文化祭編─文化祭二日目8~先輩との亀裂
俺は、宮地とのことを聞き終えた星峰さんの表情を窺わずにはいられない。
相槌は打ってくれるけれど、表情が険しくなっていくのがわかり、小声になっていった俺だった。
案の定、フンッと顔を逸らし、彼女は口も聞かずに隣を歩いている。
だから嫌だったんだけどなぁ、彼女に話すのは。
どのみち、不機嫌になるのはわかっていたのだけど。
宮地もわざわざ彼女が隣にいるときに関係を匂わすようなことをしなくてもよくない!
はぁぁ~、災難ばかりが降ってくるのはなぜなんだ。
俺は、何もいけないようなことはしてない......はず、なんだけど。
教室に戻る前に、彼女がトイレに入っていき、壁にもたれ掛かり待っていると、声をかけられた。
「彼女の事なんだけど、今っていいかな?」
「良いですよ。彼女ってあいつのことですか?」
彼──繋牝先輩は首肯し、隣に並び話し出す。
「菫を悲しませているんだろ。ある時目もとを泣き腫らした顔で家に来たんだよ、菫がさぁ。その日以前にも帰るのを断られたことが何度かあったんだよ、思い詰めた表情になることも度々あるんだ。原因は君だよな?君の告白を断ってこっちにきたのは聞いてるよ。泣かせないでくれないかな、恋人を。辛いんだよ、あんな菫を見るのは」
ごもっともだ。先輩の言っていることは。
頭を下げながら、謝る俺。
「ごめんなさい......もう関わりません。もういますから、素敵な人でしたら。あいつも同じでしょうし......」
複雑な面もちで去っていった先輩。
「どうしたの?言い表せない表情をして」
「何でもないよ。行こうか」
「うん」
戻ってきた星峰さんと歩き始めた。




