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鬼ごっこ ー陣&煌牙sideー2


息を潜めた2人は湖の方をじっと見ると青く揺らめき徐々に成形し式が姿を現した。

姿を確認した陣は煌牙に捕獲準備の指示を与えた後、素早く印を組むと呪文を唱える


式の周りに術式が淡く光ると、式はその術に気が付くとその場から逃げようと地を蹴ろうとした


「させるか!

“戒めの鎖よ、捕らえよ!”」


陣の言葉で大地から出た白色の鎖が式を縛り、その場で拘束をした


「大地使い、仕上げだ

水晶を取ってくれ。

俺は今、術を解くわけにいかないからな」


「うん」


印で両手が塞がっている陣の代わりに式へ手を伸ばしついていた水晶を取った


「主人の元へ還れ」


陣が術を解くと式はその場で姿を消し、

式がいた場所には紙が一切れ落ち、青く燃えた


「さて、片付いたが、戻るには暗いな…迷えば刻限に間に合わない可能性があるから、できればここで朝まで待つのが正しいが……雨が降れば凌げる場所もない」


「俺、道わかるよ?」


「いや、わかったとしても何が出るかわからん」


「だいじょーぶ!!」


自信満々にいう煌牙に不安な陣だが大地を読める煌牙に賭けてみようとも思った


「迷ったなら早めに言えよ?」


「だいじょーぶ、俺、ちゃんと覚えてるもん!」


サクサクと進んでいく煌牙の後ろを陣は心配で何度も声をかけながらついていく。

煌牙も何度も大丈夫と返しながらズンズン進む。

灯りは火や魔力に反応する魔物がいるために最小限にしている故に足元を照らすのが精一杯の状況で尚不安になっていく


「えっと、ここはこっち!」


分かれ道も迷うことなく進んでいく煌牙だが、1時間ほど歩いた所で陣は自身が付けた目印を発見し、煌牙の進む道があっているのだと安堵した


「…お前、本当に覚えてたんだな……」


感心する陣に煌牙はエッヘンと胸を張った


街の入り口が見えてくるとそのまま鈴の待つ広間まで足を進めた



「あ!陣!!」


「鈴、いま戻った。異変は?」


「ありませんっ!」


「…とゆうよりは、何にもできねぇなこれは」


自信満々に答える鈴に狐狼と同じ匂いを感じつつも、霊符で拘束された神官や長を見て憐れむ


「拘束、解いてやれ」


「え、でも、秋くんまだですよ?」


「…いいから解け」


「わかりましたー」


印を結んでいた鈴はその印を解くと別の印に組み替えた。

それが解だったようで拘束をしていた霊符が地にひらひらと落ちた



「ねぇ、陣、秋くんはいつ頃戻りますかね?」


「秋は慎重派だからな、何処かで野宿でもするんじゃないか?

いくら風使いがいるとはいえ、暗がりじゃ道も上手く見えんだろう」


「じゃあ、なんで陣は戻ってきたんです?陣もいつもは夜道は危険だっていうじゃないですか」



「俺はそうするつもりだったんだ」と陣は深いため息をついた。それだけで鈴は察した



「あー…。大変だったんですね」


鈴はそれだけを言って森の方を見つめている煌牙をみた



「…一つは見つかったようだが、もう一つは私の式じゃ

簡単には見つけられん、そう式に言ってあるからな」


「翔歌ちゃんなら、見つけるよ?」


いつの間にか陣の横に移動していた煌牙が長に言う


「どんなに探索に優れていても無理じゃ、この国には魔力が安定しない場所が幾つかある

上手く力を扱えんくもなる故に見つけるのは至難」

そう言って笑う長に対し、煌牙はいたって真面目な顔で答える


「見つける。翔歌ちゃんなら絶対」


「その自信はどこからくる」


「勘!!」


力強く答える煌牙にその場の人達はガクッと崩れ落ち、呆れる

さっきの真面目な顔はなんだ、と。

長は、子どもの戯言と声高らかに笑った。


「…また、未来を読んだのか?」


「んーん、違う

翔歌ちゃんだから大丈夫って思うだけ」


「そうか……」


呆れて何も言えない陣だったが、まぁ、風使いと秋なら大丈夫だろうと陣も思い煌牙が見ていた方角を見た。


「秋くん、連絡してこないんですかね?」


「とりあえずは刻限には間に合えばいい。

魔力が安定しない土地なら式を飛ばすのも難しいだろう

風使いなら、少しの変化でも風を読んでくれるから相手の情報もわかるんだがな…」

できるなら風使いが2人欲しいくらいだと誰にも聞こえない声で呟いた


「なら、秋くんを信頼して待つしかないですねー」


「あぁ、お前じゃないから、そこは安心はしてる」


「酷いですよ、陣っ!!」


「あのな、お前は探索に優れてはいるが、無茶をしすぎる。

子どもと一緒に迷子になって慌てない自信はあるか?」


「ないですね!」


「自信満々に答えるところじゃない!

それと、“迷子の前提”も否定しろ!」


「え、私が迷わないと思ってます?」


「藍色だろ、お前は……」


「地図が読めて、マッピングできても、何故か迷いますし、現在地が分からなくなります!」


不思議でしょう?と笑う鈴に陣は呆れる


「……もう、お前に単独任務は頼まん」


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