第3話 女をなめてるオッサンにざまぁ!
「リナ様はSランク冒険者としてご登録させていただきました」
レイラさんがにこやかに言った。笑った顔もすごく綺麗だ。
「私がSランク... ですか?」
「はい。先ほどの魔法は、Sランクをも凌ぐ威力でしたので!」
「レイラお姉さんすごい!リナの実力が一発でわかるなんて!」
「ええ、何人もの冒険者を見てきましたから。それから、こちらがギルドの制服になります。Sランクの冒険者にのみ支給される特別製です!」
明らかに男用で、着たらぶかぶか...。
「かわいいよ!リナ!」
「か、かわいい...!こほん、リナ様専用に仕立てた物を、用意しておきますね!」
2人とも褒めてくれて嬉しい...!
あんなに綺麗なレイラさんにかわいいって言われて、胸がキュンとした。
だったらこのままでいいと思ったけど、私専用の服も欲しい。
「ありがとうございます♡」
「それではリナ様、初依頼はこちらなどいかがでしょう?」
手渡された依頼書には、こう書いてあった。
《Sランク依頼: 魔力測定装置のテスト》
「この装置でドラゴンの魔力が測れるか... というテストです。ドラゴンと同程度の魔力が必要なので、リナ様にしかお願いできません。」
ノノがぴょんと浮かび上がって指を鳴らした。
「それそれー!リナにぴったりな依頼じゃん!」
「うん、やってみます!」
3人でちょっとだけおしゃべりした後、渡された依頼書を見ながらギルド裏の試験場に向かった。
そこには黒くて巨大な筒型の機械が設置されていた。
テストが上手くいったら、これにドラゴンを縛り付けて魔力を測りたいらしい。
周りは、噂を聞いて見物に来た人たちで溢れかえっていた。
中には、いや〜な視線を送ってくるオッサンもいた。
「おいおい。さっきの魔法の主が、あんな嬢ちゃんだって?信じらんねぇな。」
私に聞こえるように言ってくるオッサンがいた。
上半身裸のゴリラみたいなオッサンだ。
あの目は完全に私を疑っている。
「お、おい、何するつもりだよ、ボガート!」
「黙ってろ!」
ボガートと呼ばれたそのオッサンは、カバみたいにノシノシ近づいてきた。
「お、おい!あいついつもギルドにいる奴じゃないか!?」
「何する気だ!?」
「嬢ちゃん、こいつはデケェ魔力を測ると爆発することがある。去年ドラゴンを測ろうとしてぶっ壊れてんだ。女がやることじゃねぇ、やめておけ」
そんなこと、知ってますけど。依頼書読んだから。
女だからって舐めるな!
「はぁ?リナがどれだけすごいか知らないくせに!」
ノノが頬をぷくっと膨らませて言い返した。
「ご心配いただきありがとうございます。でも、私は大丈夫ですので。」
私は前に出て、装置の前に立った。
「はじめます」
手を前に出して、装置に少しずつ魔力を流し込む。
ほんの少しだけ、本当に、力の1%も出してないくらい。
一瞬、数値が999,999になるのが見えたと思ったら―
ボンッ!
装置の中からすごい音がした。
「危ない!」
誰かの叫び声が聞こえた瞬間、装置が爆発した。
何者かに押し倒され、私に覆い被さっている。
「あいつ... いつの間に!?」
周囲からも驚きの声が聞こえる。
このアフロは... レオン!?
「なっ、何してんの!?」
「ご、ごめん。危なかったから...」
別に私は、防御力∞だから大丈夫なのに。
しゅんとしたレオンは、なんだかムカつくけどちょっとだけかわいかった。
「こら!ざこざこアフロ!リナから離れなさいよ!」
ノノが飛んできた。
見物人たちがざわめく。
「ば、爆発!?」
「あの装置、Sランク冒険者が強化魔法かけたんだよね!?魔獣が何したって壊れなかったやつじゃ...」
「リナ様... まさか、あの装置でも測れない程の魔力をお持ちだなんて...!」
周囲の混乱が、歓声に変わり始める。
「すごい... 本当に、Sランクなんだ...!」
「おい、新しいSランク冒険者が出たのなんて、いつぶりだよ!?」
みんな、私を讃えている。
「お~い!オッサン!見たか~?鼻水たらしてや~んの!ざまぁ☆」
ノノの声で振り向くと、オッサンはバカみたいに口を開いて、両手で耳を引っ張っていた。
私がニッコリと微笑むと、オッサンは耳を引っ張ったままウサギのように去っていった。
気持ちいい...。
ずっとバカにされてた私が、こんなふうにみんなから認められる...。
窓の外に、こんな世界があったなんて...!
次はもっともっと、凄いことをしたい...!
次回:Sランクの討伐依頼




