Blance
50pvありがとうございます!王道じゃないジャンルで短期間に多くの方に読んでいただき、感謝感激です!
30話くらいまでは終わっております、10時と22時の2回投稿にしております!1話あたり短いですので、話の進みは遅いですが暇つぶし程度に読んでいただければ幸いです!
「今日はちょっと、相談回にしまーす!」
ヒカリが、いつもより落ち着いた声で言った。
視聴者数――126。
《相談?》
《なにごと》
《歌やらんの?》
「やるかもだけど、その前にね」
軽く笑ってから、続ける。
「うちの配信、これからどうするか考えたいなって」
《方向性ってやつ?》
《歌メインでよくね》
《FPSも普通に良かった》
《狐は外すな》
コメントが、ゆっくりと流れる。
ヒカリは一つ一つ目で追いながら、うなずく。
「やっぱ分かれるよね」
「……うん」
ユイも、小さく同意する。
歌。
FPS。
コハク。
どれも今の配信の一部だけど、全部を同じ強さで出せているわけじゃない。
「ねえユイ」
ヒカリが、少しだけ真面目な声で言う。
「ユイはどうしたい?」
「……私?」
急に振られて、少しだけ戸惑う。
「私は……」
言葉を探す。
「FPSは、好き」
ぽつりと、出た本音。
「でも」
少しだけ、間。
「それだけでやるのは、違う気がする」
ヒカリが、静かに笑う。
「だよね」
その一言で、少しだけ楽になる。
《いいね》
《二人で決めるの大事》
《ユニットなんだし》
ヒカリは、画面の向こうに向かって手を広げる。
「うちはさ」
少しだけ、考えて。
「どれか一つにするんじゃなくて」
「全部やる」
言い切った。
《欲張り》
《でもそれがいい》
《個性ある》
「歌もやるし、ゲームもやるし」
「コハクもいる」
そして。
「ユイもいる」
ユイは、少しだけ目を伏せる。
その言葉は、ちゃんと届いていた。
「だからさ」
ヒカリが続ける。
「“バランスよく強い配信”にしたい」
《Balanceか》
《いいじゃん》
《コンセプト決まったな》
視聴者数――131。
大きくは動かない。
でも、安定している。
「じゃあさ、試しにやってみよっか」
ヒカリが笑う。
「前半FPS、後半歌!」
《いいね》
《それ見たい》
《構成あり》
「ユイ、いける?」
「……うん」
さっきより、少しだけはっきりと答える。
ゲームが始まる。
ユイの動きは、やっぱり無駄がない。
コメントも、ちゃんとついてくる。
そして。
区切り。
「じゃあ、歌いくよー!」
ヒカリが、軽く息を整える。
コハクが、その動きを見て――
ほんの少しだけ、同じように姿勢を変えた。
「……」
ユイは、それを見る。
でも、何も言わない。
歌が始まる。
FPSの後だからか。
さっきよりも、少しだけ空気が違う。
でも。
確かに、繋がっている。
《いい流れ》
《両方見れるの強い》
《これいいな》
視聴者数――138。
大きくは跳ねない。
でも。
確実に、“形”になり始めていた。




