文化祭編─文化祭二日目9~待ち構える一人のクラスメートとの会話
俺は、星峰さんと別れ教室に戻ると出入口でクラスメートの一人──蜜和味愛珠砂が腰に手を当て待ち構えていた。
「恋人との楽しい文化祭巡りは終わったようね。てっきり戻ってこないかと思ったよ、涼更くん。意外とハーレム主人公だよね、涼更くんって」
「はぁ......ハーレムなのかな?」
「自覚がない人ほど神経を逆撫でするようなことを言うよね。何でだろうね?」
「ごめん、蜜和味さん。いつもと口調が違うのは何でなんですか?そこまで無神経でしたか、俺の発言は」
今の彼女は、いつもと違い刺々しく、毒々しい。昨日、柚羽さんの伝言を伝えてくれたメイドだったはずなのに。
「待たされて少しイラついてしまっていただけだから、心配しないで。つい当たってしまったの、ごめんね。さばかないといけないから、急いで支度してね。涼更くん」
本音なのだろう、彼女の口から出たのは。
俺ともクラスメートともつかないようなどっちつかずな感じではある女子だからなのだろう。
言ってしまうと4:6で多少クラスメート寄りではある。
前髪の毛先を弄りながら、促してきた彼女の顔には微笑みが浮かんでいた。眉をしかめた先程の表情と打って変わった笑みが逆に怖い。
口調と声音はもとに戻ったけれど。
昨日と変わらない盛り付けをたんたんとこなしていく俺。
ハーレムなのかな?俺って......




