うん。意味わかんないよね
ゴールデンウィーク……特にやることなく、アニメ消化しつつ小説を書いてる。皆、読んでくれてありがとうございます
「ハクアさ〜ん。終わりましたよぉ〜!」
「オッケー。じゃあ休憩で」
「「「は〜い」」」
城のトイレを全て替えた翌日から、アイギスの依頼で街の公共施設のトイレも変更する事になった。
とはいえ、私一人ではあまりにも時間が掛かりすぎるので、工事を簡略化し、土魔法建設を中心に事業者に仕事を割り振る。
その為の講習日を一日設け、今日から一週間掛けて全体で工事を一気に進める。
その後各店舗、家庭は今回担当した事業者に工事を担当して貰う進めになっている。
そんな中私はと言うと、土魔法建設の皆と一緒の地域を担当しながら、工事の終わった場所を最終チェックするのが仕事となった。
「それにしても……ハクアさんの作った新しいトイレ。本当に臭いがないですね」
「今まではアレが普通だと思っていましたけど、新しいとトイレに変わったらもう前のなんて使えないです」
「なにより。私達は工事の方法から作り方まで知ってるから、自分達の家も替えられるのが最高だよねー」
スーナ達の言う通り、城のトイレを替えた翌日に試しに事務所のトイレも替えた所、全員に大好評でその翌日には自主的に全員の家のトイレが変更されていた。
最初こそ必要性を疑問視していたが、一度清潔で臭いのないトイレを使用すると、臭いトイレに戻るのは嫌らしい。
それは誰でも同じようで、既に多数の貴族から依頼が殺到し、予約が半年先まで埋まっているそうだ。
土魔法建設でもいくつか受けているが、基本的には他所に回す仕事の為、周りとの軋轢も解消出来たと言う報告も聞いている。
アイギスのお願いだったが、こっちにもかなり利のある仕事になった。
「久しぶりに修行がないって話なのに大変ですね。こうやって国の事業にまで駆り出されちゃうなんて」
「確かに……でもそのおかげで、前から他の国に比べて住みやすかったのに、もっと快適になったよねぇ」
「そうね。一度魔族に占領された時なんて、もう終わりだと思ったもの」
しみじみと話す姿を見ながら、それが既に過去の記憶に変わりつつある事にほっとする。
傷跡が消えた訳でもなければ、なかったことにはならない。
だがそれでも前を向きつつある。
実際私の知っている人達の中にも家族や友人を亡くした人も居るが、誰も彼もがそれを感じさせずに生きている。
この世界が簡単に命を散らしてしまう世界だと理解しているのだ。
そんな中、少しでも過ごしやすくなったと言ってくれるのは素直に嬉しく思う。
まあ、何故かそれに比例して仕事増えるし、私は怒られる回数も増えるのだが。
それにしてもと考える。
確かに皆の言う通り修行はないのだが、それにもちゃんと理由がある。
その理由がこのトイレ工事だ。
アイギスの依頼だったこの仕事だが、城に設置すればこうやって他の所にも、となるのは目に見えている。
そうなれば私が駆り出されるのも……そしてテアが言っていた通り、身体を力に慣らすと言うのも本当なのだろうが、仮に修行と称してこの工事をとなれば私は逃げ出していた。
しかしこうやって頼まれてとなれば、土魔法建設の事もあるから逃げ出す選択肢はなくなる。
そこを上手く突かれた形なのだ。
しかも魔法のある世界の工事だから、地球のものと比べ遥かに楽とはいえ、そこには繊細な力の操作が必要となる。
最初に作った時もそうだったが、今の私の状態で───となるとこれが結構難しい。
なんというか、水量の安定しないバカになった蛇口を思い浮かべてくれるとわかりやすい。
少し捻っただけでめちゃくちゃ水が出る時も出ない時もある。
かと思えば思いっきり蛇口を捻っても思い通りに沢山出る訳じゃないのだ。
しかしこれも最初こそ安定しなかったが、回を増すごとに少しづつ身体に馴染んできているのがわかる。
そこまで含めてテアの手のひらの上なのだろう。
「でも、仕事中とはいえハクアさんと久しぶりにゆっくり話が出来ますね」
「んにゅ? ああ、ごめんね。ちょっと拉致られて死にかけてたから」
「あい変わらずそんな簡単に言う事じゃないですよね!? 確か、龍の里に行ってたんでしたっけ? やっ、やっぱり怖かったですか?」
「う〜ん。そうでもないかな」
一番怖かったのはテア&おばあちゃんのタッグによる修行内容だけで、里の奴ら自体はそこまで怖いという事はなかった。
なんなら人間の小娘程度に騙されるとは思わなかったのか、こっちの思い通りに動いてくれるから懐的にはウッハウハだったし。
ただ武術を含めた功法は良いものあったけど、宝物に関しては琴線に触れるものが少なかった。
龍族の宝物庫だから期待していただけにとても残念である。
「そうなんですね。確かにムーさんもそんなに怖くなかったですもんね」
「確かに」
「最初聞いた時はどうなるかと思ってたけど、ムーさんは想像していたドラゴンとは違って、とても優しいです」
「うむ。仲良くやってるようで何より」
皆の言う通り、地龍であるムーには土魔法建設で土魔法について教えて貰っている。
これは社員の皆の特訓だけではなく、ムーの特訓も兼ねたものなのだ。
龍族は総じて全力ブッパは得意だが、反面細かな出力調整は苦手。
それを改善する為に、ムーには土魔法建設への出向をお願いしている。
こうする事で皆は土魔法に付いての理解度を深め、ムーは人間にも可能な細かい力の操作を覚えられるようにもなる。
それを覚えれば継戦能力が上がるだけではなく、より適した力の運用により、総合的な戦力アップも図れる一石二鳥な作戦なのだ。
ちなみに他の皆も違う方法で同じく出力の調整をする修行をしている。
まあ……私は私でこれが終わったらまた修行が始まるんだろうなぁ……。
「ど、どうしたんですかハクアさん。そんな急に遠い目して」
「いや……うん。世の中の不条理と儚さを感じてた」
「はぁ……?」
うん。意味わかんないよね。
スーナが分からないけど、とりあえず頷いてくれたのがなんか申し訳ない。
(意味わかる?)
(わからないけれどハクアさんですから)
(ああ、確かに)
ふと前を見るとマトとパッセが何やらヒソヒソと話している。
うん。君達も私だからの一言で考えるのやめるの良くないよ? なんで私の知り合いは、私とある程度絡むとその一言が魔法のように効力を持つのかな?
解せぬ。
その後、ご飯を食べ終えた私達は、さっさと作業を終わらせこの日の仕事を終える。
そして次の日。
「だから、今すぐに取り掛かれと言っているだろう!」
事務所に行くと説明が理解出来ない馬鹿が居た。
こうならないように色々取り決めたんだけどなぁ……。
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