089 意外な出会い②
第89話 意外な出会い②
『・・・新たな発見・・・ハズレを引く・・・』などと、まだ呟いてるケントの手を引いて・・・宿に戻ったのだが・・・
宿に着いてみるとゴバックさん達は出かけた後で姿が無く・・・
「まいったな~当てが外れちゃったよ・・・」
「飯!美味い飯が・・・」
復活したケントがわめいているが、居ない物は仕方がないし・・・探してるうちに昼飯の時間が終わってしまう・・・
俺はカウンターの奥から厨房に行くと、そこで夕方の仕込み中のオルドさんから近所にある美味しいお店情報を聞き出し・・・
「貴様は!」
ん~何でだろう?こうトラブルが寄ってくるのは体質なのか・・・オルドさんお勧めの店について、夜は酒場も兼ねているらしいその店のカウンター席が空いていたのでそこに座ると・・・
俺達の座った席の2つ隣に昨日の女性が居た。
よく見れば、女性の周りに並んで座ってるのは昨日の夕食の時見かけた彼女の仲間らしい人達だ・・・
(まいったな~ご飯に来ただけなのに・・・)
「あ、どうも・・・こんにちは・・・」
「お!君は・・・同じ宿の・・・」
「やめなさいってアグリス・・・」
俺を見て挨拶を返そうとした男性と、立ち上がろうとしたアグリスさん?を止めた女性・・・昨日の女性はともかく他のメンバーはこだわっていないようで助かる・・・
「えっと・・・僕はアレン、アレン・ウッドと言います。こっちは親友のケント!」
「ども!」
俺の紹介の後にケントが軽く会釈すると・・・
「そう言えば紹介もしてなかったね・・・僕はマックス、こっちから順にアグリス・・・は、知ってるかな?・・・次がフローラ最後にグランド・・・僕達は探索者でこのメンバーで依頼をこなしてる。」
「へぇ~探索者なんだ!じゃあ結構強い?」
「ん~どうだろうね~一応全員一人前だけど・・・まあ、中堅って感じかな?」
中堅か・・・微妙な言い回しだが・・・こっちの世界のギルドにランク制などは存在していない・・・
俺が知った時はなぜだ?と思ったが・・・ステータスを数値化できる訳でもなく外に出れば何が起こるか判らない世界で、ランク制なんて意味がない・・・近くの薬草採取に出て害獣に襲われたら?経費がかけられない商人が安い護衛を捜していたら?結局は一人前になってるなら自分で考え自分で責任を取れって事だね!
まあ、職員も機械でもなければ鬼でもないので経験不足の人に助言はするらしいけど・・・誰かの弟子だったりグループに入り立ての見習いじゃなく一定以上の技量・経験を持ったら全てが自己責任て事だ・・・
「お兄さん達は、『穴持ち』(拠点を定めその周囲で依頼を受ける人)?それとも『ハグレ』(拠点を持たず放浪してる人)?」
俺が探索者がよく使う隠語・・・まあ、多少話したことがある程度でも知ってる言葉で聞くと・・・
「僕達は一応穴持ちだよ・・・まあ、拠点は王都だから・・・ここじゃはぐれと変わらないけど・・・」
「へぇ~王都の巣穴持ちか~結構凄いじゃん!」
そうケントが言ったが・・・確かにそれなりの腕はあるようだ・・・一見、王都は仕事が多く初心者でも生活して行けるように思われがちだが・・・逆に言うと仕事を求める人も多く競争が激しいため本当の初心者が生活していけるような甘い場所ではない・・・
逆に田舎が良いかというと・・・これまた厳しく・・・自警団や狩猟団が強く根を張っているので、元々その村の出身だとか仕事を回してもらえるコネか信用がなければ難しい・・・
ここのような領主町クラスの都市でならハグレが生活することも可能だが・・・割の良い仕事はこの都市の穴持ちに持って行かれるからな・・・王都で穴持ちって事はそれなりに強いか、コネや信用があるって事だ・・・
「俺達はウッド村の狩猟団なんだ!」
「ほう、あのウッド村の・・・って・・・アレン君、君!アレン・ウッドって・・・」
「ん?こいつは村長の息子だよ!」
ケントがサクサク話を進めてしまったが・・・
「まあ、ケントが言うように僕は村長の息子ですが・・・あのウッド村の『あの』っていうのは?」
「あぁ~いや・・・今回我々が護衛してる人物がウッド村のうわさ話を旅の最中によく話してくれて・・・それに確か、ここの御領主様と親戚だったよね?」
「あぁ~サピオのおっちゃんね!確かにこいつと親戚だな・・・」
ケントのヤツが意味ありげに俺を方を見てきたが・・・確かに親戚だよ!名目上は娘とも婚約中だし・・・
(くそ!ケントのヤツ・・・そのニヤニヤ笑い、帰ったらぶん殴る!)
「やっぱりそうか・・・」
何を思ったのか突然くらい雰囲気になったマックスさん・・・フッとマックスさん以外のメンバーも見てみると・・・
(何で全員暗くなってるんだ?)
俺がそんなことを考えていると、向こうのメンバーで一番は時に座っていたグランドさんが・・・
「アレン君・・・アグリスも悪気があった訳じゃないんだ・・・俺からも謝罪するから・・・許してやってくれないか・・・」
「はい?」
俺は状況が判らず・・・思わず変な声で返事を返してしまったが・・・そんな俺の反応を見ていたマックスさんが・・・
「グランドもみんなも、どうやら心配しすぎだったようだぞ!俺もまずいことになったと思ったが・・・本人にその気はないようだし、何のことかさっぱりって顔を見れば判るだろ?」
「え~っと・・・何のことでしょう?」
マックスさんから聞いた話によると・・・王都じゃ馬鹿貴族の若様やらその取り巻きが難癖を付けることも多く、昨日の一件があった後に俺達が彼らに近づいてきて・・・領主との縁などをあっさり話すので・・・って事を考えたらしい・・・
まあ、俺達にそんな気はないし・・・彼らにもそれが判ったようなのであっさりと問題は解決し、他の店のお勧めメニューなどを聞き出して楽しい昼食の時間を過ごした。
(アグリスさんはまだ多少・・・まあ、事故だったけど見ちゃったからね・・・)
雇い主の元に戻る彼らと別れて・・・ザットリーさんのお店にでも行こうかと思ったら・・・彼らを雇っていたのもザットリーさんだった・・・
ついでだったので案内して貰ってザットリーさんの店に行くと・・・
「ん?戻ったか・・・おや・・・アレン君達も一緒?」
「偶然会って案内して頂きました。」
「ほう、それは・・・そうだアレン君!ちょうど良い物が店にあるんだが・・・」
コーヒーでも御馳走してくれるのかと思ったが・・・
「え~っと・・・なぜぬいぐるみ?」
俺の目の前に出されたのはぬいぐるみで・・・かなりの高級品ぽい・・・
きれいな木箱から50cm程のかわいらしくデフォルメされた犬?いや・・・ウィンドウルフか・・・細部まできれいに仕上げれていて良い物なんだろうが・・・ミーアにお土産にしろって事か?
「この品ならきっとエミリア様にもご満足して頂けるでしょう」
なるほど・・・確かに・・・王都や領主町に店を出すことは秘密って訳じゃないけど関係者しか知らない話だ・・・
それに比べ俺が領主の娘と婚約してるのは有る程度の人なら誰でも知ってる情報だからな・・・
この時期に領主街にいて領主館へ行くといえば・・・まあ、普通なら身分的にはこっちが下だし、ご機嫌伺いとか贈り物を持って行くんだろうが・・・
(俺は出来れば遠慮したんだよな・・・そもそも、アノ領主が義父って時点で勘弁して欲しいんだけど・・・)
ここで断るのも変だろうし・・・俺は泣く泣く必要もないぬいぐるみを銀貨5枚で買うハメになった・・・
(コレって必要経費って事で・・・いや・・・自腹かな・・・)
俺の憂鬱な雰囲気を感じたのか・・・
「装飾品などの方がよろしかったでしょうか?まだお早いかと考えたのですが・・・」
少し焦った感じでザットリーさんが言ってきたが・・・
「いえ・・・本人もまだ幼く、これに勝る品はないでしょう!」
(あぁ~こう言う会話って疲れるな~、装飾品なんていくらするんだよ!これ以上小遣いを減らしてたまるものか・・・って言うか、ただのぬいぐるみに銀貨5枚って・・・)
これ以上プレゼントを買わされてはたまらないので・・・慌て気味だったが、多少過剰に褒めて話したらこれ以上は諦めてくれたようだ・・・
商談が落ち着くのを待っていたのか・・・やっと飲み物が運ばれてきたが・・・
「コーヒーですか・・・」
「はい、有った時にお話ししてますし・・・一応入れ方も教えて頂いてますが・・・コレで大丈夫でしょうか?」
なるほど・・・大魚亭でどれだけ仕入れたのか知らないが、新しい飲み物だし・・・間違いがないように確認を兼ねて出してきたって所だな・・・
「まあ、こうした物は本人の好みですし・・・僕はコレで良いと思いますよ!」
社交辞令とも取れる俺の返事に、多少不満そうな顔を見せたザットリーさんだったが・・・
「好みによっては砂糖を加えたり、ミルクを注いでも美味しいですからね~前に蜂蜜を入れた時もまあまあって感じでしたし・・・癖はありますが飲みやすい飲み物ですよ」
俺が続けて簡単な飲み方や自分の感想を付け加えて話すと、目に見えて機嫌が良くなってきた・・・
ん~PCで書いてる時も筆が進まないとか言うのだろうか?
書けません><・・・ついに人物紹介と前の話を書き直して纏めるお茶濁しが登場するのか?
更新が滞っていた場合・・・最初の話を改訂してるかも・・・




