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木の下に埋まる色

遅れた理由の言い訳ができない程のただのネタ切れです。

ごめんなさい((。´・ω・)。´_ _))ペコリ


地面から飛び出してくる肉の針、回避は間に合わずそしてする気もない。今まさに攻撃を仕掛けるタイミングで飛び出し割り込んできた針もろとも切り飛ばす。


スキルで威力を底上げして武器を削り強化しながら勢いと速度で全てを乗せる。身を絞り切った全力の一撃は壁として生えた針を棒のようにへし折ってボスの心臓の中心まで到達する切込みを入れた。


「失敗した!」


だけどそれがどうした。嘆く自分に喝を入れて再び攻撃を仕掛ける。振り切った刃を翻し今度こそ命を断つ為もう1歩踏み込む。その時足が触れた地面が盛り上がって針が生えてくる。


地面からでてきた針はボクの足を貫きそのまま頭を狙い飛んでくる。頭目掛けて襲ってくる攻撃を体を左に傾けて身を捻ること回避する。


針が刺さったままだった足は無理矢理動かしたことで完全に裂けて動かない。そして致命の一撃を避けれたとしても体が倒れるほどの隙があれば死は免れない。


重力に引っ張られ自然と傾く体を左足1本でなんとか支えて勢いそのまま左足を軸に回転するように切りかかる。足を貫いた針ごと斬り裂いた。心臓はさらに4分の1ほど肉を抉られてあと少しもう一押しで真っ二つにできる。


しかし時間を掛けすぎた、ボスの周りの地面に亀裂が入ってひび割れる。それは今ならまだ避けられる範囲だ。


これを切ったらボスを倒せるなんて保証はひとつもない。一さんの言葉がよぎった、勝つ為に生きる為にゲームをしている。でも、ボクは違うんだ。一さんボクはね、今を全力で楽しむ為にボクはゲームをしてる!勝ち負けより優先するものがあるんだ


<天地無用>


千切れた足をスキルで強引に地面を蹴り、回転した勢いを加速するように飛び上がる。地面に血がダラダラと零れ蹴ってできた深い足跡が血溜まりで小さい池のようになる。


心臓に向かって飛ぶ軌道の下には血が舞って汚れていく。しかし跳ねる血で染まった地面はついに大きな轟音を立てながら大きく割れる。


大丈夫。浮遊を使えば地面はいらないし、今は足が着くならどこでも足場にできる。それにこいつを倒す一瞬さえあればあとはどうでもいい。


命を、未来を、生きる今の為に全てを捨て、思いのままに刃を振るう。しかし、あぁいつもそうだ、伸ばした手は届かず土台から崩れていく。


裂けた地面から針が迫り上がって心臓を上へと押し上げる。いや、あれは針なんかじゃない根だ。爆ぜて落ちた段階でもう既に地中に張り巡らしていたんだろう。


そして肉の塊は心臓ではなく種子で、辺りに伸ばした根は攻撃じゃなくて地面以外からも栄養を得るための食事だった。溜まった分は今みたいに木の成長に使うってわけね。


だけどそんな憶測なんてもはや意味のないことだ。全力の攻撃は種子に逃げられる形で失敗に終わり、根が幾重にも重なってできている赤い幹を切り飛ばしただけ。


さらにその傷を塞ぐように肉の繊維が絡まり合い再生していく。同時に肉を束ねた鞭がはちきれながら広範囲に振るわれてボクの体が弾き飛ばされる。


何本もの鞭がボクを囲い込むように襲いかかる。頭を狙うものを避け、胸を貫きそうなやつを切って防ぎ、右足を捨て残りの左足を守る。少しでも致命傷を減らす取捨選択していく、肩が削れ、脇腹が抉れ、腕や足は傷だらけ、肌も自分の血とかすり傷で赤く染まっている。


反射で攻撃を防ぐことが出来たが、そのまま死んでも変わらなかったかもしれない。浮遊中は自由に動けず次の攻撃を再び凌ぐことは体が持たないだろう。浮遊を解除しても下からは根が待ち構えている。


地面は根の針、上空は今も赤い幹が分裂しながら増え続けている鞭のような枝、どこに行っても逃げ場はなんてない。張り詰めいていた気力が保てなくなって体から力が抜けていく。


それになんだか目眩もし初めてきたもはや出血によるゲームの状態異常か自分の体に起きている実際の症状かすらも分から無くなってきた。


「もう、いいや」


体を浮遊させたまま空中に身を預ける。浮かんでいる体はゆっくりと水の中に沈んでいくように落ちていき。


「ちょっとレンちゃん!1人で何勝手に諦めてんの!」


一さんの声が響いたと同時に凝縮した腕が伸びてボクの背中を支えた。いつもなら殴って種子の所まで吹き飛ばされそうだけども一さんとは思えないほど優しい手付きで、心が暖かく少し楽になった。


ありがとう。その言葉はなんだか照れくさくていつもと違って口に出せなかったけど感謝は行動で示すことにする。ちょっと荒っぽくなるけどごめんね。一さんの手を足場に左足だけで立ち踏み切る力もないボクは魔法を使う。


<突風(ブラスト)>


風を爆発させて自分自身を吹き飛ばし反動で一さんの腕も弾かれる。


「あんまり私の腕で暴れないで欲しかったんだけど!」


「ごめんなさい。今回は絶対成功させるから期待してて」


種子に向かって一直線に飛んでいき大きな樹へと成長していくボスはそれを防ごうと枝を鞭のように振り回して叩き落とそうとしてくる。


「ぶっつけ本番だけど行くよ、形骸の紋章発動」


装備しているアクセサリーの効果を使うイメージをする。どうやら発動に声は要らなかったようだけどちゃんと魔力が消費されて自分の周りに黒い霧が展開される。


そして月欠ノ葉(ゲツガノハ)構えて空いた左手でアイテム欄を開き白月(びゃくげつ)の燈籠(とうろう)を取り出して左手に装備する。


空中戦も少しの間なら白月(びゃくげつ)の燈籠(とうろう)で対応出来るはず、それでも空中じゃ自由が効かないことは変わらないし後手に回れば一方的に攻撃されるだけでジリ貧になる。


最短最速の正面突破で押し切るしかない。風を切る音をさせながら襲いかかってくる大量の枝を白月(びゃくげつ)の燈籠(とうろう)を振り回して自分に届く前に折っていく。


赤い枝を次々に破壊していき勢いを落とすことなく種子に近づいていく、近づくにつれて迫り来る本数が増えていき様々な方向から攻撃が飛んでくる。


少しずつ枝を捌ききれなくなって飛ぶスピードを減速させてでも身を捻って回避する必要になる場面が出てきた。形骸の紋章の防御効果のある霧で防いでもいいけど、耐えられる威力の限界や詳しい能力を把握していない以上これは最後の保険程度に考えておくべき。


でもこのまま行っても勢いが無くなり伸びて逃げる種子に追いつかなくなってしまう。なら一か八か白月(びゃくげつ)の燈籠(とうろう)を投げて木の幹にぶっ刺して飛び移るか?


「レンこっちは少し任せろ」


<畜生道(ちくしょうどう)・顕現>


黒桃さんが急に姿を現し、ボクに向かって飛んでくる枝を壊して道を切り開いてくれた。枝は切られた端から弾けていくようにボロボロと落ちていく。


枝は黒桃さんのおかげで対処出来た、しかし樹は攻撃の手を緩めようとせず地面から根を伸ばして邪魔しようとしてくる。下から迫り来る大量の根はまさに山のようだった。


<青い肢体(パッチサイト)>


<黒爪>


巨大な右腕が地面を抉るように吹き飛ばしてボクに向かってくる根を破壊してくれた。


「レン君ごめんなさい。やっと助けになれそうです」


ヨウさんがようやく元の様子に治ってくれたことでこれから随分楽になりそうだ。でも結構姿が変わってるからホントに無事なのか不安だけども、巨大な腕を投擲せずに黒い爪を生やして戦ってるし肌は霜とかは降りてないけど電気のように迸るオーラを纏っている。


腕が肥大した分重くなって動きが鈍くなっているけどバフでステータスを底上げしてどうにかしているらしい。


これでようやくお前の元に辿り着けそうだ。一さんが背中を押してくれて、黒桃さんが道を作って、ヨウさんが邪魔を防いでくれた。1人で戦う時よりみんなと協力した方がずっと早くて楽しいや。


みんなのおかげで種子の近くまで来れた、みんなの思いや期待を乗せた一撃を勢いそのままに刃を振るう。樹はそれを待ち構えていたように赤い木の幹を針に変形させて囲み込むように攻撃してくる。


その様子をボクは何も対応しようとしない、今は何故か驚きや不安

は微塵も感じずただゆっくりに見える針の軌道を眺めていた。向かって飛んでくる針は直前でボクが纏っている黒い霧に阻まれる。


流石に全方向から突き刺さる針を長い時間防ぐことはできずに数秒後に割られてしまうがその隙にようやく確実に種子の命を仕留めれる距離に届いた。


研魔だけでなくさらに魔力を消費して一撃を強化する。その攻撃はあっけなく種子を切るにとどまらずに吹き飛ばした。

この作品を読んでくれてありがとうございます。面白ければ評価とブックマーク登録をよろしくお願いします。

ただ私が嬉しくなってやる気が上がります(>_<)

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