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蒔いた種は成長する

システムのアップデートで1日作業が潰れ、残りはレポートで忙しかったのが原因です。ごめんなさいm(._.)m


「なんでまた面倒なことになっちゃうかなぁ!」


「レン君はもうそういう星の下に生まれたと思って諦めた方がいいですよ」


「ていうか何をしたらこんなもんを作れるんだよ」


「えーっと、私が頭に装備してた種肉の芽はね、前にここのゾンビを倒して手にれた肉を全て素材に錬金術師に頼んで作ってもらったものなんだ。できたのはいわゆる呪いのアイテムで外せなくなったんだけどさっき勝手に装備が解除されてピーンと来たんだよね。これでなんか面白いものを生み出せるって事に」


「そんな余計なこと、気づかなきゃ良かったのに」


「ていうか話してる場合じゃないですよ。あれを何とかしないと」


「でも一さんがこのボス作ったんでしょ、案外懐いて来たりしないかなぁ」


地に落ちた肉の塊はゾンビと混ざりあってひとつの球体になった。そしてそれは心臓のようにバクバクと鼓動し続けている。未だに攻撃するような動きはなく安全なのかもと思ったけど、その考えをあっさりと裏切るように塊がその肉を限界にまで凝縮させ始める。


<冷肺>


横から凄まじい勢いで冷気が辺りに広がっていく。それはヨウさんから出ているのだがいつもと様子がおかしい。さっき使った時はこんなにも冷気が周りに漏れることなく無差別に影響を与えることはなかった。


何よりスキルを使ってるヨウさんの体に白い亀裂のようなものが浮かび上がっているし霜が降りてて表情もなんだか辛そうだ。それでもヨウさんはいつもと変わらない動きで行動する。


大きく息を吸って冷気を肺に集める。辺りに漂っていた冷気が薄れていく、そして溜めた冷気をブレスとしてまさに肉の形を変化させて全方位に針を伸ばすという攻撃を仕掛けてくるボスにぶつけた。


こちらに向かって飛んでくる肉の針、その量は一さんと変わらない、いや単純にデカさと質量の分これの方が上回るかも。そして迫り来る攻撃に冷気の息をぶつけて固めることで動きが止まった。


「ふー、結構ギリギリでした。でも元が肉なら結局一ちゃんと弱点変わらないでしたね」


「サラッと暴露するのやめて欲しいんだけど」


「でも一さんの針孔雀(みずどり)と同じだよね。でもちょっと違うか針大きめだし密度は一さんに劣るけど一本一本の威力はこっちの方が高そう」


「いやそもそもこれは私のとは全くの別物だよ。目的っていうか役割が私たちを倒すためにやってるものじゃない。それ以前に攻撃じゃない気がする」


「攻撃じゃないならなんの為に俺たちに針を飛ばして来たんだよ」


黒桃さんの疑問を遮るようにギュンギュンと何かが唸るような音が響く。それは肉の塊が心臓のように鼓動する音ではなく針の方から聞こえてくる。よく観察してみる針でさえも脈動しておりそれはポンプのように何かを送り続けている。


肉の塊が本当に心臓だとするとあの針は血管か、だとするなら放って置くのはまずいな。幸いにも前面はヨウさんのおかげで凍りついてる。残りは天井まで突き刺さってる上側とどこまで続いてるのかすら見えない裏側だけだ。


「みんな!あの針ぶっ壊して下さい。放って置いたら成長しそうです。一さんも手伝ってよ、死にたがりにも程があるからね」


「心外だなぁ。レンちゃん私は負けるつもりなんて一切ないからね勝つために生きる為にゲームしてるんだから!」


「あっ、うん分かった」


それもイマイチ意味分からないんだけどねー。またヨウさんに教えて貰った方がいいかな。それはそれでめんどくさいからいいや。


「じゃあ俺が上の針を飛んできりまくるから地上は頼む」


<畜生道(ちくしょうどう)・顕現>


黒桃さんが翼を生やして空を飛んでいく。今日で何回も使っているスキルだ。体を作り替えているような効果でもしかしたら翼以外もできるのかもしれない。どちらにしてもデメリットがないかのようにポンポン使っていいものなのか。


<突風(ブラスト)>


まぁ、今そんなことを考えても仕方ない。風を爆発させて加速して肉の塊の右側を通り過ぎて針があるところに向かい走る。一さんは液体化で加速してボクに迫る勢いで左側から突っ込んでいく。


レベル差あるとはいえ着いて来るのかステータスはボクが速いはずなんだけど、敏捷性のステータス以外に速さに影響を与える物があるのか爆風で加速するより液体化の方が速いかのどっちかだな。


「ちょっとレンちゃん先走りすぎなんじゃないの」


「一さんにだけは言われたくないよ!」


さっきから独断専行しかしてないし変な状況を巻き起こしてるの大体一さんのせいだからね。まぁきっかけを与えたのはボクかも知んないけども、これでヨウさん居なかったらもっと酷いんだからどうしようもないよ。


「あれっそういえば一さんは?」


後ろを見ると一さんが倒れて膝を崩して手を着いていた。どうやら全身に力が入らないようで顔も辛そうというか青白い。違うわ青白いのはそういう種属だからだった。


でも荒い呼吸で息をしながら冷気が体から漏れている状況は変わらない。おそらくスキルを連続で使った弊害だと思う。ヨウさんはゾンビ達に対して冷肺を使ってその後すぐにもう一度使わざる負えない状況に追い込まれた。


「ごめ、、さい。息、、続か、なくて」


「ヨウちゃんありがと。後は私達に任せておいて」


ヨウさんが微かに何かを言っているような気がした。それぐらいヨウさんの声は小さくてボク達との距離は離れている。そして一さんはそんな問題をまるで意に介さずヨウさんの言っている事を完璧に理解して返事をする。


その声は一さんでも真剣だということが1発でわかる口調だった。これなら一さんのことも信用しても良さそうだ。別に一さんのことが嫌いとか信じれないってわけじゃないんだ。


一さんはやる時はしっかりやってくれるし、面倒見が良い時もあってたくさんのこと教えて貰ったんだよ。どんな人かかも付き合って長いからある程度は理解して信頼してるんだけど。いかんせん今までやらかしたことが多すぎて信用できる要素が皆無なんだよね。


2人で息を合わせて飛び出した針を端から削っていく。針は引き絞った筋肉のように硬く普通に切ろうとしても刃が途中で止まり時間が掛かる。


すぐさま月欠ノ葉(ゲツガノハ)に魔力込めて針を切っていく。太い針の中を膨らみが移動しており今もポンプのような働きをしている。そして奇妙なことに切った針は落ちるでもなく塵になって消えてったのだ。


ただでさえこの血管なのかどうか分からない針がどこまで続いてるのかも分からないのに、塵になって消えるとか不思議なことが増えたな。後で長さを調べたかったのに、でもこれで分かったことがある。


こいつはひとつの生命体じゃない。そもそもゾンビの肉が混ざってできたボスだから当然なんだけど。重要なのは体の一部であっても一体として判定されるということ、だから針を切り飛ばしたら塵にになって消えた。


これは月欠ノ葉(ゲツガノハ)の耐久値が回復した事を踏まえて確定だろう。


魔力を気にせずに使い続けて間を開けずに攻撃をし続ける。1秒すら今は時間が惜しい、回復を待たずに消費して魔力がガンガン減っていく。


針の数は一さんと比べてそう多くない。一さんが細い針が高密度、広範囲で迫ってくるまさに針千本だ。だがこいつの針は太い分荒くせいぜい100といった所しかも裏側だけなら数十本だ。


今は一さんがボクに合わせてくれるからこの程度の数1分も掛からないよ。次々に針を折ってまたは切り、塵へと変えていく。肉の塊は抵抗しようと時々新しく針を形成して攻撃を仕掛けるが、そんな予備動作のでかい攻撃は針を作らせる前に切り落とせる。


「よし!こっちのは全部切ったぞ!」


黒桃さんの声を受けて一気にカタをつけることにする。


<研魔(けんま)>


魔力と耐久値を消費してダメージ量を1.5倍にするスキルを初めて使う。嘘っ耐久値って3分の1も減るのかよ。これじゃあ実質二回しか使えないじゃん。


急遽段取りを変更したけど一さんならちゃんと合わせてくれるから残りの針ごとこの肉を切り飛ばして早めに終わらせることを優先する。


<スラ


だけどスキルを使うとした時、予想外な事が起きた。肉から切り落とした針の断面から凝縮するような予備動作もなく針が再生するように高速で生えて伸びてきた。浮遊で後ろに飛んで、まずっ間に合わないかも


「あー、もうレンちゃん急に思考切り替えられたら連携が対応出来ないでしょ」


一さんが針の前に立ち塞がり引き受けてくれる。両手で斧を振るい迫り来る針を捌き続ける。最初の4本は斧で真っ二つにしても勢いを殺しきれずそのまま体に刺さって2つずつの風穴ができた。


だが1本切る事により正確により威力が上がって、5本目以降の針は完全に切り伏せて最後まで後ろに1本も通さなかった。


「ありがと、一さん信じてたよー!」


浮遊を解除して地面に着地してすぐさま起動する。


<スラストダガー>


浮遊で体が軽い、そして1歩で地をかけ加速して突進する。


「また都合のいい時だけ、、」


何かを呟く一さんの横を通り過ぎ、魔力を最大限込め、剣の耐久を犠牲に極限まで研磨した一撃を高速の勢いに乗せて叩き込む。


その瞬間地面から針が飛び出してきて間に割り込んだ。それでも攻撃は防ぎ切れずに針は全て真っ二つになるが肝心の心臓部に半分程の切り込みを入れることしか出来なかった。




この作品を読んでくれてありがとうございます。面白ければ評価とブックマーク登録をよろしくお願いします。

ただ私が嬉しくなってやる気が上がります(>_<)

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