わんわんと休憩室
今回の部屋は、ダークガード3体、ダークアーチャー3体。
遠距離が多いので、ちょっと大変かも。
部屋の真ん中に固まっているので、1体ずつ釣り出すのもやりづらそう。
『ぐるるるる……」
身を低くして、うなり声を上げるだーく☆わんわん。
次の瞬間、2匹が飛び出していった。
「ガウ、ガウッ!」
近くにいたダークガードとダークアーチャーに、それぞれ飛びかかる。
押し倒されたダークアーチャーが、中身をなめ回されていく。
ダークガードのほうは、なんとか踏みとどまっている。
『!』
他のダークシリーズが、わんわんを狙って動き出す。
こちらも、それを阻止するように動く。
ぶすりっ。
まずは、ダークアーチャーの攻撃を止める。
数としてはこちらが不利。
防ぎきれないダメージが、わんわんに入っていく。
ヒールで回復したいけど、属性的にダメージになりそうで怖い。
なるべく早く倒すしかない。
ザシュ!
りょーちゃんと連携し、速攻でダークアーチャーを倒す。
さらに、もう1体のダークアーチャーを追いかける。
2人がかりで、強引に倒す。
次にダークガードへ行こうとして……。
『きゃう~ん』
「あ……」
囲まれていたわんわんが、床に倒れる。
間に合わなかった。
「ダメージプラス!」
ザシュ!
作ってくれたチャンスを無駄にしないよう、最大攻撃で攻めていく。
数も減ってきたし、もう片方だけでも助けられるかもしれない。
りょーちゃんの動きに注意して、最適な行動になるよう心がける。
ぽっこーん!
わんわんに張り付いていたダークガードを、スマッシュで飛ばす。
相手がダークアーチャーなら、近接攻撃のわんわんが有利。
このまま任せても大丈夫そう。
あとは、りょーちゃんの攻撃に合わせて支援していけば……。
キュィン。
ダウンしているダークガードの武器が、白く光り出す。
起き上がり発動を狙っている。
前方範囲スキルかな?
発動するタイミングがわかっていれば、慌てるほどでも……。
「!?」
近くにわんわんがいる!
目の前のダークアーチャーと戦っていて、気づいていない。
「ヒール!」
すぐさま回復魔法を唱えて、スキル発動をつぶしにいく。
「あっ」
慌てていたせいもあって、起き上がりの無敵時間に合わせてしまった。
体に当たったけど、ノーダメージ。
起き上がったダークガードが、剣を振り下ろす。
「逃げてー!」
放たれた衝撃波が、わんわんに向かって飛んでいく。
声に反応して振り向いた時には、すでに攻撃が到達していた。
『きゃう~ん』
スキルの直撃を食らい、パタリと倒れる。
他のモンスターと同じように、少しずつその姿が消えていく。
『!』
生き残ったダークガードとダークアーチャーが、こちらに向かってくる。
悲しんでいる時間はない。
HPが減っていたダークガードを、2人で囲んで倒す。
あとは、りょーちゃんに矢を切り払ってもらいつつ、残りを倒していく。
わんわんが削ってくれていたこともあって、すぐに倒すことができた。
「……」
わんわんが消えていった場所を見る。
間に合わなかった……。
もっとうまく立ち回っていれば、助けられたかもしれないのに。
「最後まで生き残らせると、特殊タイトルもらえる」
「ちゃんと生存ルートもあるんだね」
「勝手に突撃するAIだから、火力でごり押せるPTじゃないと厳しいが」
「わんわんって、闇属性?」
「ああ」
「ヒールだと回復できないよね?」
「現状、闇属性を回復させるには『霊峰の白い花』が必要。所持限界が1個で受け渡し不可」
「難しそうだね」
レベルや装備が整ったら、ペアでも生存タイトル取れるのかな?
りょーちゃんはともかく、ボク側の問題が多すぎるけど。
「次行くぞ」
「うん」
心の中でわんわんに感謝してから、次の部屋へと向かった。
「……?」
今回も、机やソファーが置いてある小部屋。
4人のダークシリーズが、そこでくつろいでいる。
そう。
鎧や武器を外して、何かを食べたり、寝転がっている。
休憩室……なのかな?
こちらに気づく様子もない。
「……」
りょーちゃんが、そーっと近づいていく。
背後に回り、スキルを準備して……。
ザシュ!
いつものスキルを入れる。
鎧を着ていないせいか、その一撃だけで倒す。
暗殺者っぽい動きで、かっこいい。
味方が倒されたことに気づいてないのか、引き続きゴロゴロするダークな方々。
スキル発動音なんかは、聞こえると思うんだけど。
ザシュ!
2人目。
『!?』
すぐ横にいたので、さすがに気づいたようだ。
慌てたように動き出す。
『!』
逃げ回るダーク何か。
それを追い回すりょーちゃん。
どっちがダークなのか、よくわからない状況に。
カツン。
ダーク何かが取り損ねた兜が、足元に転がってくる。
「蹴り」
「えっ? これ?」
取り返そうと迫るダーク何か。
「えいっ!」
コロコロコロ……。
くるくる回転しながら、りょーちゃんのほうへ転がっていく。
「ナイス」
その兜を踏みしめて、短剣を構えるりょーちゃん。
近寄ってくるダーク何かを、一方的に攻撃していく。
無抵抗な相手をいたぶるさまは、どう見ても悪役そのもの。
3人目を倒し、残る1人も手にかける。
これといった抵抗もないまま、次の部屋の扉が開いた。
「当たり部屋だったな」
「……そうだね」
すぐに終わったから、当たりといえば当たりだけど……。
闇討ちしたみたいで、ちょっと後ろめたい。
「ちなみに、装備付けた状態で倒すとドロップ判定が出る」
「そうなんだ」
言われてみれば、何も落とさなかったかも?
元々確定ドロップでもないので、気づかなかった。
「短剣がいなかったからスルーした」
「他のダークシリーズからはいいドロップないの?」
「狙いのドロップはない。稼ぎたいなら倒すが?」
「ううん、短剣狙いで大丈夫」
特に欲しいアイテムはない。
……というか、何がドロップするのかも知らない。
HPとMPは温存できたし、すぐに次の部屋へ。
だーく☆わんわんのAIは、人を見ると誰でも構わず飛びかかって『遊んでアピール』しちゃう親戚の家の犬がモチーフです。
毎回首輪の存在を忘れるようで、飛びかかろうとして首が引っかかって遠心力でぶらーんとなっていました。




