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14話「同期達の自己紹介」

ストック分ラストです。


 「さぁ、着いたぜ!皆、入ってくれ!」


 甚平服を着た男性のあとを、ついて数分後。飲食店らしき建物の前に立ち止まった。既に中にいるお客さん達が食事や会話で楽しんでいるのか、店の前でも分かるぐらいまでに賑わっていた。


 男性が先に入り、他の女性2人もあとを追うように店の中へと入っていく。ウルフはこういう人が多くいる店の中に入るのが久しぶりだったので緊張させながらも店の中へと足を踏み入れる。


 「いらっしゃいませ。ようこそ『スズラン』へ!」


 店の中に入ると、女性店員が笑顔で4人を迎え入れる。この飲食店は『スズラン』という名前らしい。


 「お客様は全員で4名様でよろしかったですか?」


 「はい。」


 「かしこまりました。席へご案内しますね!」


 男性が慣れているかのように女性店員と会話をし、彼女は4人をテーブルへと案内する。


 案内されたのは店の隅にある4人テーブルだったため、ウルフと甚平の男性、お面を被った女性に茶色の髪型をした女性という男2女2の組み合わせで席へと座る。


 「ご注文はいかが致しましょうか?」


 席へ座ると女性が1人ずつの目の前にお冷の水とおしぼりを置きながら料理の注文を尋ねる。


 しかし、注文を尋ねられても男性以外の3人はこの店に入るのは初めてのため、どんな料理や飲み物があるのか分からない。


 そのためーーー


 「えぇと……….、『レッドバイソン』の唐揚げ、『サンシャインバード』の串揚げ、『ガンセキヒラメ』のお造りに店長オススメのサラダを各4人前下さい。飲み物は、ブラウンティーを4つで。とりあえず、以上で大丈夫です」


 「かしこまりました〜。」


 甚平服の男性が女性店員に料理と飲み物をいくつか注文していく。


 「悪ぃ、いつものやり方で先に適当に注文しちまったけど、何かダメなやつとかあったか??」


 注文も終え、店員が厨房へと入っていったのを見届けた男性はウルフたちに今更ながらも自分が注文した中で食べれないものの有無を聞く。


 「私は特にない」


 「わ、わ、私も………基本的には………な、なんでも食べます………。」


 「僕も食べれないものは無いよ」


 「そっか、それは良かった!!なら、さっき注文した料理、マジで美味いから楽しみにしてくれ!!」


 男性がそう言ったところで、茶色い飲み物が入っている大きなグラスを4つ乗せたトレンチを片手に持った店員が現れ、ウルフ達のいるテーブルへと置いていく。


 「ブラウンティーです。料理の方はもう少々、お待ちくださいませ。」


 店員はウルフたちにそう言って、別のところへと行ってしまった。因みに、ブラウンティーとは名前とおり茶色のお茶で、体に良い飲み物である。基本的には酒を飲む前にはブラウンティーを飲むお客が多いらしい。


 「よし。それじゃあ、乾杯の前に軽く自己紹介でもするか!」


 飲み物が届き、甚平服の男性が言葉を出していく。それに関してはウルフ達も賛成らしく、グラスには手をつけることなく男性の言葉を聞いていく。



 「俺の名前はレン。歳は16だ。元々は違う国に居たんだが…………とある理由でこの街に住むようになった。昔から武道をやっていて、体術を得意としているぜ。あと、まぁ………見てもらえれば分かると思うが、俺は人と関わるのが好きな方でな。もしかしたら今後、色々と俺から絡むかもしれないからその時はよろしくな!!」



 レンと名乗った男性は簡単に自分のことを説明する。武道をやっていたと言っていたが、確かに、彼の身体は見事に鍛えられていた。あと、補足で説明するとなれば、身長はウルフよりも高く180は超えていて、紫色のボサボサ頭だった。


 レンの自己紹介が終わり、次に名乗り出たのはーーー



 「……………アイン。歳は13。音を立てずに行動することを得意とする。」



 意外にもお面を被った女性だった。小さな声と少し早口で軽く自分の自己紹介を終える。彼女は桃色のショートヘアで"真顔"らしき表情が刻まれているお面を被っているため、素顔は分からない。服装は驚く程に布が少ない革のようなもので作られた水着を装着していた。さらにマントのようなものも付けていて、それで身体を覆うようにしているが、基本的には13歳には見合わないスレンダーな体型が露わへとなっていた。



 「なぁ、アイン。どうしてお面、被ってるんだ?」



 ((え!?それ、聞いちゃう!?))



 アインの自己紹介を聞いて、レンはすぐさま、誰もが気になったであろう彼女のお面について質問をする。彼の表情や態度を見た限りでは悪意は感じられないため、純粋な気持ち故の質問だと分かる。


 それだとしても、それを聞けるのは凄い。ウルフと茶色の髪型の女性は目を丸くさせながらも、心の中で同じことを呟いた。




 「……………言えない」




 ((ですよねーーー!?))



 きっぱりとアインはレンの質問に答えなかった。それによって、またしてもウルフ達2人は心の中で同じことを呟く。質問したレンは「すまん。変なことを聞いた」と言って、彼女に頭を下げていた。


 (よし、次は僕が自己紹介しよう)


 アインの自己紹介が終わり、ウルフは次に名乗ろうと思い、口を開こうしたが



 「今度は僕が「は、はじめまして!!私、ララといいます!!歳は14歳です!!私はひ、人見知りが激しくてレンさんのように人と上手く関わることは苦手ですが…………皆さんと仲良くやっていきたいです!!ですので、よろしくお願いします!!」……………あ、はい。」



 「あぁ!!ご、ごめんなさい〜〜〜!!」


 ウルフが自己紹介をしようとした瞬間に、目の前にいた茶色の髪型の女性が頬を染めながらも大きな声で彼の言葉を遮りながら自己紹介を行った。そして、遮ってしまったことに気付いたララと名乗った女性はウルフに頭を下げる。


 ララは見た目はどちらかと言うと綺麗よりも可愛い方の分類に入る容姿で、それでも1度見たら恐らく多くの男性が恋に落ちてしまう程のレベルだった。身長はアインよりも低く、145ぐらい。髪型は茶色で女の子らしくロングヘア。服装はこれもまた可愛いもので桃色のワンピースを着ていた。きっと、何かの素材で出来ているものだとは思うが、はっきり言って冒険者には見えない。そして、やはり人見知りらしい。


 「あはは。ララ、お前面白いな!!」


 「うぅう………!!!」


 ララの様子を見て、レンは笑う。それを見て、更にララは恥ずかしそうに涙を浮かばせ顔を赤くしながら、身体を縮ませてしまった。


 レンがララをなんとか落ち着かせたあと、いよいよウルフは自分のことを口にした。



 「僕の名前はリーフです。歳は15でずっと森に籠って修行をしていました。趣味は薬草集めでSランク冒険者になる事が夢です!!よろしくお願いします。」



 最後にウルフは頭を下げると、レン達は拍手を行いながら「よろしく」と口にした。


 「お、Sランク冒険者かぁー!!やっぱり誰もが憧れるよな!!当然、俺も狙ってるぜ!」


 「………………私も」


 「わ、私もです!!」


 ウルフの夢を聞いた3人はそれぞれ否定的な反応は見せずに、むしろ共感するような形で言葉を出していく。


 それを聞いて、ウルフは自分と同じ目標を持つ仲間がいると知れてとても嬉しい気分となった。



 「お待たせしました〜。」



 4人の自己紹介が終えると、グットタイミングでレンが注文した料理が運び込まれる。それはどれも美味しそうで出来たてなのか、湯気がホカホカと上がっている。


 そして、ウルフ達は何も言わずにブラウンティーが入っているグラスをようやく手にしてレンが代表となって大声で口を開いた。



 「コホン、それじゃあ………俺たちのこの出会いとこれから先の活躍に期待を込めて…………乾杯!!!」



 「「「乾杯ーーー!!!」」」



 レンの言葉にあとを追って、3人も同じく言葉を呟いたあと、手に持ったグラスをぶつけ合う。それによって、気持ちの良い音が店内に響き渡った。



 その後、ウルフはこの『スズラン』で3人と連絡先を交換し、食事や雑談を色々と楽しんだ。




 その後、レンとアインとララと解散したウルフは『龍の寝床』へと赴き、ヒナを回収してから宿を探して1晩過ごした。




 そして、遂に……………




 明日から本格的に"無能"と呼ばれ続けたウルフの冒険者生活が幕を上がるのであった。

 

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