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【連載版】幸子48歳、異世界転生したら出産中でした!?~後妻だったので産んだ子も連れ子もまとめて可愛がります  作者: よつ葉あき


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27.幸子、小さな手に導かれて


元気いっぱいのその返事に、胸の奥がじんわりとあたたかくなるのを感じた。


「そう……すてきなお名前ね。サチコちゃん、会えてうれしいわ」


そう言って手を差し出すと、彼女はためらうことなく私の手を握ってくれた。

その小さな手のぬくもりは、まるで未来からの贈り物のようだった。


私たちが笑い合っていると、ひとりの女性がこちらに気づき、そっと微笑みかけてきた。


「こんにちは。ヤヨイさん、その方は……?」


「新しく来られた利用者の、ミレイさんです。

ミレイさん、こちらはサチコちゃんのお母さんのマドカさんです」


私は会釈しながら、丁寧に挨拶をする。


「ミレイです。よろしくお願いします」


「私はマドカです。よろしくね、ミレイさん」


サチコちゃんによく似た、優しい笑顔で挨拶を返してくれるマドカさん。

思わず私は、彼女のお腹に視線を向けていた。

それに気づいたマドカさんは、少し照れたようにお腹に手を添える。


「大きいって、よく言われるんです。まだ、八ヶ月なんですけどね」


「えっ、八ヶ月!?」


思わず声を上げてしまった。

そのお腹は、もう臨月かと思うほどの大きさだったから。


すると、ヤヨイさんが補足するように口を開いた。


「マドカさんは、双子を妊娠しているんです」


「まあ……!」


本当にすごい。

きっと、生まれてきたらとてもかわいいに違いない──。

そんな想像がふくらむ一方で、ふたりの命をお腹に宿すマドカさんの大変さが胸に迫り、私は自然と表情を引き締めていた。


マドカさんは、優しくお腹を撫でながら微笑んだ。


「動くんですよ、すごく。最近は夜になると、二人でお腹の中で運動会してるみたいで……」


「まあ……それは、寝るのもひと苦労ね」


胎動って、妊娠後期になると痛くて大変なのよね。

……膀胱を蹴られて、漏らしそうになったりするし。


マナミを妊娠した記憶は、幸子としては経験してないので微妙だが、幸子が妊娠していたときの記憶がふとよみがえった。

単胎でもあれほど大変だった。双子なら、きっと胎動の激しさも想像以上だろう。


「ええ、でも……元気に育ってるって思うと、それも幸せなんです」


その言葉に、私は自然と笑顔になっていた。

お腹に命を宿すというのは、なんて強くて、そして美しいことなのだろう。


……だけど、「幸せ」と微笑むマドカさんの目の下にはクマがあり、少し疲れているようにも見えた。


「あの……」


「お母さん!」


私の声は、サチコちゃんによって遮られた。


絵本を両手で大事そうに抱え、にこにことお母さんを見上げるサチコちゃん。


その様子に、マドカさんはため息をついた。


「サチコ……今、お姉さんとお話ししてたでしょ?」


「うんっ! あのね、お母さん。サチコね──」


元気よく返事をしたけれど、話はまるで聞いていない。


(小さい子って……自分が話したいことで頭がいっぱいで、人の話なんて聞いちゃいないのよね)


私はそんなサチコちゃんを、微笑ましく見つめていたが──


「サチコ、いつも言ってるでしょ……お話は順番よ。

すみません、さっき何か言いかけてましたよね?」


「え、はい。でも……」


言いかけたものの、「大丈夫」と返そうとしたそのとき。


「ねえ、お母さん! サチコねっ──」


その瞬間だった。


「サチコっ!!」



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