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第6話



 俺は決めていたことがある。 

 スキルが使えない俺はこの知恵を振り絞って極限までに過密なスケジュールを組み、そのハンデを埋めようと考えた。

 そのためにまず必要なのは、


 「魔力、だな」


 そう魔法だ。

 多種多様ありとあらゆる魔法をここで覚え、それを使って修行の幅を広げる。

 魔法の種類、習得方法などは既に知っている。

 だが俺にはそれを実行するだけの魔力がない。

 そこで、俺は魔力の底上げをしようと考えた。

 この1ヶ月そのためだけに時間を費やす。


 「魔力放出による魔力枯渇を繰り返して上限を上げ続けるのがいいんだろーけど、これ下手したら死ぬんだよな」


 魔力枯渇は直接命に関わるらしい。

 残存量が5以下になってしまうと、外部から魔力を取り入れないで五分が経つと生命維持ができなくなり、死んでしまう。

 その前に0になっても死んでしまう。

 だが、それを乗り越えた時爆発的に魔力が上がるとのことだ。

 


 「必要なアビリティは魔力吸引だ。これが無いと連続して修行ができない。習得方法は反復練習だけか」


 初日はこのアビリティを覚えるために使う事にし、可能なら実際に一連の流れを通すつもりだ。





 



———————————————————————————









 「……ムズッ!」


 めちゃくちゃ時間がかかった。

 こりゃ大変だ。

 生まれてこのかた魔力を使ったことが無かったのでその感覚を覚えるのに二時間もかかってしまった。


 「あー、クソっ、思ったよか時間食っちまった。やっぱり慣れって大切だよな」


 ある程度慣れると急に習得が早くなる。

 人間って基本そんなもんだ。

 これで最後の復習だ。


 意識する。


 

 体の中に血管に寄り添うように存在する回路。

 魔力はそこを流れる。

 効果的な練習法としては魔力の発生源である心臓を意識しつつ、刺激を与える。


 血液の流れを真似て魔力を流す。


 感覚はある程度知識としてはわかっているが実際に使うとなると少々勝手は違う。

 漸く自分の思うように魔力を流せるようになって来たところだ。



 「ふぃー。完璧だ。この工程を1秒以内で出来るのが条件だったからこれでクリアだ」


 


 「この全身を巡らせる練習法を知っていなかったらもっと時間かかってたな」


 これは一種の裏技である。順序通りに魔力を流していくとスムーズに感覚を覚えられる。

 これは人によって順序が違うので実際に行うことはまず無いらしい。

 しかし流石は神の知恵。

 それを調べる方法はあった。

 俺はそれに従い魔力を流し、感覚を覚えた。


 「よし、内部操作は大体できた。こっからは外部からの魔力吸引だ。確か、大気中の魔力をそれようの回路に作り変えて取り込むだっけか」


 目を閉じて、回路を意識する。

 確かコツは、

 

 「自分を中心に渦をイメージする」


 すると、

 

 「お、お」


 何かを取り込んでいく感覚。

 俺の魔力回路に吸い寄せられている。


 「なるほど、こういう感じな」


 一度覚えたら後は簡単。

 自転車と一緒でもう忘れはしない。


 「第一条件はクリアだ。さて、いよいよだ」


 次は魔力放出による魔力枯渇を起こす。

 魔力枯渇は想像を絶するキツさらしい。

 息苦しく、周りが真っ白になる。

 言ってしまえば酷目の酸欠だ。










 俺は少し遠くまで移動した。

 これからは魔力吸引後は転々と移動を繰り返すつもりだ。


 「ここでいいな」


 魔力を操作し、準備する。


 「っと、その前に」







———————————————————————————




 これはスキル判定前のこと。


 「鑑定?」


 ———そう、鑑定。君たち異世界人には特別にスキルとは別に鑑定というアビリティを授けるんだ。ステータスウィンドウが表示されるからそれをみて今の自分の強さが視覚化されるんだ。試しに自分の手をじーっと見て見なよ。


 俺は自分の手を凝視した。

 すると、



———————————————————————————


 聖 賢



 異世界人


 


 HP:100


 MP:100


 攻撃力:50


 守備力:50


 機動力:50


 運:10


 スキル:無し


 アビリティ:鑑定




———————————————————————————


 ———平均は上から50、50、30、30、30、10といった具合だ。スキルは君たちが今手に入れようとしている能力だよ。厳密には固有スキルと言って世界に一つしかないスキルさ。それとは別に共通スキルというのがあって、それは剣術だったり槍術だったりのこと。アビリティは魔法や特技の総称だよ。魔法というのは———まあ君たちが思っている通り魔力を使って発現させる能力のことで、特技は魔力操作や探知と言った魔力を使わずに行う技能のことさ。例外はあるけどね。後々覚えていくだろうから知っていて損はないよ







———————————————————————————






 

 「確か俺のMPは100だったな。こっからどう増えるか楽しみだ」


 魔力を放出させる。

 全身から波のようなものが見える。


 「実際見てみると不思議なかんじだ。これが魔力か」


 放出し、視覚化された魔力はこんな感じだ。

 純粋な力の塊。

 それが魔力。

 魔法とはそれを変形させて起こす一つの現象を言うのだ。


 「後10秒ってとこか」


 魔力枯渇は残量の100分の1、それが5に満たない人は5以下になったら発生する。

 10秒というのはそれまでの秒数だ。

 これが過ぎると、


 「ッッ!!」


 膝から崩れ落ちた。

 視界は狭まり、呼吸も荒くなる。

 急激に体が冷えていくのを感じながらなお魔力を出し続ける。


 …………ここだ。


 俺は魔力を止める。

 残存量は0.4

 

 「…ま…りょ」


 頭が働かない。 

 だが、本能がどうすべきか理解している。


 ゆっくりと魔力吸引を始めた。

 




 「………っは! あー焦った。死ぬわこれ」


 全身嫌な汗を掻いていた。

 臨死だったと言っていい。


 「ハァ………毎日これをやんのか。いや、こえーな」


 俺は魔力吸引をし、目の前の草花から魔力を吸った。

 魔力吸引は結構な時間を要する。

 

 「さてさて、結果はどうなった?」


 鑑定をする。


———————————————————————————


 聖 賢



 異世界人




 HP:100


 MP:150/200


 攻撃力:50


 守備力:50


 機動力:50


 運:10


 スキル:無し


 アビリティ:鑑定・魔力操作・魔力吸引




———————————————————————————



 「一気に倍加してる。ふむ………思ったより成長限界は遠そうだ」


 俺は魔力吸引をマックスになるまでやったら、次のポイントまで移動をした。

 そこでもまた死にかけてからの復活。

 死にかけてからの復活。

 死にかけてからの復活。


 ………………







 

 そして、1ヶ月後


———————————————————————————









 俺はこの作業を1ヶ月ずーっとやり続けた。

 毎日殆どの時間をこの作業に費やした。

 おそらくかなりの魔力になっているはずだ。

 はずというのも、


 「長かった……あえて鑑定なしでやってきたが、どうなったんだろーな」


 見なかったのは満足してしまうことを防ぐためだ。

 万一満足して修行がおろそかになったら、と思うと見ないほうがいいという結果にたどり着いた。



 俺は1ヶ月ぶりに鑑定を行った。


———————————————————————————


 聖 賢



 異世界人




 HP:100


 MP:500000


 攻撃力:50


 守備力:50


 機動力:50


 運:10


 スキル:無し


 アビリティ:鑑定・魔力操作・魔力吸引




———————————————————————————




 「…………マジで?」


 50万。

 それは異世界の歴代勇者を凌ぐMPだった。



 「ヤベェ、こんだけあれば大抵の魔法は打ち放題だ。やった甲斐があったわー」


 50万という途方も無い魔力。

 俺はできてラッキーと思っていた。


 この練習法は異世界では禁止されている。

 それは何故か理解しているが、実際体験した人たちがどうなったかまでは知らなかった。

 実はこれ、トラウマ量産機だったのだ。 

 とある魔法使いが自分のMPを上げるためにこれを作り、行った。

 結果的には成功した。

 しかし、その魔法使いは二度と魔法を使わなかった。


 彼はその時の心情をこう語っている。


 あれは生き地獄だった、と。


 禁止されてからもしばらくそれを行う者は絶えなかったが、目に見えて減っていった。

 彼らも、魔法使いと同じ末路を辿ったのだ。


 でも俺はやり続けた。

 それに俺は知っている。

 本当の生き地獄がどういうものなのかを。

 だから耐えれたのだ。

 まあ俺は大して気にしてなかったしな。




———————————————————————————





 「次は魔法だな」


 今度は魔法を片っ端から覚える予定だ。

 これに関しては俺は苦労しない。


 「魔法創生陣は確か……こうだな」


 俺は地面に魔法陣を描いていく。

 魔法の習得は2つ方法がある。

 まずはグリモワールを使った習得方法。

 もう一つは仕組みを理解した上で魔法創生陣から習得する方法。


 基本的にはグリモワールの方がメジャーだ。

 魔法の構築理論は簡単な魔法でも理解するのはかなり面倒だ。

 だが俺は違う。

 俺は特殊な魔法を除けばほぼ習得可能である。

 これはできるだけ早く習得していきたいところである。


 それと併用して俺は剣術を覚えるつもりだ。

 元からあった体の使い方に知識を足せば覚えるのにそう時間はかからない。これは1年かけてスキルレベルを上げていく。


 魔法の習得後はひたすら実技訓練と肉体強化。これで1年過ごす。

 実技は魔法で作った分身と訓練する。


 俺は寝る間も惜しんで修行をした。

 今まで生きてきてここまでマジでやったことはないというくらい真剣に取り組んだ。









 そして、1年が経過した。

修行は似たようなことばかりなのでスキップして、次回はこの1年後の話です!



2018/08/30修正

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― 新着の感想 ―
[気になる点] > 俺は魔力吸引をし、一帯の魔力を吸い尽くした。  魔力吸引は結構な時間を要する。 MP200時点でこう書いてあるけど、一か月後のMP50万って一帯どころかちっちゃい都市のMP枯渇さ…
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