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文化祭編─文化祭二日目5~ある人物との再会

俺と星峰さんが廊下を歩いていると人混みに紛れ、前方から連れを引き連れたように両隣にいる男女と会話をする三人組に視線がいく。

彼女も気付いたようで、立ち止まり俺の背後に隠れた。

背中に彼女の掌が触れたのを感じ、息を殺す。

彼らに気付かれまいと。

彼らが通り過ぎる直前、声を掛けられた。

「あのっ最近会いませんでしたか?貴方に」

「えっ......俺とですか?いっ、いやぁ~そうだったかなぁ」

「っ!かおっ──えっと、星峰さん......だよね?」

俺の背後に隠れた星峰さんに気付き、おそるおそるといったふうに呼んだ三神。

8月上旬にショッピングモールで会った彼女のクラスメートだった男子。

あれから髪が伸びているがワックスで髪を多少であるが固めていた。

制服ではなく、私服でラフな服装だ。

変に着飾っていない。

「......」

「あの、星峰さ──」

三神の呼び掛けに返すことなく、無言の彼女。

「君とは話したくないらしいから遠慮してもらえます?」

彼女を三神から遠ざけるため後ろに下がるように促し、低い声で彼に引かせるように言う。

「うっ。じゃ......じゃあ、ね......」

そう言って、立ち去っていく三神と連れの男女二人。


実に呆気なかった。

まあ、前回もそれほどだったからなぁ......三神は。

あんな男子に植え付けられたのが中学生だったからなのかな。あのときのように星峰さんの怯えかたが異常なのは。


俺は、彼女に向かい合い、背中をさすりながら優しい言葉を掛けた後、手を握りしめ、歩き出す。





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