似た者同士
期末テストを終え、冬休みを控えるだけとなった12月上旬のある日の放課後。
俺は下校しようと教室を出て、廊下を歩き昇降口へと向かっていた。
廊下で屯している連中はさすがに見掛けない。
ブレザーのポケットに手を突っ込み、窓の外に視線をやりながら歩いていると嘉納さんが背後からバタバタと駆け寄り、隣を歩き始めた。
「今日は一緒じゃないんだ。珍しいね、喧嘩でもした?」
「いや、そうじゃ......風邪をひいてるだけらしい。長引いてて数日休んでるよ、彼女なら」
「そう、なんだ......以前より比べるまでもなく死にそうな顔してるね、寝れてる?」
「一応......?俺の心配してくれるのは嬉しいけど、夏乃さんこそ最近笑顔じゃないこと多くない?どうしたの?」
「見てたんだ、私のこと......ちょっとねぇ。雲行きが怪しいというか......色々ね。私よりコウちゃんだよ、深刻なのは......災難ばかっだよね、ほんと......」
「......うぅん。夏乃さんみたいに中学生の頃に経験してたら不登校にはなってたかな......たぶん。すがれる存在がいるのは大きいって思う、よ......」
「それは言えるね......コウちゃんと話せてる今があるのって不思議だよね、そう考えると。聞いてもらって良い?そんな心境じゃないと思うけど......」
「聞かないでよ、分かってるでしょ......」
「まあ、ね......聞かれててさ、彼女に。嫌がらせが増してる感じで──」
「そうなんだ......こたえるよな、アレ。やっぱり夏乃さんだったんだね、ありがとう。ごめん......俺なんかのせいで傷つけられて。ごめん、ほんと......夏乃さんに辛い、苦しい思いなんかさせたくないのに」
「良いよ......コウちゃんに私のような思いをさせたくなくてやったことだから。良いんだよ、良いから......コウちゃん」
「ごめん、ごめん......ごめん、夏乃さん──」
「謝らなくて良いんだよ、謝らなくて......謝ってほしくて言ったんじゃないよ、コウちゃん。私達は──でしょ?なら、こういう私達でいようって約束したんだから謝らなくて良いんだよ」
俺と嘉納夏乃の間には、友達とも恋人とも違う関係──依存が存在する。
決して美しくはなく、二人の間の依存は歪なものだと最初っから理解しながらも絶ちきれない強固な依存だ。




