表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
674/1260

「かくして市井の声は」



「っ……セイントーン君、どいて?」

「どけないよ。もう嫌なんだ。実技試験じつぎしけんで、その上学祭がくさいでまでこんな『異端いたん』に振り回されて。君だって、みんなだって彼に言いたいことはあるんじゃないのかな!?」

「でもそれはお客さんの前で言うことじゃないっ!!」



 パールゥがやっと言葉にする。

 ビージとテインツが鼻で笑った。



「どのツラ下げてンな物言いができんだよあんたもよ!……客の前でこそだろうが。そのくらいしねぇとコイツにゃこたえねぇし、俺達の気も済まねぇ――――散々『我々』を引っかき回しやがって『異端いたん』がよ!!」



 けいつかんでいた手を水気を切るように放すビージ。

 圭は突き飛ばされたように吹き飛び――――受付うけつけ用の長机ながつくえをなぎ倒しながら床に崩れ落ちた。



「やめてっ!!」

「バディルオン君ッ!!」

「何やってんのアンタたちッ!!」



 パールゥ、システィーナが同時に叫び、マリスタもたまらず客の群れをかきわけ姿を現す。

 テインツとチェニクはビージを守るように立ち、ビージは倒れる圭の髪をつかみ上げた。

 圭は息を荒げて苦しそうにするばかりで、言葉一つ発さない。



「おいおい。もう一人のガールフレンドが助けに来たぞコラ。一言でも言葉かけてやれよ、いつも陰でやってんだろが、あ? タラシ野郎が。テメーがアルテアスやフォンをたぶらかしてるせいで、練習の時のこいつら雰囲気ふんいき最悪だったんだぞ? 解ってなかったのか、分かってて放置してたのか知らねぇけどよ」

「むしろ、アルテアスさんとフォンさんがいがみ合うのをみて楽しんでたのかもね」

「言えてるな。『異端いたん』のやりそうなことだ」

「根も葉もないこと言わないでッ!! マリスタもなんか言ってよッ! ケイ君が心配じゃないのっ!?」

「…………変な雰囲気だったのはごめん。でも、ケイがそれを楽しんでたってことは無いから。もう、その辺にしようよ」

「マリスタ……!?」

「……?」



 血の気の無い対応に驚くパールゥ、いぶかしげなシスティーナ。

 「けっ」と言い捨てたビージの背後の群衆から、ロハザーとヴィエルナが顔を出した。



「マリスタ。冷静に言ってくれて、ありがとう」

「あ、いや……うん。こっちこそごめんね」

「いい」

「またお前かよビージ、いい加減にしろ。何ヶ月か前に散々キレんなって忠告しただろうが。指導室に来い、しばらく頭を冷やしてもらう。…………ま、相手が相手だから気持ちは解らんでもないけどな」

「ハイエイト君ッ!!」



 圭に、そして叫んだパールゥに冷たい目を向けるロハザー。

 ヴィエルナによって散らされる客と野次馬やじうま



「……なんか冷めちゃったね」「あんだけ仲良さそうに楽しそうにしてたのに、実際の人間関係があんなことになってるなんてねー」「マジでウザかったんだろうな。うちの委員会のバカップルも、活動中でも二人で見つめ合ったりしてやがるし。病気だぜアレ」「しかも男取り合ってる二人が劇でも男取り合ってるってwヤバくね?」「そりゃ風紀ふうきの連中もキレるよな……」「実技試験でも、委員長をアマセに追い出されたようなものだもんね。なんか不憫ふびんだわ」「ああ……風紀とアマセって、前から小競り合いばっかしてるもんね」「まだ続いてるのぉ?……なんで一緒に劇なんかやろうと思ったんだろうね、あのクラス」



 ――彼らの声が、ココウェルとアヤメの耳にしかとこびりつく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ