No name #13
僕は想う
魂の行き着く場所を想う
その昏いとも明るいとも
騒がしいとも静かだとも
何も決めることのできない
魂の行き着く場所を
そこには人の生死はない
そこには人の姿かたちもない
万物の存在もない
魂の行き着く場所にあるのは
ただ感動のみだ
総ての時への
総ての場合への
感動のみだ
僕らの深層の心は
それを感じ取って
人の生き死にに
また他の命に
そして脈動のない鉱物の集合にすら
感動するのだ
僕は想う
あらゆる魂を想う
あらゆる魂は
遍く宇宙に在り
可能性の数だけ存在し
僕らの深層の心に語りかける
あらゆる魂は
今もこの世界を
あるいはこの世界に類似した場所を
同時に駆け巡っている
そして
あらゆる魂の行き着く場所にある
あらゆる魂の感動を
僕らの深層の心に
伝える
僕は想う
魂を想う
人の魂を想う
人間の型にとらわれ
世界の表面から浮き上がる
人の魂を想う
人は人の肉を持って
人の魂を成す
しかし人の魂は
人間ではない
僕は想う
人の魂の見るものを想う
人の魂の聞くものを想う
すべての感動を想う
僕は想う
人の魂の知性を想う
感動の何たるかを知る
人の知性を想う
僕は想う
人の肉の本能を想う
人の肉の本能に導かれる
人の魂も美しく想う
人の生き死には
魂の巡り
人はどこまでも生きる
人はどこまでも存在し続ける
人は魂を永遠にし得る
人は永遠に個であり
人は永遠に全であり
そして人は
永遠に魂をつなぐ
人は深層の心で
魂を繋ぐ
感動を繋ぐ
遍く宇宙の
あらゆる魂が記憶する
総ての感動を繋ぐ
僕は想う
人の魂を想う
人の永遠を想う
人の肉に導かれながら
人の肉のうちに留まらない
人の美しい魂を想う
人の魂が感動に震えるのを想う
魂の行き着く場所には
死者も生者もない
そこにはあらゆるものの感動がある
深層の心を繋ぐ
知性の奔流がある
魂は時に縛られることはない
魂はその永続性により
現在過去未来
そのいずれにも存在し
またいずれにも存在しない
そして魂は普遍性によって
現在過去未来
総ての感動を知る
魂の行き着く場所は
天国ではない
そこにあるのは
総ての感情
そしてそれを感動にする
知性の奔流
僕は想う
人の魂が
人間の偽りの知性に歪められるのを
人間の偽りの感動に染まるのを
人の魂の寄る辺を失う
人間の哀しい世界を
僕は想う
永遠の人の魂の在りか
それを知らない人間
人間になっていく人の魂
僕は哀しく想う
僕らの深層の心を
その心に流れる
真実の知性の奔流を
人間は見えなくしてしまう
人の生き死には
魂の輪廻
新しい感動を
時に縛られた人の肉に伝える
永遠の回転
僕は想う
魂の行き着く場所
そこにある本当の感動を想う
僕らの深層の心を想う
人が人間であるなら
人は死ぬ
人は途切れる
だけど
人は魂の形容
人は魂のとおり
永遠に宇宙を巡る
永遠に感動を伝え続ける
だから人は
人間に染まってはならない
人は自らの魂の永遠を感じ
あらゆる感動に気づかなければならない
僕は想う
魂の行き着く場所を想う
魂の永遠を想う
あらゆる感動の永遠を想う
人の感動を想う
僕ら人の永遠を想う
僕は想う




