テレーゼからの長い長い手紙の冒頭(終)
親愛なるお姉さまへ
お久しぶりです、お姉さま。わたしです。あなたの可愛いテレーゼです。
最後に会ってから、もうどれくらい経ったでしょうか。お元気にしていましたか? なんて、聞くまでもありませんね。お姉さまの話は、知りたくなくても勝手に耳に入ってきますもの。
わたしの方はいろいろあって、筆を執る暇もないくらいでした。出さない手紙も含めて、いつもずっとお姉さまに手紙を書いていたのに、なんだか不思議な感じです。
だから今回は、きっと長い長い手紙になります。書きたいことがたくさんありますの。新しい家のこととか、沼地から来たあの偏屈なおじいさまのこととか、そのおじいさまと一緒に、またピアノを弾き始めたお父さまのこととか。
お姉さまからすれば、それよりも謝罪の手紙が欲しいと言うのかしら。どうかしら、この手紙の最後にでも書いているかもしれませんわ。だから、きちんと読んで確かめてみてくださいね?
ああ、でも、一番大事な用件だけは、最初に書いておきます。
だって、短気で我慢知らずなお姉さまですもの。きっとそのうち流し読みになって、私の謝罪なんてどうでもよくなって、破り捨ててしまうかもしれませんわ。
だから、お姉さま。
結婚おめでとう。
幸せになってほしいと思っているわ。これは、ずっと、ずっと心から思い続けていること。
だって、わたしはお姉さまの妹だもの。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
私の中ではここで完全に一区切りです。お付き合いありがとうございました!
でも、またなにか思い浮かんだら書くかもしれません(手のひらギュンギュン)。
書籍2巻も発売中なので、よろしくお願いします。