者と組むことになるとは思わんかったけどな」


 馬車の端に背中を預け、大きく伸びをしながらカラーナが言う。

 盗賊ギルドと冒険者ギルドは、やっぱ仲はあんまよくないんだな。


「そう考えたらあんた変わってるよね。うちらの作戦も二つ返事でオッケ~してくれたし」


「まぁ目的も一緒だし、いいものを拝ませてもらったしな」


「な!? くっ、うぅ、でもあれはうちも驚いたで。魔法やいうてたけど、一体どんな魔法なん?」


「それは秘密~」


 流石に出会ったばかりで能力の事はあかせないしな。

 とりあえず魔法ってことにしてたりする。


「ご主人様は力の使い方が色々間違ってる気がします……」


 メリッサに呆れるように言われてしまった……てかこの子最近自分が奴隷だって忘れてきてない?


「そういえばヒットが凄すぎてうっかりしてたんやけど、ふたりともレベルいくつなん?」


 あ~やっぱ聞かれるんだなそういうの。


「私はレベル62ですね」


 うん? 最近聞いてなかったけどいつのまにか60越えてたんだな。


「ふぁ! 6、60! あんたそんなに強かったん!?」


 え~? それはちょっと驚き過ぎじゃないかな?


「カラーナはいくつなのかな?」


「え? いやうちは……」


「レベル35ですねご主人様」


「ちょ! なんでわかるん!?」


「あ、メリッサ鑑定もちなんで」


 俺が答えると、鑑定までもってるんかい、とまた眼を丸くさせて驚いてた。


「まいったわ。うち結構自信があったのに、上には上がいるもんやな」


 溜息混じりにカラーナがいった。

 レベル35じゃな~、あ、でも奴隷になったばかりの頃のメリッサやセイラに比べたら遥かに凄いか。

 年齢あんまりかわんなそうなのに。


「ほんで、ヒットはどないなん?」


「うん? 俺?」


 俺のレベルねぇ。そのままいっていいもんかな……

 と、思ってると突然馬の嘶く声。そして馬車が急停止し――


「な、何ものだお前たち!」


「かかっ! なんだ知らないのか? クッコロ盗賊団とは俺達の事だ。さぁ死にたくなきゃ馬車の中のもん大人しく引き渡すんだな!」


 御者台から聞こえてきたシドの声は手筈通りの物。

 そして盗賊団もわざわざ名乗ってくれたから判りやすすぎだけど……


「ほんまきたで! よっしいくでふたりとも!」


「ご主人様!」


「……あぁ」


 カラーナに促されるように俺たちは馬車の中から外に飛び出す。

 ちなみに幌馬車だから後ろ側を捲って出る形だけど――


「よぉお嬢ちゃんいらっしゃ~い」

「おいおいマジで上玉じゃねぇか」

「もう一人の奴隷のねぇちゃんもいけてんぜ!」


「な!? なんやこれ!」

「ご主人様……」

「あぁどうやら――」


 俺達が馬車を飛び出ると、その周囲が三〇人程の盗賊で囲まれていた。

 逃げれないよう壁を作ってといったところか。


「ど、どうなってんねんシド!」


「うん? 何がかな~?」


 盗賊の集団の中で平気そうな顔をして立ってるシドが、下卑た笑みを浮かべて問うようにいう。


 まぁつまりだ。最初から罠だったというわけだなこれが。


「あ、あんた。まさかうちら騙したんか!」


「騙す? いやいや間違ったことは言ってないだろ? 確かにクッコロ盗賊団は待ち伏せしてたしな。まぁ尤も、俺が盗賊団の団員だったことは言ってなかったかもしれないけど」


「!?」


 カラーナの声にならない声。

 うぅ、と悔しそうに呻いているな。若干声が掠れてるのは涙をこらえているからかもしれないけど。


「それにしても馬鹿な連中だ。見事に餌に食いついてほいほいやってくるんだからな!」


「まぁでも安心しろよ。一時的でもシドの仲間だった女だ。俺達でたっぷりと可愛がってやるからよ」

「もう一人の奴隷の女もな! まぁ男にはようはないけど。ぎゃはっはは!」


「お前ら頭悪そうだよなマジで」


「「「「はぁぁあぁぁああ!?」」」」


 俺が溜息混じりにいうと、一斉に声を上げてきたな。

 ウザいなまじで。


「メリッサこいつらレベルは?」

「全員30~40ですね。特に問題はないかと」


「へ? いやちょいまちぃ! 問題はないってこんなに人数おるんやで! なに言うとんの!」


 涙声だったカラーナもツッコミの時は元気だな。


「全くいうことだけは一丁前だな。ギルドの件があったからこっちはこんだけ人数揃えてるんだ。どんだけ腕に自身があるかしんねぇけどな――」


「寧ろギルドでみていながら、これしか用意してないなんてマヌケにも程があるな。もしかしてあんた嫌われてんじゃないの? だから呼びかけてもこれしか集まんないんだろ? だっさ」


 挑発の言葉をぶつけてみたけど、シドの奴ぐぎぎ! と奥歯を噛み締めて悔しそうにしてんな。


「ふん。もういい、こっちは女だけ手にはいりゃそれでいいんだ。この野郎はさっさとぶっ殺すぞ!」


「お前たちには出来ないかも知れ――」

「ご主人様。ここは私がやってもいいでしょうか?」

「て、へ?」


「ご主人様が動かれると本当にすぐ終わってしまうので。それに私もどれぐらい腕があがったか試してみたいので」


「ちょ! ちょいまち! だからあんたら何言うて」


「うん、わかった。じゃあやってみなよ」

「ありがとうございます」

「いや! だからちょいあんたら状況掴めとんの?」


 カラーナ煩い。


「はぁ? おいおいまじかよこの奴隷姉ちゃんが俺たちの相手って」

「どうせならベッドの上で相手してもらいたい――」


「シャイニングブラスト――」

 

 聖剣エロスカリバーを抜くなりメリッサが聖属性の剣技を発動したな。

 斬ると同時に光の粒子の波が一斉に相手に襲いかかるスキルだ。

 

 今のメリッサの場合レベルというか持ってる武器が伝説級だからな。威力が半端無いんだよねぇ。

 一気に二十人ぐらい飲み干して存在毎消滅させちゃったし。


「な!? ななんあんなんんんななあんじゃこりゃぁああぁああああ!」


 裏切り者のシドが叫んだ。


「メリッサ~シドだけはとりあえずいかしておいてね」

「判っておりますご主人様」


 うん流石だね。何せ盗賊団のアジトを吐かせるためにたっぷりお仕置きしないといけないし。

 それにしてもカラーナ口をぽかーんと半開きにさせて、ツッコミもなくなったな。

 

 そしてその後はもうメリッサの独壇場だった。

 自分の力を震えるのが嬉しいのか、お~ほっほ~! とかお嬢様風の高笑いを決めながら、鬱憤でも晴らすかのように斬りまくってるな。

 なんだ普段ストレスでもたまってんのか?


 まぁいいや。そんなわけであっさり片がついたところで、残ったシドに話を聞くとしようかな。


「とりあえずクッコロ盗賊団のアジトを吐いてくんない? さっさと話さないと」

「わ! 判った! 話す! だから手荒な真似は――」

「え? どうしても話したくないって? そうかそれなら仕方ない」

「は!? いやだから話すってギャァアアアアァアァァアァアァア!」


 俺は中々口を割ろうとしないシドに仕方なく拷問を掛ける。

 とりあえず全身の皮を剥いで塩を塗りまくってやった。

 ちなみに塩はアイテムボックスに入ってる。


「あぎゃぁあぁあぁあ! 染みる! 染みるううぅううぅううう!」


 で、その傷をキャンセル。


「え? 元に戻ってギャァアアアアアァアァアアァア!」


 全くやかましいな。まぁいいやそんなわけで皮を剥ぐ→塩を塗る→キャンセルを何度も何度も繰り返す。


 で、途中カラーナにも好きにしていいよといったけど、三枚おろしにしたぐらいで、もうえぇわ、てなんか呆れ顔で言われた。


 そんなんでいいのか? まぁそれでものた打ち回って泣き叫んでたけど。


「ア、アジトは北西の山岳地帯にある洞窟の中で……」


 俺は飽きてきたところで裏切り者のシドから情報を聞き、四肢を切断して傷口だけをキャンセルで塞いだ状態にし、森のなかに放置した。

 

 夜になると魔物が徘徊しだすから、生きたままむしゃむしゃ喰われることだろう。

 裏切り者に相応しい最後だ。


「さて、じゃあアジトにいくとするかな」

「……なんといってえぇかってかんじやけど、でもこっからアジトまで結構距離あるで」

「カラーナ、その辺は全く心配ありませんよ」

「へ?」


 うん、そういう事。キャンセル!





「くっ! 殺せ!」

「おいおいそう簡単に殺すわけないだろ?」

「全くまんまと罠に引っかかって馬鹿な女騎士様だぜ」

「まぁ安心しな。俺達がたっぷりと可愛がって――」


 キャンセル。


「「「「「ぎゃぁあぁああぁああぁあ!」」」」」


 とりあえずキャンセルでさくっとアジトまで付いたかと思えば、なんか金髪の綺麗な女がピンチだからサクッと助けた。


「……なぁ、あんたのご主人様何者なん?」

「一言で言えば人外ですね」

 

 誰が人外だよ!


 まぁそんなわけで、盗賊団から助けた女騎士? なんか鎧から下着まで全て剥がれて両手両足を拘束されたまま倒されてたけど。

 うん、で目を白黒させてるな。

 状況を理解できてない感じかな。


 それにしても……いいおっぱいしてんな。

 うん、ごっそさんです!

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