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少尉ですが何か?  作者: 背徳の魔王 人と話すうちに性格から行動パターンを読み取り。隠された本性を暴き。時に未来を予言することからリアル魔王と呼ばれ。材料と調味料の分量で味がわかるので、絶対味覚と本人が詐称する一般人
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閑話小さなメロディ

プロローグ




━━東大陸、王都カウレーンに住む。



シア・レノ、ソアラ・レノは、最近リナ・シタイルと言う。活発で元気な女の子と知り合いになった。姉妹の妹ソアラ・レノと歳が近いこともあり。直ぐに打ち解け。毎週末の朝市以外で、孤児院でも約束して遊ぶようになるのに。時間は掛からなかった。

「リナちゃんおはよう~。サノビアさんおはようございます」

ぺこりシアが頭を下げると、ソアラも真似して。ペコリンこやや人見知りなソアラだが、ニッコリ微笑みながらリナに手を振っていた。



最近は、リナの恋人タイチ、友達のコウ、レンタ、マイトが、習い事で忙しく。三人で遊ぶ事が増えていた。きっかけは、母とリナちゃんの叔母にあたるリーラ様が、親友だと聞いたことからで。シンク皇子様が、アレイ学園に通われてると知り。母にねだり朝市に何度か通って。直接お話しするようになった。後日━━シンク様が、母と父シデンに。あの英雄王オーラル様からのプレゼントが渡され、驚いた姉妹が、母に理由を聞いたら。



なんと……父が、陛下の友人だったと聞いて。それはそれは驚いた姉妹だった。




その後、母に内緒で朝市に通って、シンク皇子様のお顔だけ見に行っていたら、誰に対しても本当に優しく接してくれる。素敵な皇子様で……、次第にシア、ソアラ姉妹とも気兼ねなく挨拶して下さり、直ぐに大好きになっていた。

その内。シンク皇子様の親戚リナちゃんと仲良くなって、毎日遊ぶようになっていた。

「こんにちはシア、ソアラちゃん」

「こんにちはシンク……兄」

「こんにちはシンクさん」

ソアラが恥ずかしそうに。シアが朗らかに挨拶を交わした。

「リナちゃんまた明日」 「うん♪。ソアラちゃんまたね~。シアちゃんリナと遊んでくれてありがとう♪」

ギュッて抱き着いて来たリナの背中を抱きしめ。クスクス微笑み。

「また明日ね」

「うん♪」

満面の笑みで頷いていた。

「サノビアさん♪」

飛び付くように手を繋いだリナちゃんは、シンクさんに一生懸命。今日何して遊んだか話していた。

「お姉ちゃん……」屈託なく甘えれるリナちゃんが、羨ましくなったようだ。

「ソアラ手……」

笑みを深め。妹に手を差し出すと。パッと嬉しそうに目をキラキラさせて、

「うん♪、お姉ちゃんリナちゃんと遊ぶの楽しいね」

「そうだね♪、明日の朝市。私達もお手伝いしようか?」

ずいぶん前から。考えていたことだ。私は来年……アレイ学園に。早期入学が決まってるから。あまりソアラと遊んであげれない……。近所にソアラと歳の近い子がいないから。本当にリナちゃんが、ソアラの友達になってくれて、良かったと思った。

「お姉ちゃん!、私もお手伝いしたい」ほんのり頬を赤くして、嬉しそうに華やいだ笑顔を見て、シアまで嬉しく思った。



数年後━━、



ソアラをあの時。朝市に連れていった事を誇る日がやがて訪れるのだが、それはもう少し先の話である。




翌朝━━。ソアラを連れて、東通りにあるアレイ教の本山・大聖堂に足を運んだ二人を。タイチが見つけ。優しい眼差しでペコリ頭を下げてきた。

「あっタイチちゃん!。今日私達もお手伝いするから。色々と教えてね」 ソアラが嬉しそうに説明すると。コクリにこやかに頷いていた。前から思ったが、タイチ君は、滅多に口を開かない。弱音も自分を強く見せるようなこと。一切しない珍しい男の子だ。

「タイチ~手伝ってくれ~」大聖堂に上がる階段の上で、癖のある金髪の顔立ちの整った中年に差し掛かる男性が、慌てたように声を掛けてきた。彼は身重の女性を支えながら。沢山の荷物を手に。焦っていた。

「義兄さん今行く!」

慌てて走りより。兄から荷物を受け取り。ようやく安堵したカールは、妻エルを抱え上げて、階段を降りていく。

「カッ、カール……」

羞恥で真っ赤になる綺麗な女性。シアは驚いたように目をしばたかせていた。

『凄い魔力……、シンク兄と遜色ない』

特にカールと呼ばれた男性に抱え上げられた女性の魔力は凄まじい。

そう考えていると。真っ直ぐ可愛らしい顔立ちの女性が、驚いたようにシアを見て、可憐に微笑んでくれた。

「あっ義姉さん、あの二人。僕の友達です」

「そう……、素敵なお友達が増えて良かったねタイチ」

労るような優しい声音。慈愛いに満ちた眼差しは、大司教エレーナ様を彷彿させる。そんなこと考えていると。

`私の自慢のお母さんだよシアちゃん´

聞き覚えのある。微かな思念が聞こえて来て、 「お姉ちゃん……今。ジルちゃんの思念聞こえたよ?」

シアはハッと気が付いた、タイチを伺うように見れば、コクリ頷いて。

「……ソアラ、ジルちゃんに挨拶しとこうか?」 一瞬目をぱちくりしていた妹も。屈託なく微笑み。

「うん!」元気よく頷いていた。




最初驚きを浮かべていた女性=エル・シタインは、優しい手つきで、下腹部を撫で、

「ジルったら。いつの間に友達を作ってたのね~♪」

苦笑気味に。優しく呟いていた。



姉妹はやや緊張しながら。

「はっ初めまして、ジルちゃんのお母さん、お父さん。私達ジルちゃんの友達で、シア・レノ」

「ソアラ・レノです」

二人の挨拶で、カールとエルは顔を見合わせた。 「シデンとマノアちゃん所の子か!」

妙な感心をしたカールだったが、

「初めまして二人のリトルレディ~俺はカール・シタイン。シデンとは古い知り合いさ~」

パチリ軽い印象を与えるウインク。仰々しく一礼して、皮肉気に笑っていた。目を丸くしてポカンと口をあける可愛らしいソアラに。エルは優しい気持ちになって、クスクス笑いながら。

「初めましてエル・シタインよ、ジルから聞きました。娘が産まれたら仲良くしてくださいね♪」

「はい!」

それは妹と決めていた。可愛らしい思念を聞いて、私達は友達になったのだから、ハッと息を飲んだエルさんに。夫のカールさんが労る優しい目を向ける。二人は本当におにあいで……、だから私もあんな素敵な男性と出会いたいな~なんて思ってると。みるみるエルさんは真っ赤になっていた。



これに苦笑したカールが、妻の頭を撫でながら。 本当に愛しそうに見つめ。

「良かったなエル」

「はい……あなた」

恥ずかしそうにはにかんでいた。

「じゃ~タイチ。医者のところに行ってるから。適当に誤魔化しといてくれや~」

お気楽そうに。手をヒラヒラさせるカールに。タイチは力強く頷き、

「うん!任せて」

小さな胸を叩いた。するとカールは義弟タイチの頭を撫でてから。ひょいとエルを抱え。荷物を引っ掛けてから、物凄いスピードで走りさった。呆気にとられる姉妹に。タイチは曖昧な笑みを向けていた。




━━中央公園。



王都カウレーンでは、聖アレイが町を拓いてから。毎週末市場を開いていた。それはアレイク王国の行事と言って良い。大きな町では……当たり前の光景である。




今日孤児院の屋台が組まれたのは、広場の噴水・側だった。沢山の子供に混じり。リナちゃんとサノビアさん。モレンさんが、手伝いに現れた。

「あっ、ソアラちゃん♪おはよう~」

大好きなタイチと話して、可愛らしい笑顔を見せていたリナちゃんは、私達に気が付いて、嬉しそうに手を振ってくれた。。

「リナちゃんおはよう~♪」

人見知りがちな妹も。少しずつ自分たちの世界を作って行くのだと思うと。嬉しさと一抹の寂しい気持ちを抱いた。




エピローグ




今日も沢山のお客様が来てくれた。特に男性客が多かったのは、シンク兄が冬休みでいないからだろう。だから普段見掛けないサノビアさん目当ての人ばかりだったようだ。「リナ様流石です!」

サノビアさんが困っていると。リナちゃんはてきぱき客をあしらっていた。流石は自宅でお店をやってるだけはある。

「リナちゃん私もリナちゃんみたく。かっこよくお仕事してみたいな~」 「エヘヘ~ソアラちゃんありがとう。リナね大きくなったら世界中を股にかける商人になるんだ」 キッパリ自分の夢を語るリナちゃんは、私から見てもキラキラしていた。 「きっとリナちゃんなら、商人になれるよ」

「ありがとう~シアさん」

恥ずかしそうにしながらも。嬉しそうに胸を張っていた。

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