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-転生奇譚- リンカネーションストーリー  作者: 彼岸花
第三章:冒険者の兄妹
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第三章断章:在りし日のバレンティン・ブルームーン

第三章の断章回!今回は若き頃のバレンティンのお話です!

 「兵長!無理です!この部隊の人間だけで暴王竜(タイラントレックス)を討伐なんて!」


 王都騎士団の討伐部隊に所属する若い団員が部隊長に食って掛かる。討伐部隊の人数はたったの三十人、討伐目標である暴王竜はS+ランクの強大な魔物だ。


 「バレンティン…じゃあ何か?このまま見過ごして王都に突っ込まれて王都が蹂躙されるのを指を咥えて見てろ、と…そう言いてぇのか?」


 兵長と呼ばれる男がバレンティンを咎める。バレンティンはただ黙るしかなかった。勿論納得したわけではない。物量的に難しいというのは他の団員達も理解しているが騎士団で用意された人員はこれだけなのだ。それには大きな理由があった。

 

 「帝国との国境付近でここ暫く小競り合いが続いているのはお前らも知っているだろう?近日中に帝国のお偉いさんが王都にやってくる。王都はその準備で騎士団を動かせねぇんだよ。それこそ帝国の人間がこっちに来たら何が起こってもおかしくはねぇからな」


 「だからって兵長含めてたった三十人、しかも中にはまだ騎士団に入団したばかりの訓練兵まで駆り出されて…。これでS+の魔物なんてどうしようもありませんよ!」


 部隊は三十人だが、その内、兵長を含めて正式な騎士は彼の直属の部下二十名、あとは王宮から借り受けた宮廷魔術師が五名と騎士団に入団して三年未満の訓練兵が五名だ。

 兵長単独の戦闘能力は確かに規格外と言えよう。それ以外は彼の兵団の人間で冒険者のせいぜいAクラス、宮廷魔術師も同等程度か。訓練兵に至ってはそれこそお話にならないレベルだ。訓練兵の中にはまだ十五にも満ていない少年や少女の姿もある。

 

 「アルフレッド兵長、何かお考えがお有りで?」


 部隊のベテラン騎士がアルフレッドに尋ねるがアルフレッドは「さあな」、と一言で片付けた。

 アルフレッド自身も正直どれだけ被害が出るかは解らない。彼は十二歳で騎士団の門をくぐり、類稀なるスピードで騎士団内で頭角を表し、入団からわずか五年で兵長の座に着いている。しかし今回の暴王竜の出現はベテラン騎士にも若き兵長にとっても未曾有の事態だ。


 部隊は既に王都から東へ二日程進んだ所に建設された砦で待機している。砦の中はかつて無い魔物の襲撃を前に既に緊張感で満たされていた。


 「魔物は大型の竜鱗種、性質は極めて凶暴。進路上にあった村が二つともこの魔物によって壊滅…。もはや災害だな…」


 アルフレッドが呟く。程無くして偵察に向かわせていた騎士が疾走馬(スプリントホース)を駆り戻ってきた。その様子は焦りを含んでいた。


 「兵長!目標が西進を開始!…と同時に南東から帝国の物と思われる魔獣車も近づいており、直遭遇します!」


 最悪のタイミングで王都の抱える問題と部隊の抱える問題が鉢合わせとなった。流石にアルフレッドもこの事態は予測していなかった。


 「おいおい、このタイミングで来んのかよ…。…バレンティン!訓練兵と騎士を二人連れて先に行け!魔獣車を保護しろ!俺達は暴王竜だ!散開!」


 討伐部隊全員が疾走馬に乗り行動を開始する。バレンティンを含めた七人は疾走馬に鞭を入れ魔獣車の護衛に向かう。他の部隊員は真っ直ぐ西進し災害とも呼べる強大な魔物の討伐へ向かう。


 アルフレッド達は目標を発見した。二足歩行の鮮血を思わせる赤い鱗に包まれた巨大な蜥蜴。体躯も然ることながら特筆すべきはその頭部だ。大きく発達した顎とその大きな口から覗く無数の鋭い大牙は幾多の命を露と散らせたであろう様子が見て取れる。


 「魔術師隊、魔力付与(エンチャント)!」


 アルフレッドの号令と共に魔術師達が青い光を手に宿す。


 「其の剣よ 霧氷を纏て 龍鱗を切り裂く刃と成れ! 魔力付与(エンチャント)氷刃アイスエッジ


 魔術師達の放った魔力付与魔術が騎士たちの武器に冷気を纏わせる。


 正面には全速力で暴王竜から逃げる魔獣車の姿があった。その横には先程先に向かわせたバレンティン達が着いている。


 「バレンティン!俺達が足止めする!お前達は砦の先まで魔獣車を送れ!その後反転して戻ってこい!」

 「了解!」


 すれ違い様にアルフレッドがバレンティンに命令を下す。魔獣車の中から風になびく白金の長い髪を抑えながら一人の美しい女性が顔を出した。

 

 「済みません助かります!ご武運を!」


 アルフレッドが駆け抜ける魔獣車から響く女性の声を聞き、疾走馬の背中に立つ。目の前には暴王竜が大きく口を開き、アルフレッドを疾走馬ごと噛み砕かんとしていた。

 アルフレッドもその大顎を両断してやらんとばかりに疾走馬の背中から踏み込み、鈍色の剣を真横に振り抜く。

 アルフレッドの剣は暴王竜の牙を受けるがその牙は硬く、弾き飛ばすまでに留まった。


 「魔術師隊!やれェ!」


 アルフレッドの剣圧に押され大きく頭を下げて暴王竜が僅かに後ろに下る。その隙にアルフレッドが魔術師達に号令を飛ばす


 「汝を抱くは 其の身を遍く凍てつかせる堅牢なる氷の棺! 絶対零度(アブソリュートゼロ)!」


 魔術師の詠唱が終わると暴王竜の動きが鈍った。その足元から広がっていく様に氷が暴王竜の体を蝕みはじめる。絶対零度は本来ならば一瞬にして対象を氷結させる魔術だが、この魔物は強大過ぎる為か体の芯まで凍りつかせる事はできず動きを鈍らせるに留まった。


 動きの鈍る暴王竜にアルフレッドに随行している騎士が斬りかかる。白銀の剣が暴王竜の首筋に傷を負わせる。しかし暴王竜は怯むこと無く尻尾を振り騎士の顔面に浴びせた。尻尾の打撃を受けた騎士の首だけが宙に舞う。いとも容易く屈強な騎士の命が奪われる。

 その光景を目の当たりにし狼狽える者、自らを鼓舞する者とが生じる。騎士たちの足並みが揃わない。


 「狼狽えるな!傷は与えられる!ならば不死身ではない!俺が注意を引く!各員一撃離脱で足を狙え!危険を感じたら逃げに徹しろ!」

 

 アルフレッドの号令で乱れた足並みが再び揃う。アルフレッドが暴王竜に向けて走り込む。それを迎撃せんと暴王竜が牙を打ち鳴らす。

 アルフレッドは迫りくる牙を寸でで躱しつつ首を削いでいく。分厚い肉は度重なる剣戟を前に傷を増やしていった。その瞬間先程騎士の首を薙いだ尻尾がアルフレッドに向けて振り抜かれる。しかしアルフレッドは身を屈めてそれも躱す。大きくバランスを崩した暴王竜の足に騎士たちが剣を浴びせ、直ぐに距離を取る。

 何度も何度もそれを繰り返し、暴王竜の首と足は無数の傷を負い、青い血を垂れ流していた。


 アルフレッドは脳裏に不安をよぎらせた。


 「この程度でS+だと…?ただ力が強いだけの木偶の坊じゃねぇか…。何か…何か引っかかる」


 その瞬間暴王竜に動きがあった。

 周囲を押しつぶすような凄まじい爆音を口から放ち、その轟音を聞いた騎士たちの動きが止まる。

 暴王竜の体色が鮮血を思わせる赤から邪悪さを纏わせた赤黒いものへと変貌を遂げる。さらに首から胴体にかけての筋肉が膨張し先程まで青い血を流していた身体中の傷が塞がっていた。


 「…!まずい!離れろオオオォォォ!」


 アルフレッドが叫ぶが騎士たちは先程の轟音にほぼ全員が鼓膜を破られ、兜から血を流しており届きはしなかった。アルフレッドの声が届いた人間はわずかに数名。彼らは直ぐに暴王竜の近くから離れる。

 暴王竜は大きく脚を上げ、全体重を載せて地面を踏み抜いた。

 地面が大きく割れ、地面からは大きな岩が周囲に弾き飛ばされる。小石、大岩、それらが暴王竜の渾身の一踏みで散弾の様に放たれ、左右に散った周囲の騎士に浴びせられる。左右に回った騎士達は壊滅状態、アルフレッドの失策だ。

 

 「くっ…全員後退!魔術師隊は先行して戻れ!別働隊と合流して砦で迎撃する!他は散って逃げろ!俺が援護する!」


 全員が反転、開戦前にいた砦に向けて馬を走らせる。アルフレッドは殿だ。暴王竜の動きを見ながら逃げる騎士達に追い縋る暴王竜を食い止める。


 噛みつきにかかる顎や振り下ろされる爪を弾きながらアルフレッドは変貌前の暴王竜と明らかに異なる事に気付く。それまでは他の騎士でも傷を入れられた鱗や皮が今では完全に硬質化している。まるで金属に斬りかかるような感覚を覚えた。さらに傷を付けた皮からは一切の血が流れてこず、傷跡の回りにヒビのような痕が残っている。


 「肉質が変わった…!おい!先行した魔術師隊に伝えろ!氷は無駄だ!雷だ!」


 アルフレッドは騎士の一人に指示を出し魔術師隊を追いかけさせる。その後にバレンティン達の別働隊が合流するために向かってくる。


 「バレンティン!後退だ!反転しろォ!」


 バレンティンの別働隊はアルフレッドの声に反応し踵を返す。状況の読めないバレンティンは疾走馬をアルフレッドの横につける。


 「こっちの部隊が半壊した。俺の読み違いだ。砦に戻って迎撃する算段を着けなきゃならん。バレンティン、悪いがここ預けるぞ、お前ならやれる」

 「はぁ!?いきなりなんですかそれ!…解りました。でも長くは持ちませんよ?」


 全く状況が読めない為に疾走馬を寄せた筈がますます兵長の読めない指示でバレンティンは困惑する。しかしこの場を抑えきれるのは自分ぐらいだ。アルフレッドの考えは読めないが何か考えがあってのことだろう、バレンティンは考える事を諦めて素直にアルフレッドの指示に従う。


 「ああ、少しでいい。頼んだぞ!全員、この場はバレンティンに預ける!砦に駆け込めェ!」


 アルフレッドの指示で騎士達が一斉に隊を成して砦までの道を一直線に駆け抜ける。バレンティンただ一人をそこに残して。


 ---

 

 魔術師達は先んじて迎撃の為に雷魔術の上位魔術雷撃(ライトニング)を構えて待っていた。

 砦前でアルフレッドを囲み騎士達が集まっていた。


 「大鎚を扱えるヤツはいるか?一人でいい」


 アルフレッドは周囲を見渡すが現れるものはいない。騎士達の武器は剣や槍が殆どだ。

 前に出るものがいないと思って目線を下げようとした瞬間だった。騎士達の後ろに手が上がっていたのが見えた。その手の主は訓練兵それも少女だ。とてもじゃないが前線を任せられるような経験は無い。だがアルフレッドはその新兵の力を頼る他、選択肢は無かった。


 「そうか…死ぬことになるかも知れん。それでも…構わないという覚悟はあるか?」


 アルフレッドは新兵に問う。


 「はい!ですが死ぬつもりはありません!最初から死ぬ事を計算に入れて騎士が務まりましょうか!自らが生きてこそ、守るべき者達に手を差し伸べられます!私はまだ訓練兵ですが騎士として生きているつもりです!」


 アルフレッドは面食らった。まさか訓練兵でありながら、ここまで言い放てるのは訓練を受けた騎士でもそうはいない。アルフレッドの不安が確信に変わる。こいつなら任せられる、と。


 「名を聞こう。」

 「王都騎士団、上等訓練兵、グラディス・シルバーレインです!」

 「グラディス、その名、覚えておく。死ぬなよ!」

 「はい!」


 訓練兵グラディスの名乗りによって生き残った騎士団達は士気を取り戻す。


 「全隊聞け!まず俺とバレンティン、グラディス、魔術師隊を覗く全員でヤツの隙を作る!そこに魔術師達の雷魔術を浴びせて動きを止める!ヤツはでかい図体に比べてたった二本の後脚で、前脚は歩くためのものではない!後脚を潰せばもう起き上がれん!だがあの変貌したヤツの皮と鱗は外殻となり剣では直接斬れん!大鎚でヤツの脚の外殻を破壊、その後俺が追撃してヤツの脚を斬り落とす!作戦は以上だ!直ちに迎撃用意!」


 先程のやり取りでアルフレッドは暴王竜の特性を悟っていた。確信はある。――勝てる。

 そう思い地平の先を睨む。土煙の上げて近づく暴君を見据え。


 ---

 

 バレンティンは激高する暴王竜の攻撃を寸でで躱す。しかし、先程のアルフレッド程うまくはいかない。

 直撃こそ避けているものの身につける鎧や兜には暴王竜の鋭牙や凶爪が刻みつけられていた。そろそろ限界か。迎撃の準備を終えて仲間たちが待つ砦が見えてくる。限界を越えた速度で走らせていた疾走馬が崩れ落ちる。乗り潰した疾走馬を離れ、バレンティンは地面に降り立ち、砦へと退がる。

 激高した暴君の攻撃は留まる所を知らない。凶悪な前脚の一撃、無数の牙の挟撃、地面に強靭な下顎を埋め、そこから放たれる巨岩、そのどれもが一撃必殺の威力を孕んでおり、目の前の獲物に次から次へと放たれる。それらをバレンティンはギリギリの所で躱す。

 バレンティン本人も限界に近づいていた。だがまだ倒れる訳にはいかない。自分を信じて待つ兵長達の顔を一目見るまでは。

 ――躱す、――往なす、――避ける、――飛び退く。

 次々に放たれる暴君の一撃を避け、隙が生じた。

 ――今だ、バレンティンは走った。足が千切れそうだ。限界に来ている足に鞭を打つ。仲間の騎士達の疾走馬の蹄鉄の音が聞こえる――。

 

 バレンティンは振り返る。その視界には此方に向かって一直線に飛来する巨岩が迫っていた。

 後ろに気を取られたバレンティンは足がもつれそこに転ぶ。――終わった。もう躱せない。思わずバレンティンは目を瞑る。

 

 ――生きている。轟音が響いた。バレンティンの左右で轟音が鳴り響く。真っ二つに割られた巨岩がバレンティンを逸れ、地面に叩きつけられた。

 バレンティンの後ろに立っていたのは討伐部隊の隊長、アルフレッドだった。

 

 「よぉ、よく頑張ってくれたな。だがもう一仕事だ。立て」


 そう言ってアルフレッドは左手に持った大鎚をバレンティンに差し出す。

 その左右を仲間の騎士達が駆け抜けていく。そして一人の訓練兵の少女が同じく大鎚を持ち立っている。

 

 「ホント人使いが粗いですね兵長…!解りました、やりゃあいいんでしょう!?オイ訓練兵!お前名前は!」

 

 諦念でもない、覚悟でもない。だがバレンティンは勝利を見据えたアルフレッドの瞳を信じた。故に立ち上がる。


 「グラディスです!」


 訓練兵の少女が威勢よく名乗る。その瞳の先には怒りに満ちた暴君と対峙する仲間達がいた。

 周囲を囲まれた暴王竜が先程のように大きく足を上げる。

 

 「来るぞ!石礫に気をつけろ!」


 大きく脚が踏み込まれた大地が裂け石礫が放たれる騎士達はその全てを躱し、受け流し、受け止める。グラディス以外の訓練兵達も騎士達に守られていた。


 「散開!魔術師隊、今だ!」


 アルフレッドの合図と同時に詠唱を済ませていた魔術師隊の手から黄色の強い光が放たれる。

 太く輝く紫の閃光が暴王竜を貫く。しかし暴王竜はまだ倒れない。突然体を貫く閃光から身を守るように体を丸めていた。だが動きは止まった。


 「グラディス!俺に合わせろオオォォォ!」

 「はい!バレンティン様!」


 バレンティンは疲れなど忘れていた。大鎚を持った騎士と少女が暴王竜の懐へ潜り込む。


 「行くぞおおおおおォォォォ!」

 「せやァァァァァァ!」


 バレンティンとグラディスがその手に持った大鎚を暴王竜の足首目掛け、全力で振り抜かれる。

 大鎚を振り抜かれた足首の甲殻が砕ける。しかしまだその甲殻は残っている。ここでバレンティンの限界が訪れる。


 「クソッ…!もうひと押し…!もうひと押しなんだッ!」


 その悔しさを孕んだ声に呼応するようにグラディスが応える。グラディスは既に大鎚を再び振りかぶっていた。


 「ハアアアァァァァッ!」


 グラディスから再び大鎚による重撃が繰り出される。砕けた甲殻が弾け飛ぶ。今度こそ暴王竜の足首を守る甲殻が剥がれ、その中にある充血した生身の肉がむき出しとなっていた。

 

 「よぉし、よくやった!二人とも、後は俺に任せろオオオォォォ!」


 グラヴィスが蹲るバレンティンを担いでその場を離れる。そして抜き身の剣を携えたアルフレッドとすれ違う。

 アルフレッドの鈍色の直剣が生身の足首に食い込む。その一振りは肉を、そして骨をも両断し暴王竜の脚を斬り飛ばした。


 たった二つの支えとなっている脚を斬り落とされた暴王竜はバランスを崩し、その場に倒れ込む。

 暴王竜はどうにか起き上がろうとするが一本となってしまった脚ではその巨躯を支えきれず、何度も難度も体を地面に叩きつける。次第に自ら弱ったか、赤黒く変色した邪悪な体色は再び鮮血のような赤へと戻っていた。

 もがき苦しむ暴王竜にアルフレッドが歩み寄る。地面に横たわり藻掻く暴王竜が最後の力を振り絞り、アルフレッドに喰らいつく。一筋の血液が宙を舞った。その血は赤ではなく青。

 アルフレッドの放った一閃は暴王竜の太い首を両断していた。そして動かなくなった暴王竜の頭にアルフレッドが飛び乗り、直剣を握り締めた右手を高々と掲げる。


 「ブリュンヒルデ王国、王都騎士団討伐部隊が暴王竜の討伐を完了したことを討伐部隊長アルフレッド・ホワイトロックが宣言する!全員、勝鬨を上げろォ!」


 騎士達が鬨の声を上げる。勝った、勝ったのだ。絶望的だと思われた戦力で挑んだ暴王竜との戦いは幕を閉じた。決して少なくない犠牲を払いながらも成し遂げた。騎士達は拳を合わせる者、抱き合う者、立ち尽くす者、それぞれが強敵との戦いを制した喜びを分かち合う。

 決定的な一撃を決める為の一石を投じた騎士と少女はいつしか抱き合っていた。

断章回なのに普段の倍くらいの文字数になってしまいました…


バレンティンに関しては今までどれくらいの実力かは明示してませんでしたが、少なくともこの断章の時点で第三章終了時点のセオドアやアンリエッタよりは強い、と言ったところです。

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