028 湖での釣り
本日3話目!
第28話 湖での釣り
「まあ、検証はおいておいてとりあえず喰おう!さっさと喰わないと冷めてしまうからな」
『「そうだ(ね)な」』
もくもくと雑炊を食べて腹がふくれると又眠くなってくる・・・
(やべ~寝たら怒られるぞ!気合いを入れろ俺!!)
「んじゃあ、今後のことだ・・・」
「正直、これから準備してもまだ疲れが残ってるし、今日は全面的に休憩を考え明日からの釣りに備えようと思うが・・・どうだ?」
「そうだな、村長・・・今急いでも今回は検証だ!無理をせず慎重にやった方が良いから、俺は賛成だぞ」
『「だな・・・」』
「んじゃあ・・・今日は休憩って事で、ゆっくり明日の準備をしながら体力と気力を復活させよう!」
『「はい!」』
『「了解!」』
(ん~3時間ぐらい寝れるかな・・・)
俺的には良い返事をしたが、睡魔は去らず休憩だし当番も確実に昼までは免除だった俺は再び眠りにつく・・・
「アレン・・・アレン・・・起きろ、飯だぞ!」
『ふぁ~・・・もう飯か?』
「俺や親父達は先に済ませた・・・お前は疲れてるから寝かせてたけど・・・さすがにそろそろ起きて喰わないとな・・・」
『え!今何時だ?』
「ん~1時くらいかな?・・・」
『やべ~寝過ごした!』
「いや・・・だから寝過ごしたんじゃなく寝かせてたの!」
『そうなのか?』
「そうだ!もう良いから飯を喰え!」
『ん・・・そうだな・・・』
俺はケントとのやりとりを黙ってニヤニヤ笑ってみていた親父達に挨拶すると、保存用のパン・温かいスープ・燻製肉を昼食として食べ出した。
「まあ、アレンは喰いながら・・・後はそのまま聞いてくれ」
「みんなも感じてるだろうが、やはり暖かいところで寝た方が疲労も少ないし回復も早い!」
「そこでだ!・・・」
親父の提案は、近くに生えてる木を切って枝とかでベットを作り、今居る雑魚寝部屋ではなく土間の方をテント用生地などで仕切って休憩してみてはどうか?と言う提案だった。
『「まあ、検証だし・・・」』
「検証だからな・・・」
とりあえず試してみることになりそれぞれ道具を持って近くの森に向かった。
---ばさぁ---
『くう・・・つめてぇ~!!』
「気を付けろアレン」
「くっくっく・・・ゆ・雪まみれ・・・」
「笑ってる場合か!お前も気を付けろケント!」
---ゴチン!---
枝を切っていた俺の頭に上から落ちてきた雪で、雪まみれの俺を笑ったケントがゴバックさんに鉄拳制裁を受けていた・・・
有る程度纏まった量を取り拠点へ戻って木の皮を火鉢で焙りながら剥き、向いた木を組んで木の皮で縛ってとめていく・・・
俺は作業をしながら、ハンモック式のベッドだったら良かったんじゃ・・・とか思い、親父に提案しておく・・・
(まあどうせ、これは今回の暫定処置だしな・・・)
作業をする前に、テント用の防水生地で部屋を仕切ったので結構暖かいが、テントの内程ではないので少し考えるが、一酸化炭素中毒が怖いし我慢できないほど寒いわけでもないので、ベッドを作る作業に集中する。
スープと保存用のパンに燻製肉のいつものメニューで夕食を簡単に取り、ベッド作りを続けると寝る前にはそれらしい物が4台完成した。
皮のシートを敷いて、毛布を3枚ほど上に敷いてさらにその上に敷物用に持ってきていた防水処置済みの毛皮をのせる。
結構良い感じかも・・・この日の火の番は(俺→親父→ゴバックさん→ケント)っと初日と同じ順番になった。
俺はさりげなく俺やケントに連続した睡眠時間を取れるようにしてくれ、疲れてやばい時はみんなを休憩させ自分が最初の見張りに立った親父を、見直していた。
部屋のしきりとベッドの効果は劇的だった・・・昨日もかなり作業をしたはずなのだがちゃんと回復してるのだ・・・
朝食の後、どうせ帰りに又使うからとベッドをその場に残し俺たちは、凍結した湖の上に移動した。
まず最初やったのは、ゴバックさんによる火矢の想念法での凍った湖表面貫通実験だ!
最初はドリルで穴を開けるとか色々考えたが、ふと・・・火矢でいけるんじゃ?っと思いつき、雪で試したら地面まで貫通していたので実験することになった。
結果は大成功!「ばしゅ!」っと音がして、大量の水蒸気が発生しちょっと水が噴き上げたがすぐに収まって静かになった。
まあ・・・良いんだけど・・・やっぱドリルにしようかな・・・結構振動もあったし・・・少し怖かった。
開いた穴の上にテントを設置して火桶で火をたく・・・防水の敷物を敷いた上に、毛皮の敷物を敷き準備が整ったところで俺は気が付いた・・・穴が1個って少なくないか?
急遽、残りの穴をどう開けるか考えていた時ケントが、「なあ、穴を開けるのに火矢って飛ばさないとダメなのか?」「槍のようにその場にとどめて溶かせないのかな?」と言いだしたので実験するとあっさり成功した!
(これならドリルは要らないな・・・安全だし・・・)
最初の穴は結構広かったので水汲みに使うことにして、人数分の穴を開け直し釣り座を構えると釣り始めた。
ちょうど回遊のポイントだったのか爆釣だった!ワカサギの他に、ニジマスのような魚もかかり穴が小さく上げられないので急遽穴を広げたりするハプニングもあったが、順調に釣果を重ね昼前に一端アタリが止まった。
俺は早速、火桶に小さめの釣り鍋をセットして油を注ぐと、小麦粉・卵・水を溶いた衣用の液体を準備するとつり上げたワカサギをドンドン揚げ始める・・・香ばしい香りがテントに充満し食欲を刺激してくる。
ドライハーブと塩を細かく砕いて合わせた物と残り少ない醤油を用意し、みんなで食べ始める。
「うめえぇ!」
「うまいが・・・酒が・・・」
「酒が欲しいな・・・」
好評だが大人は酒が飲みたくなったようだ・・・
『父さん・・・今日はここに泊まる?それとも拠点に戻る?』
「ん~そうだな・・・夕方前に1度誰か戻って馬の世話をした後、こっちで泊まって検証するか・・・」
「ちょっと馬が心配だが、この時期なら誰もいないし獣も出ないからな・・・」
『うん判った!』「「了解!」」
なし崩し的に始まったが、昼食の後くつろいでいると又アタリが来たのでがんがん釣っていく・・・
俺は釣りをしながら、少し小さなニジマスを竹串に刺し塩をふったり、大きなニジマスをさばいてフライの下ごしらえをして夕食の準備を続ける。
親父とケントが馬の世話に一端拠点に戻って、ゴバックさんは釣りを続け・・・俺は釣りをしながらご飯を炊く準備を始めるが、汁物をどうするか悩みゴバックさんに相談する。
結局、豚汁もどきに決定しすぐに料理を開始した。
戻ってきたケントが「やった~それ美味いんだよね~」とか言って喜んでいたが、俺が『これが最後の味噌だからな・・・』と言うとみんな驚き、親父は「今度、商工会に依頼を出すかな・・・」などとブツブツ言い始める。
簡単な食事が続いていたのでその日の夜は御馳走だった。ご飯・豚汁・ニジマスのフライ(タルタルソースがけ)・ニジマスの塩焼き・ワカサギの天ぷら・・・途中から、親父達は酒を出し飲み始めるが深酒するほどの量でもないので放置して、俺は飯を食い続ける!
俺とケントはお茶、親父達は酒を飲んで食後にくつろいでると、すっかり日も暮れてるのにアタリが来たのでみんな夢中で釣りを再開した。
翌日の昼過ぎ、俺たちは釣りの検証を終えて野営拠点に撤収すると、宿泊し、さらに翌朝、荷物を再分配して親父の空間に簡易ベットもどきを収納して貰い村に戻るため出発した。
「次はもっと準備を完全にして、早急に狩猟団でこよう!」
親父がそう言うと皆うなずき、湖畔の野営拠点を後にする。
風がなかったせいか、来た時の跡がそのまま残っていて心配をよそに順調な旅程で休憩を挟み、夕方過ぎには中間の野営拠点に到着し寝床と飯を準備して火の番を決めると思い思いに時を過ごす。
俺は今回の検証旅行?を思い起こしながら改善点や問題点をメモに書いていく・・・
翌朝、初日とは比べようがないほど身体の疲れが取れベッドの重要性と暖房の重要性を再認識した後、簡単な朝食を取り村へ向かって中間の野営拠点を後にした・・・
前日と同じように、順調すぎる帰路で俺はフラグを警戒したが特に何が起こるわけでもなく、夕方前に村へ帰り着くことが出来た。
とりあえず今日は疲れを癒し、翌日の昼過ぎにうちに集まり検討会をすることにして解散して、俺も親父も久々の風呂で疲れを癒す。身体をこするとぼろぼろとアカが出てきてひどかったので、『拠点でも温泉に入れたらな~暖房にも使えそうだし・・・』とつぶやくと、親父が「そうだな~それも検討した方が良いと思うが・・・村の拡張と併せて、今度寄り合いをするからそのときはお前とケントも参加しろ!」と言いだし俺を焦らせる。
『僕も参加するの?ケントも?』
「ああ・・・お前らの意見も結構参考になるし、拡張するならそこを今後とも使っていくのはお前らだからな・・・」
「他の見習いも参加させて、色々意見を聞きながら決めるつもりだ」
「イケスや拠点の整備、お前も色々考えがあるようだしみんなの前で説明できるように考えを纏めておくんだぞ!」
『はい・・・』
降って湧いた難しい課題に頭を悩ませつつ、1週間ぶりの我が家の夕食を堪能してすぐにベッドに潜り込むと寝てしまった。
初歩的なミスで更新時間が変わった事をお詫びいたします。




