水の精霊獣と狂った契約者
━━━時は、シンク達が、ファルバス公国を訪れた頃に戻る。
元10長老会ギネスが1人バディーロは、家族は無論。依然は可愛がっていた孫娘、産まれたばかりの孫含め。全てを生け贄に。水の精霊に与えた。それにより水の精霊獣という。強大な力を得た。だがそれでも竜を失ったとは言え。北大陸の覇王になるためには、いまだ力が足りぬ。そこで一路モンスターが生息する。危険な魔物が生息するする領域。平原に逃げ込んでいた。最初こそ強大な力を持った魔物に苦労したが、水の精霊獣達を増やすに従い、唯一無二のライバルと黙する。風の精霊王を従えるザノビアと、同じく。強大な力を持った中位、伝説的な上位固体の出現を模索していた。
━━━そして………………。
精霊は竜>人間>モンスターを餌にすることで、さらに殖えやすい順番であることがようやく理解できた、精霊獣に倒させたモンスターを餌に。精霊に与えたことで。精霊獣は増えてゆき、100を超す低級精霊獣まで増やした。それ以上は精霊の限界か、契約者たるバディーロの限界か、増えることはなかった。そこで精霊獣に。魔物を食べさせて見ると。群れの中でも強弱があることに気付く。バディーロはハッと気付く。ならば強い固体に魔物を与えたらどうなるかと…………………………。ふとした思い付きであったが、思いの外、上手くいって、やがて強い中位の魔物を倒し喰らう精霊獣の中から。変異を始めたな固体が現れることになる。流石に人間や竜に比べると数は必要だが……………………、平原ならばそれこそ無限とモンスターが湧いてくる。自ずと手段が、思い付いた。その仮定で、ようやく中位固体が五体、上位固体が一体産まれた。バディーロは、知らず知らずその欲望を満たすため。醜い笑みを浮かべていた。
「いよいよだ。いよいよこの時が来たのだ!?。我こそが富と栄誉を得る。そして精霊王となり君臨する。決してザノビアには負けん、我こそが大陸の覇者となるのだ。くっくくく、あはははははははは!!」
狂ったように笑いだし。狂喜に満ちた暗い輝きを相貌にやどしていた。
「富を獲るならまずはラノバ王国を乗っとればよいな」
こうしてシンクが危惧していた通り、ラノバ王国目指して、精霊獣を率いたバディーロが、進軍を開始していた。
◆◆◆◆◆◆◆
丁度その頃ラノバ王国では、カノア将軍、リオナ王妃、プレイゼン王、レイナ宰相、プラ・カドラ近衛隊長、相談役フォルク・バード、宮廷魔導師ナルク・バードと重鎮が集まり、シンク王子がもたらした。精霊獣対策について話し合っていた。
「陛下、シンク王子からの手紙によると光りの神ライザ様の聖別を与えた銀。聖銀を用いた武器がある程度効果が高いということが分かりました。よって我が領内にあるライザ神殿に多額の寄付を申し付け。急ぎ聖銀の付与を頼んでおります」
本来は自ら口火を切ることが少ないホルク老師に。弟子で、宮廷魔導師ナルクは、一つ一礼してから後を引き継ぐ、
「老師が手にいれて下さった聖銀を元に。兵士達の武具強化を鍛冶師に急がせており1日100を超す剣と200の槍が生産されております。なんとか精霊獣襲撃までには2000は用意したく思います」
ナルクはその他消耗品の矢が大量に作られていることも伝えて、報告を終わらせた。
「貴方、カイ族長家族殺害事件を調べていた密偵から、連絡があったわ」
やや暗い口調。重い眼差しを受けてプレイゼン王の顔が気を引きしめるよう、眼差しが強まる。先を促すよう一つ促すとリオナ王妃が続きを語る。
━━━━事の起こりは六日前。その報せを受けたプレイゼンは、海辺の一族であり財をなしていたカイ族長一族殺害事件に違和感を覚えたこと。精霊が竜を喰らい精霊獣になったことから。もしやと思い付き密偵を放ってのことだ。その後気にはなってはいたが、バード族の賢者による精霊獣についての助言から、銀の武器を集めていた。その上シンク王子達の来訪。白銀竜の鱗で作られた武器、光りの神ライザの神官による聖別。それを武器にし直す事等多忙の内に忘れていた事柄であった。
「して何と?」
「……………それが…………」
新たなる水の精霊とカイ族長老バディーロによる。家族皆殺しにしたこと。その結果精霊が人間を捕食して、精霊獣を産み出したこと。身の毛がよだつ報告に。空気が重くなっていた。
「ザノビアだけでは無いのか?」
まさか精霊が二体以上いるとは考えていなかったのだ。だから困惑もあった。
「よかったのう~プレイゼン」
そんな中、飄々と空気をまぜっかえすような口調である。流石にこの中でと。老師を嗜めようとナルクが口を開く、
「師匠流石にその発言は無いですよ!」
「ふん、なんじゃ藪から棒に。鷲はな~、意味もなく口を挟む弟子とは違うぞ、きちんとした意味もあるぞい」
ふんと若い不詳の弟子を鼻で笑った。これに面白くなく思ったが、フォルク老師がそこまで言うので、いままでの経験からあまり意固地になると後悔する羽目になることり理解するから、座り直した。これにやれやれと生暖かい眼差しをこの場にいる若い重鎮達を見回してから、
「そもそもじゃ、精霊と呼ばれる存在は、火水風土の四大精霊王がいたとされていた。風の精霊王が竜を精霊に戻したのは、竜がもともと精霊が変化した存在だからとも言われておったからじゃな、さてカイ族はそもそも水の精霊を崇めていた一族であった。しかし殺された族長夫妻。バディーロ意外の部族の者は、好景気によって部族のあり方を忘れてしまったこと。バディーロは許せなかった可能性があるのだから水の精霊が復活したことを先に知れてよかったと申したのじゃよ」
「なっなるほど……………」
未だに賢者とは認められない未熟者の弟子を見やり小さくため息をついた。
「ナルクやまだまだ考えが足りんようじゃな」
「うっ」
悔しそうに顔をしかめるナルク、空気を変えようとカノア将軍が、一つ咳を出しながら。
「それでは老師が、多額の寄付をして聖銀の聖別作業を急がせた理由は、その可能性に気がついてのことでしたか」
「うむ鷲もそう考えていたがな、シンク王子に先を越されてしまったわい。本来この場で、ファルバス公国と同盟を結ぼうと告げるつもりであったのよ」
そういわれてようやくプレイゼンも気がついた。
「白銀竜ですね老師」
「その通りじゃ」
「それはあれかしら、シンクがバード族の賢者並みの知謀があるってこと」
何度も会議を開いて来たが、いままで無言を貫いていたレイナ元宰相が口を開く。
「鷲はそう思っておるそもそもバード族の大賢者である『バル』がシンクに会いに行ったと聞いた。ならばそれを聞いたと考えるのが合理的であろう、鷲らほどかは分からぬが、あやつには恐ろしく策謀に長けた嫁さんがおるでな、シンクが気が付かなくことも読む可能性はあるのじゃよ」
「なるほどね……………」
北大陸が割れてから、レイナは重く暗い顔をしていた。プレイゼンも何とかしたいと思ったが、若き青年には上手く話せる自信がなかった。
「では纏めようかの、我らはどちらにしても精霊獣に備えるだけじゃな」
こうして纏められた話を元に軍備を急がせる事が決まった。




