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ファイターズ2

 人質の男が連れ出されるのを、ロビンソンはテントの中から見送っていた。


 実際、自分でも嫌になる。まだこんなところにいるなんて! 

 それもそもそもは、あのくじ引きが元なんだ。神様のバッキャロー! バッキャロー……バッキャロー……。(こだましている)


 だいたい、V大佐っていうのは昔から苦手だったんだ。

 元海賊だったって噂だけでもそうだったけど、あの独特の、ブリザードを思わせるような雰囲気が嫌だったんだよな。

 それなのに何の拍子でなのか名前を覚えられて、他の人への連絡には俺を呼ぶようになって。だから他の奴らもV大佐への用事を俺に押し付け出したんだ、絶対。

 友軍へ攻撃をかけるところを見てからは、いつ逃げ出そうかいつ逃げ出そうかと思っていたけど、結局失敗続きで逃げ出せなかった。運の悪さってのがこういうとこに出てくるんだよな。その度にV大佐の前に引きずり出されたけど、殺されたり暴力を振るわれなかったのだけはラッキーだった。……閉じ込められぱなしだったけど。


「……R軍曹」


 V大佐……今はV将軍か。全く、クーデターなんて無茶なことするよな。


「坊主」


 まだここにいるって事は、またひどい目にあうんだろうか、俺は。


「軍曹の坊主!」


 声にハッとして考え事を止めたロビンソンは、声のする方を見た。テントの入り口にヴェルドゥの片腕である片目の男がいる。

 この2週間の間に彼は、その片目の男が最も激しやすく、V大佐の命令から容易に脱線しやすいということを学習していた。

 だから、ちょっと無理と思えることでも素直に聞かないと何をしてくるか分かったもんじゃない。まだV大佐の方がこいつに比べりゃマシだ。


「はい、何でしょうか」


 怒らせないようにと少しおどおどしながらロビンソンは言った。


「ボスのご命令だぜ。人質の護衛に付けとさ」


 人の悪いニヤニヤ笑いを浮かべて男が言う。


「あ、はい。あの、どこに行ったら……? それとブラスターがないんですが……」


 グダグダというロビンスをに苛立ったのか、片目の男はつかつかと寄ってきてロビンソンを張り倒した。倒れたロビンソンに、男は自分のブラスターを放り投げた。


「どうしようもねえやつめ! ……これを持って行け。人質は一番高い丘の上だ。いけ!」

「は、はい!」


 大急ぎでロビンソンはテントから出ていく。彼の背中に片目の男は声をかけた。


「危なくなったらブラスターを地面に向かって撃て! 助けに来てやるぜ」

「はい!」


 しっかりと返事をして丘の方へ駆けてゆくロビンソンの姿を男は見送っていたが、そのうちに気味の悪いクスクス笑いをし始めた。その後ろに髭面の男が寄ってきていた。


「片目の」


 髭面の男の声で振り向いた片目の男は少し驚いたようだが、すぐに押し隠して言った。


「なんだ? 黒ひげの」

「聞かせてもらったぜ。いつ、ボスが坊主に命令を出した? 俺は知らんぜ」

「おとりは一人で十分だ。それに逃げ出そうとした者がのうのうと生きてられねえのがこの商売だ。それをボスが忘れてるようだから、こっちでやったまでのことよ」

「……確かにな」


 黒ひげの男がそう言った時だった。

 爆発的な音でサイレンが鳴り出し、人々の足音が慌ただしくなった。遠くからは爆発音も聞こえてくる。


「……来やがったか」


 そう言うと二人は、ボスのところへと急いだ。


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