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十六『観光?真逆。』

 何も無いと言うと語弊が在りもするが、本当に大した物が『何も無い』道ーーに、彼等は立った。文字通りに言うならば、『降り立った』ので在ろうーー


 「はい、到着な。」


 「じゃ、『おじさん』、またね。」


 何故なのか、普通ならば、『そら』である『其処』に、『引戸』が在り、引戸の『中』は、別の空間だった。其の『戸口』とも言うべき其処から、少年ーー嫌、青年が顔を出して居た。名は『三月みつき 春斗はると』、彼は人ではない。『神』の『息子』だった。もとは『地球』と名のついた『星』で暮らしていた『人』だが、其の星の無くなった今は、一度も『人』として、生まれて来ていない、『神』様だった。職業は『門番ゲート・キーパー』及び、『システム』の管理人、メンテナンス担当だった。元は彼の父親が役割を果たしたが、今は其の父は事情により、寝ている。深い眠りについたのだ。暫くは起きないで在ろう。


 『神様ネットワーク』と呼ばれる『其れ』は、現在『三月 春斗』が、『一括管理』している。製作者が、父、『三月 はじめ』と言う人物だった。其の縁で春斗が引き継いだのだった。


 春斗にも『人に戻らない』理由が在ったが、それは又別の話だ。春斗も『任期』を終えたらば、『弟達』に任せるつもりで、『弟達』を『育てて』いる。なので『空間』には、春斗の他に弟達が、二人居る。最も弟二人は、寝ていたり、起きていたりするが。名を『らい』と『和也かずや』と言う。今日は二人仲良く寝ている様だ。


 「春斗さん、どうもありがとう御座ました。さて、と……」


 「うん。『夏文なづふみ』も『又』ね。雷と和也寝てて『残念』だったね?」


 「あ〜だっ!だっ!」


 「はい『又』ね。」


 三月 春斗は、他の皆にも軽く挨拶してから、『戸口』を、閉した。そして其の空間は、もとに戻り、何でも無い様に『なった』。



 「じゃ、始めますかね。」


 華月 陽藍は、そう言った。



 ✻  ✻  ✻



 「………………あれ? ……………………。お父さんだ。」


 弟『海』は『えっ?!』と、言ったが、言われた通り、確かに其処に、父が、いた。それどころか、母までいた。そして………………



 「あ、おじさま! 海君いました! 良かった〜」


 「あら、良かったわね、『なつの』ちゃん。はあい海君、元気だった〜って、あれ?夏文君? パパさんいないですね? 何で?」



 「あだ〜〜」


 「ふむ。わかんないわ夏文。『友美』さん、夏文、なんて?」



 其処で、海少年は叫んだのだった。「友理奈ゆりなさんっ!!!」と。佐木 友理奈は思った。



 『其処は「なつのちゃん!会いたかったよ!」が、王道でしょうに、海君てば。成長しないのね。』と。



 「お父さん、お母さん、どうしたの?何で居るの?」


 華月 巧が、『小学生』位の姿で、そう言った。実際の彼の年齢は、現在『二十歳ハタチ』だ。此の星は小さいーー巧が『活動』し過ぎると、エネルギー『過多』に成り、『危険』なので、『省エネ』で活動している。弟、海も、『中学生』位の姿になって、動いていた。


 現在彼等は、父の『言い付け』で『修行ミッション中』なのだ。『偶然』の『振り』して、『直夏』を『補佐たすけろ』しろーーだった。勿論、『兄』『ゆう』には、言ってはいなかった。ゆうは過保護なので、陽藍が言わなかったのだ。まさか、『息子・・達』を己の代打に投入して来たのは、流石に意外だったのだが。



 「嫌待て御前等…………『竜葵』と『龍輝』は、何処にやった?何で御前等二人なんだ?」


 そう。巧のエネルギー『近く』で『待ち伏せ』をしてみたら、真逆の『巧』と『海』しか、いなかったので在った。


 「え〜とね、お父さん。大丈夫だから、落ち着いて?説明するから……」


 巧が言った。


 要は、こう言う事らしいーー先ず、陽藍が『オレガノ』達を『連れ去った』後に、話を遡る。



 教会風のあの場に『残った』のは、『海』『巧』『悠太』、そして『竜葵、龍輝』、それから『直夏』、そして『ペルウィアナ』、更に『シャーリン』、『レザード』そして『ラミラルル』だった訳だ。


 陽藍は『あの場』を離れるにあたって、『都合が悪い』『シラン』を、別の場所に『飛ばし』た。シランは国境付近迄『飛ばされ』た訳だが、一応『目論み』は在った。


 「俺達だってまさか……『直兄』が、と、思ったよ」


 華月 巧は言った。



 直夏が、『単独行動』を希望したのだ。当然ながら、悠太が却下した。が、其処でレザードが言い出した。『ならば』と。


 「自分も直兄の『サポート』するから、許可してくれってさ。悠太は駄目だって言ったよ?」


 勿論ーーと、巧は続けた。


 「でも……僕達を『眠ら』せて、行っちゃったんだよ。」と、海が言った。悔しそうに。


 巧は『まさか……直兄に悠太・・が出し抜けるとは………思ってなくて。』「ごめん僕等の油断。」と、素直な敗北宣言だった。


 「で? あいつ等は『誰』が追ってるんだ?」


 「勿論、」「『悠太』が。」


 海と巧が、そう言った。


 友理奈は『ん?』と、思ったので、質問してみた。


 「待ってよ、巧君。悠太さんが直夏追っ掛けて行ったんなら、『竜葵』ちゃんと『龍輝』ちゃんは、…………何処行ったの??」


 「だから………」と、巧が。


 「だからね、友理奈さん。竜葵と龍輝はね、僕等の『目』を『盗んで』、『悠太兄さん』を、と、言うか、『直兄』と『レザードさん』を、『追って』行ったんだよ。勝手にね。」


 「待て海、が、説明するから。違うお父さん、『そう』なんだけど……つまり、悠太がね……………、」


 「怒ってる『訳』か。『悠太』が。」


 巧の説明終わらぬうちに、陽藍が言って、巧が『うん…………そう。』と、つかれた溜息を吐いた。



 『因みに誰に』?と、父が聞いたので、息子は答えたーー『全員・・』と。


 「…………………多分だけど……」と。其処で弟、海が、兄に質問した。ねえ?巧?とーー



 「悠太『兄さん』ってさ、本当に『怒らす』と『恐い』の?」そもそも『怒る』の?と。



 そこで、母が言った。




 「ふふふ。悠太君てば、普段怒ったりしないから、わかり辛いわよね。」と。




 「ねえ?海、巧?」


 父の側にいた、父の友人であり、部下でも在る『要』が、言った。『陽君にね、昔言われた』んだけどねーーと。



 「『怒らない』人間なんて『いない』だろーーなあ、『かなめ』?」


 陽藍の言葉に頷いた要が、言った。「陽君曰く、『そんな人間らしくない』人間は、」




 『いない』んだってさーーと。



 「じゃ、『陽君』僕は帰るね?無事に『会えた』し。」要がそう言った。だなーーと父が答えた。『じゃあな。』と。



 「『要』さん、ありがとう御座ました。ほら、夏文、要おじさんに、お礼言おうね。」


 「うあっ」


 「『どういたしまして』」と、要が言って、『帰国』した。



 そして。




 「それでは『海』君『巧』君、『ミッション』『変更』です。さてと。さくさく行こうぜ?時短でな。時間は『有限』だからな。」と、




 父、華月 陽藍は、得意の『どや顔』を披露したのであったーー未だ、彼等は帰れないーー様だ。

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