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四獣神〈改訂版〉  作者: 亜衣
1/9

神龍

以前同小説をアップさせていただきましたが、改訂版をアップし直させて頂きました。

ご迷惑をおかけしてしまい大変申し訳ございません。

拙い文ではありますが、楽しんでいってくださいまし。



―――夜の街には、危ない人達が沢山居るから、外へ出てはいけませんよ?


――何が、危ないの?


――…色々あるのよ。分かったわね?



椎?






----------------





…夜、太陽が身を潜め、暗闇が辺りを支配する時間。

無音に包まれた町に、突如響き渡った呻き声。


「ぐっ…ううぅ…!」

「さっさと金出せば良かったのによぉ?」


蹲るスーツを着た男性に一発蹴りを入れ、金髪の男は唾を吐きかけた。

そんな男と共に居た剃り込みを入れたもう一人の男も、嫌な笑みを浮かべる。


「…まぁ、良かったじゃねーか。」



その視線は、蹲る男の更に奥……。



傷だらけで壁に張り付けにされている男を見て、ニヤッと笑った。



「リーマン一人且カツアゲしてたら、こんな大物が釣れたんだからよ。


…なぁ、トキ様?」







…………ピク。



紐で壁に括り付けられている、【トキ】と呼ばれた青年は小さく身じろぎし、ゆっくりと顔を上げた。

綺麗な黒髪は乱れてしまっている。


トキは男達二人組みを見て、小さく微笑んだ。



「…無関係の人に、手を上げるものじゃないよ」

「他人に気をやれるなんて、流石トキ様だなぁ?」



そう言って、金髪の男はもう一発男を蹴る。

サラリーマンは気を失ったのか、何も言わない。

トキはそんな男性を悲しげに見つめ、小さく溜息を吐いた。



「…君たち、何処のチーム?」

「俺等は桃源だよ、トキ様?」



剃り込みを入れた方の男が、服に付けていたバッチを外しトキに見せる。



丸型のバッチには、桃源という文字が大きく彫られている。


「…まぁ、あの四獣神。



神龍(じんりゅう)のNo.1のトキ様が知っている筈もない小さなチームですよ?」




男はぺっとトキにも唾を吐きかける。



不快感に顔を歪めたトキを、男二人は笑った。




「トキ、お前を倒せば、桃源は巨大チームになれる!」


「だから消えてくれよ、トキ様?」





ニヤける二人を見て、トキは目を閉じた。






「…話しにもならないや」











「…そうね」









…男達は、目を見開いた。




此処は誰も寄り付かない薄汚れた廃家。

そして加えて今は深夜、誰かが来る事はあり得ない。





だが、確かに誰かが”居た”。





「…やぁ、シイ」

「また、捕まってる」


トキの横に、それは居た。

トキは目を細め、隣に居る人物を見る。



シイと呼ばれた女は、そんなトキを見て小さく溜息を零した。



「…ト、トキの隣に居る女……!」

「アァ、間違いねぇ。 …シイだ!」



男二人は青ざめる。


そんな二人を一瞥し、シイは自分の着ているコートに付けていたバッチを外し、近くにあった壊れかけの机に置いた。



「…ベット」



シイは二人を睨みつけ、そう言い放った。

そんなシイに男二人は怯んだが、やがて同じように先程のバッチを外しシイと同じように机に投げ置いた。



その瞬間、シイは誰もが驚く速さで男二人の前まで移動した。



二人共も我に返り、シイに殴りかかる。

が、それをシイは綺麗に交わし、逆に二人に強烈な蹴りを食らわせた。


よろめいた二人に、次々と拳を振るう。



「…ぐ…!」

「うう……」



やがて二人が倒れたのを確認し、シイは机に置いたバッチをコートに付け直し二人のバッチを地面に落とし踏みつけた。


小さな音を立てて壊れたソレを見て、トキの元へと歩みを進める。



「ありがとう、シイ」


「全く…。トップとしての自覚を持って欲しいわ」




トキの紐を解いて、携帯を取り出す。

何処かに電話してから、壁に身体を預けているトキへと向き直った。




「…救急車の手配、終わったよ」

「…うん、じゃあ帰ろうか」




俺達の家へ。





-------------





夜の街には、強さを求め彷徨う若者が集う。



若者達は、同じ志を持つ仲間を集め、チームが出来る。



チームが出来ると、争いが起きる。



争いが起きれば、強者と敗者に分かれる。



そして、その強者の中でも不動の4チームがあった。


皆、ソレに憧れこう呼んだ。








四獣神(しじゅうしん)、と。
































二人は、少し離れた路地裏に足を運んでいた。


シイは、その道にあった廃工場の前で足を止めてゆっくりとドアを開けた。



「あっ!シイお帰りー!」

「…おいおい、トキの怪我はどうしたんだ?」



工場の中は、色々と私物が運ばれていた。

広い工場の中には、テレビやソファ…そして冷蔵庫やベットまで置いてある。




工場の中に足を踏み入れたシイとトキに、ソファに座ってテレビを見ていた青年がゆっくりとドアを見やった。



その瞳にシイを捕らえるなり、つまらなさそうにしていた顔をパァと輝かせて立ち上がった。





「…ただいま」


「また違うチームの奴等にからまれてた。ウキョウ、トキの怪我の手当てするの手伝ってくれない?」


「ああ。分かった」




ニコっと二人に微笑むトキを横目で睨み、シイはベットに腰掛けてノートパソコンをいじっていた男に声を掛けた。


ウキョウ、と呼ばれた男は首を縦に振ると救急箱を探し始めた。




「シイってば、トキを探して出て行ったきり帰ってこないんだもんっ!もう俺心配してたんだよー?…どっかの誰かさんは、傷だらけで帰ってくるしねぇ…。いっそのこと、くたばればよかったんだよ…トキ?」


「心配してくれてありがとう、ユクモ」


「俺が心配してたのはシイだからね、クソ兄ぃ」



ユクモは口に銜えていた棒付きキャンディーをガリッと噛み砕き、髪をクルクル指で弄りながら天使の笑みを浮かべた。


そんな二人など眼中に留めず、テキパキと包帯等を用意するウキョウとシイ。



「おら、んな兄弟喧嘩してねぇでこっち来い」

「トキ、早く」



ベットの前でスタンバイしている二人に、大袈裟だよとトキは肩を竦めた。


そんなトキを、シイは諌める声で呼んだ。




「…トキ?」


「はいはい、全くシイは心配しすぎだよ?」



トキがベットに座ると、ウキョウがその傷を消毒し始める。



男二人に付けられた傷は顔から腕、腹にも痣を残していた。

出血も所々しており、いまのトキの姿は正直痛々しい。



「お前は神龍のトップなんだ、自覚を持って行動しろ」


「その言葉、シイにも散々言われてもう耳タコだよ」



アハハ、乾いた笑いを浮かべたトキ。


そんな様子をソファに座って見ていたユクモは、ゆっくりと口を開いた。



「…トキ兄はさぁ、自覚が足りないんだよ。シイが、いつも言ってくれてんのにさ!」


「確かに、ユクモの言うとおりだな」



弟の冷めた言葉とウキョウの溜息交じりの声に、トキは少し頬を膨らませた。


「だって、関係ない人を襲ってたんだよ?やっぱり、助けないとって…」


「だからって、やられまくりなんて格好悪いよ」



ユクモはテーブルに置いてあったお菓子のカゴに手を伸ばし、板チョコを取り出す。


包装紙を破いてチョコを食べ始めると、不機嫌そうだったユクモの表情は若干和らぐ。



「…ユクモ、お菓子食べすぎだぞ」


「いーのいーの!俺、これないと死んじゃいますから!」



お前ずっと菓子食ってんな、と呆れ顔のウキョウなど見向きもせずユクモは黙々とチョコを食べる。



その様子をトキに包帯を巻きながら見ていたシイは、ゆっくりと視線をトキの顔に写しトキを見つめた。



「…四獣神は、夜の街を統べるチーム。夜の街を管轄下に置き、そして管理する。 悪を倒し、高みを目指す。…今日、トキがした事は確かに間違った事じゃない。」



シイの言葉に、ユクモとウキョウは言い争うのをやめてシイを見やる。


トキは、目の前にいるシイを優しげな瞳で見ている。




「…だけど、その四獣神はトキが居なくなれば成り立たない。…タイガ、センリ、レイジ……そしてトキ。誰か一人でも欠ければ、街のチーム全てが崩壊する。…トキ、自覚を持って。貴方は、倒れてはいけない人だから」



強い眼差しを、トキに送るシイ。


そんなシイを、一瞬瞳を細めて見たトキはそっとシイの頬に手を添える。




「…大丈夫だよ、シイ。俺は、何があっても負けはしない。たとえ、傷だらけになって死にそうになったとしても。心だけは負けない、だから俺は絶対に負けるはずがないんだ。…それに、君がいるのに負ける事なんて出来ないからね」




…トキの言葉に、シイの瞳が若干揺らいだ。


ニコッと己を見つめるトキの姿に、シイが何かを言葉に発そうと口を開いたとき……。






「…ちょっと、トキ兄ぃ…?」





「何、シイと良い感じになってるわけぇ…?トキ兄ぃのくせに!生意気だよっ!」


「ちょ、イタタタタ…。ユクモ、ちょっと痛いよ…!」



ユクモは嫌な笑みを浮かべながらベットに腰掛けていたトキの前まで歩いて来ると、一層笑みを深くしトキの怪我の部分を叩いた。


トキは、苦笑いを浮かべながらもしっかりとユクモの手を掴む。



「トキ兄ぃばっかり、良い思いはさせないから」


「ん?別に良い思いなんかしてないんだけどなぁ…?」



パッと手を振り解き、ユクモは頬を膨らませる。

そんな様子を処置を施し終えたシイは、目を細めて見つめる。





「仲、良いんだか悪いんだか……」

「何だかんだ言って、認め合ってるし良い方じゃないのか?」



兄弟で言い争っている様子を、二人は暖かい瞳で見つめていたが、ふとウキョウが何かを思い出した様にトキに話しかけた。




「そういえばトキ。今日新しく神龍に入りたいっていう奴が一人此処に乗り込んで来たぞ」


「あっ、そうだった!聞いてよシイ、ソイツどうしても神龍に入りたいって聞かなくてさ!」



ウキョウとユクモの言葉に、シイは少し驚いた様子を見せた。


此処は神龍のアジト…、と言っても過言ではない場所である。よって、神龍以外にはあまり場所を知られてはいけない場所でもあるのだ。



それなのに、直接乗り込んできた…?



「…それで、その人は…?」

「ん?そこに居るよ?」




ユクモの思いがけない言葉に、私とトキは呆然とユクモが指差す方へと視線を移した…。





…確かに、居た。





「…これは、予想外だったね」

「…ほんと、ユクモの行動にはいつも度肝を抜かれるわ」



アジトの、隅で正座しながら此方を見ている。



その瞳はキラキラと輝いていて。




一心に、トキを見つめている。




「…やぁ、いらっしゃい」

「っ!こ、こんばんは!!!」



トキの的外れな言葉に、大きな声を上げて返事を返す青年。

年はユクモと同じくらいで、金髪の髪は無造作にワックスがかけてある。やんちゃな印象のその青年は、緊張しているのか背筋をピンと伸ばしている。



心なしか、顔も赤い。



トキがゆっくりと立ち上がり、その青年の元へと歩み寄る。青年も慌てて立ち上がり、目の前まで歩いてきたトキに頭を下げた。





「…神龍に入りたいんだってね?」


「っはい!俺、昔からずっと四獣神に憧れてて…!特に、神龍には特別思い入れがあるっていうか…本当ずっと入りたいって思ってました!」


「そうか、ありがとう。でも、どうして此処が分かったの?」



トキが首を傾げると、青年は慌てて口を開く。



「俺のアニキが、神龍に居るんです!だから、どうしても入りたくて後を付けて……!」


「そっか、だから分かったんだね」



そう言って、トキは笑った。



青年は、少し目を点にさせた。


四獣神、それは夜に生きる者達の永遠の憧れ。

強く、勇ましく、そして絶対的なカリスマ性。



そんな四獣神の一人が、目の前に居るのに。

勝手に乗り込んできた己に怒ることもなく、ただ笑みを浮かべている。



その姿は、とてもじゃないが噂に名高い四獣神、トキには見えないのである。




「…君、名前は?」


「あ、俺!新って言います!」



アラタ、良い名前だね。

トキの一言に、アラタはパァと表情を明るくする。


そんなアラタを横目に、トキは後ろにいたウキョウに声を掛ける。




「ウキョウ、誇り(エンブレム)を」


「…本当に、うちのリーダーはお人よしだな」




ウキョウは、呆れたといって表情でトキを見るが当の本人は全く気にせず笑っている。




「…トキが決めたのなら、それは神龍の決定となる」


「人を疑わないってのも、考えようだけどねぇ?」





シイとユクモも、ただトキの行動を傍観している。


二人の言葉に頷きながら、ウキョウは自分のパソコンが置いてある机の引き出しを開けた。




そして一つの箱を取り出す。




それには鍵が付いており、ウキョウはその箱を持ってトキの元へと歩き出す。



「…トキ」


「ああ、ありがとう」




その箱を受け取ったトキは、自分のポケットに手を入れ一つの鍵を取り出した。


箱に鍵を差し込み、その箱を開錠する。



そして、その中にあった一つを掴むと、スッとアラタに差し出した。



アラタは、ゆっくりとソレに目を向ける。



「…これ、は?」

「エンブレムだよ」



…エンブレム、それはチームに入っている者が皆持っているもの。


エンブレムとは、名前の通りにその者の誇りを指す。


「…神龍には、特にルールはない。己の、したいままに行動すればいい。ただし、神龍の一員という自覚を持って行動すること。それだけが、神龍の掟だからね」


何をするにも、誇りを持て。

そのチームの一員という、自覚を持て。



…アラタは、恐る恐るエンブレムを受け取った。



正方形の形をしたそれは、一見バッチみたいなものだ。

しかし、それは銀のプレートになっており、バッチとは質が違う。



「…神龍のエンブレムは、正方形なんだ。」



トキの言葉に、呆然とエンブレムを眺めていたアラタは視線を上げた。

その視線の先には、服に着けていた自分のエンブレムを眺めているトキの姿が。



「…これは、俺の誇りだ。アラタ、君も自分で好きな様に彫るんだよ?」


「え?彫る…?」



アラタが素っ頓狂な声を上げた。

見兼ねたシイが、トキの横まで歩みを進め己のエンブレムを見せた。



シイのエンブレムには、龍が描かれている。

その龍は尾が違う龍と絡み合っているが、その絡み合っている龍の頭は描かれていない。



「エンブレムには、自分で好きなデザインを彫る事が出来る。よく考えて彫ったほうが良いよ、取り消しは出来ないからね。」



そういって、シイはエンブレムを服に付け直す。


その姿を見ながら、アラタはチラっとトキのエンブレムを盗み見た。



…龍が、描かれている。


その龍は尾が違う龍と絡み合っているが、その絡み合っている龍の頭は描かれていない…。




…シイと、同じ。





ただ違うのは、シイの龍は右を向いておりトキの龍は左を向いている。





それは、対龍であった。






「あ、あの……」

「ん?どうしたの?」

「…お二人は、恋人同士、なんですか……?」




アラタの言葉に、シイは凍りついた。


トキは目を細めシイを見た。




「ん?…シイは、俺にとって一番大切な人だよ」


「~っ、そんな事言わなくていいの!」




シイは顔を真っ赤にして、 トキを睨みつける。


そんなシイを見つめ、トキは一層目を細める。




その瞳は、愛しい者を見つめる眼差しで。




シイを見続けるトキを見たアラタは、言葉を失ってしまった。




「なぁ~にが、俺の一番大切な人だよ!」




…だが、それも束の間。


物凄い勢いでやって来たユクモが、トキに飛び蹴りを食らわせた。



まともに食らったトキは、一瞬眉を顰めたがすぐさま表情を戻しユクモを見る。



「こら、ユクモ」


「シイは俺のなの!トキ兄ぃには渡さないから!」



シイの腕を掴み、ベェと下を出すユクモ。


可愛らしいその行動に、思わず怒る気も失せるトキ。



そんな三人を極自然に無視したウキョウは、隅っこで揉めている三人と間に挟まれて立ち往生しているアラタをベットに腰掛けたまま声を掛けた。




「お前等、そんな狭い所で揉めてないで、こっちに来い」


「っ、ウキョウさん…!」




アラタは、これ幸いとばかりにウキョウの傍に駆け寄った。

そんなアラタを見た三人…、もといユクモとトキは言い合うのをやめた。


そしてウキョウの方までやって来て、ソファに腰掛けた。


そこでようやく、シイが口を開く。




「…そういえば、自己紹介がまだだったね。私は、シイ。よろしくね。」


「あ、知ってます!俺、神龍について詳しいんスよ!えっと、神龍トップのトキさん。No.2のシイさん。No.3のユクモさん。んで、情報全般を扱ってるウキョウさん!」



自信満々、といった表情で言い切ったアラタに四人は目を丸くする。



「す、凄く詳しいんだな」


「はいっ!もう俺こんな面子に囲まれる日がくるなんて…!

感激です、有難う御座います!」




若干涙目になりつつも、笑顔のアラタにトキは微笑んだ。



「じゃあ、失礼します!」



「うん、またおいで」



「有難う御座います!」






それから暫くして、アラタはアジトを後にした。


扉の前で見送ったトキとシイは、走り去っていくアラタの後ろ姿を見つめていた。



「…トキは、誰も拒まないんだね」


「え?」


「誰でも、笑顔で受け入れる。…誰も、疑おうとしない。」



ぼんやり、闇を見つめながらシイが呟く。


その瞳は、どこかを見つめている。



そんなシイの姿に、トキは悲しげな表情を浮かべる。




「…シイ、」


「…いつか、その優しさでトキ自身が身を滅ぼすんじゃないかって。…そう、思ってしまうの。」


「…大丈夫だよ、シイ」




そっと、トキが後ろからシイを抱きしめた。


その身を覆う暖かさに、シイの瞳に光が戻る。




「…俺は、大丈夫だよ。シイがいる限り、俺は笑っていられる。シイが、傍に居てくれるだけで俺は誰にも負けない。…シイ、大好きだよ」




シイの頭に、トキが唇を落とす。


そんなトキの行動に、シイは暖かな笑みを浮かべた。






「…私も、トキを愛してる。…永遠に、貴方から離れない」





…そう、【あの日】から私はトキを守り続けると決めたんだ。


…暖かな温もりに抱かれながら、シイはそっと目を伏せた。






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