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爆食い将軍大塚渚


「茜様!それでは駄目です!」

「もう、休みたいよぉ」

「私は弱音を吐く子に育てた覚えはありません!良いと言うまで廊下に立ってなさい!」

「ミアの馬鹿!」

「何?口まで悪いの!こっちに来なさいお仕置きします!」

「やーだ!」

「こら、待ちなさい!」

 私は今、いやな昔の事を思い出していた。けどあんなに口うるさかった。ブロンドのショートボブヘアの白人女のミアも、寿命には勝てず死んでしまった。いざ、居なくなると。清々したというより心に永遠に塞がらないであろう穴が出来ていた。ただ、今ではそれが無くなりつつあるので何処かに本人が生きていた証を書き残している。確かに鬱陶い位厳しい人だったけど。私が母親が居ないのを知ってあえてそうしていたのかなぁ。そのおかげで寂しいとか退屈だとかそういう思いをしないですんだけど。そこは感謝してる。ありがとう、そしてさよなら。聞こえてるか分からないけどそう言って墓地を離れた。




「それではいただきます」

 そう言って、勝手に私の家に上がり込み、鍋料理の具材の一部を箸で器用にとり味わっているこのピンクのショートボブヘアの女は大塚(旧姓川崎)おおつかなぎさ、大食いの噂があるので目の目でぺろりと完食するのかと思ったら、プロの料理人のように慎重に口の中で審査していた。

「塩と砂糖間違えてない?」

「形は変だけど味は問題ないわねぇ」

「それ、誉めてんの?」

「誉めてるよ」

「で何で私が鍋を作るって知ってるの?」

「精霊さん達が教えてくれたのよ」

「ふーん、そうなんだ...」

「けど、何か足りないわねぇ」

「文句があるなら、自分で作って食べて!」

「持って帰っていい?」

「鍋、後で洗って返してよ」

「じゃあね」

「本当に、誰に似たんだか......」

 そうだ、今日は剣奉明つるぎたてあきさんの面接日だ。前に声を掛けて時に電話番号を載せてある名刺を渡したんだった。昨日の鍋料理はというと私が作ったものより豪華絢爛ごうかけんらんになって翌朝渚が持ってきてくれた。料理の完成度が自分より高いので余計嫉妬する。面接が終わったら、誰か誘って食べようかなぁパーマをかけている薄紫色のショートボブヘアの大塚紫苑おおつかしおんさん(女)誘ってみよっかなぁ私が考えた中ではこの人が一番まともなので。

「いや、いいんですか?」

「私と亜理紗じゃ食べきれないので」

「丁度お腹空いてたんですよ頂きます!」

「それじゃいただきます」

 しかし、どこで情報を嗅ぎつけてのか、白銀のショートカットヘアの浅霧睡蓮あさぎりすいれんという女に、エヴリンが私達もといつの間にか和室を占領していた。あれ、おかしいなぁ内緒にしてたんだけどな......。誰が......。

「いや、何しれっと座ってんの?」

「駄目ですか?」

「誰から私が鍋料理作るって教えてもらったの?」

「大塚さんからです」

 大塚渚ぁ!お前かぁぁぁぁぁ!薄々そんな感じじゃないかと思っていたけど。まさか、出所は本人とは!またやられたぁ!鍋料理を受けとった時点で対策しとけば良かったぁ。けど、よく考えたら嬉しい誤算か。家の中がちょっとした宴会会場になった。






 


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