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少尉ですが何か?  作者: 背徳の魔王 人と話すうちに性格から行動パターンを読み取り。隠された本性を暴き。時に未来を予言することからリアル魔王と呼ばれ。材料と調味料の分量で味がわかるので、絶対味覚と本人が詐称する一般人
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覇王の陰謀と精霊獣

 シンクと婚約者達が北大陸に渡って、行動を始めた頃。 


 そのきっかけ作った人物、バード族長『バル』は、北大陸に到着後。


 シンク達と別れていた。理由は多々あるが、そのひとつとして、シンクに語った。歴史の表に出ないためも無論あった。だが……………。

本音の部分、本心と変えてもいいが、表面上の理由とは別に、シンク達と同行することは、避けなければならない理由があった。


「よく戻った『バル』よ」 



 陽炎のような覇気を放ちながら、同盟者であるサザノーラ自ら出迎えていた。この時サザノーラを見た『バル』は、長にあるまじき想いを抱いた。


『存外、こやつを王にして、北大陸の統一国家を築くのも。悪くないかも知れんな、もっとも『バル』としては、間違った考えだがな』


「むっ、そんなに笑うことか、我が出迎えたのが」


 思わず笑ってしまったのが、誤解させたようで、仏頂面になるサザノーラであった。


「いやすまんな、ちょとした思いだし笑いだ、気にするな」


「フン、そうか、予定より遅かったが、その様子では、上手くシンク・ハウチューデンと婚約者達を引きずり出せたようだな」


 微妙にしかめっ面しながらも、上機嫌にふてぶてしく笑っていた。『バル』もニヤリ人が悪い笑みを浮かべる。そんな様子を見て、

 まあいいかと、サザノーラはかかっと豪胆に笑う、


「まあ~よい。こちらもようやく動けようぞ、目障りな竜達を滅ぼしてくれたことは、精霊獣どもに。ひいては愚鈍な父上にしては良くやったと誉めてやるわ。死んだ後墓前にな」


 さしもの覇王サザノーラとて、精霊獣相手では、どうしょうもなかった。しかし『バル』の知識と側近で、バード族の賢者が1人ザノバの策謀により。正義感の強いシンク・ハウチューデンならば、勝手に混乱を納めてくれようと考えたのだ。すこしばから回りくどく。我慢の時を必要とするが、兵を無闇やたらと失わずに済む、ならば多少なり我慢できると言うものだ。


 覇王サザノーラは、ただ猛進する猪武者ではない。時に陰謀を巡らせること厭わない。知将の側面もあった。


「よし今のうちに。輸入を増やせ。武具を揃えるのだ」


「御意」


ザノバが一礼して、去った後。改めて獰猛に笑う、


「今すこし待っていろシンク・ハウチューデンよ。お前と対等に戦えるのは我だけだ」


覇気を纏い。最強の少年に、強いライバル心を抱く。飽くなき欲望。渇望と言ってよい渇き、いまだに敵わない力しかないが、精霊獣が開放されれば、サザノーラは『バル』よりある力が与えられる。それさえ手にすれば、容易に北大陸統一も叶えられよう。


「お父様!」 


 そんな時。幼い少女の声がして、バタン扉が開く。

忙しなく入って来た少女。上半身人間だが、下半身は蛇体。クラブラ族特有の特長である。


「またかミルターラ、どうした騒がしいぞ?」


 幼いながら美しい顔立ち、母ラタノーラに似て、勝ち気な眼差しに。好奇心一杯な瞳を輝かせて、将来を嘱望できる美少女は、ようやく目的の人物を発見して、蕩けるような笑みを見せた。そう大好きな父親を見つけるや、抱き着いてきた。やれやれと呟きながらも。普段見せたことない優しい眼差しで、口元に笑みを浮かべながら。いかにも仕方ないなって態度で、娘を抱き抱えていた。それでいて誰も聞いたこともない優しい声音で訪ねた。


「どうしたミルターラ」


「ムム、お父様!。お昼はミルと御飯食べる約束でしょ!」


「むう、もうそんな時間か、『バル』」


「かまわない、話は後で」


「そうか、ミルターラ行くぞ」


「は~い♪」


大好きな父親に抱き抱えられて部屋を出る頃には、機嫌も治っていた。


「やれやれ覇王も人の親か」


楽しそうに笑っていた。





◆◆◆◆◆◆◆◆





 ━━━━━同時刻。




竜の国を襲い。多数の精霊獣がひしめく草原を。元風の精霊王リルリルと精霊獣の群れは、モンスター、動物、生きとし生きるものを見つけた瞬間。まるで狼の群れのように狩りが始まり、次々と狩り尽くして行き、僅か数日の合間に。豊かな山が二つ滅んでいた。このまま精霊獣が増え続けたら、いかな自然豊かな北大陸とていつか滅んでしまっても可笑しくない勢いである。


「後数日で、ファルバス公国国境が見えて来よう、間も無くだ。間も無く我の力で、あのファルバスの戦士達を蹂躙できるのだ。あれにも(覇王サザノーラ)出来なかったことが、我には出きるのだ!。くははははは、くははははは!!?、これは愉快でたまらんのう、これならば、もっと早く精霊を解き放てばよかったぞ」


 欲に溺れ、目先のことゆえに。真実が見えなくなっているサノビアは、高らかに狂喜を含めながら。笑っていた。何度も何度も。もうすぐだと呟きながら。その目は、はるか先にあるファルバス公国を見ていた。

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