表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/31

第13話 VS星屑ノ竜

 草原を抜け、広がるのは岩地。


 わたしはとある光景を目撃して、ぴたりと立ち止まる。


「……ラナさん。あれ、見えますか?」


「えっと……あ、ほんとだ」


 わたしたちは岩陰に隠れながら、同じ方向を見つめる。


 少し遠くに見えるのは、一体の星屑ノ竜(ティリラーシィ)


 鱗の殆どは黒色なのだけれど、時折金色のものが混ざっている。その姿は、どこか夜空を彷彿とさせて――それゆえに、そのドラゴンは星屑の名を冠するのだ。


 依頼にあった場所はこの辺りだから、あれが件の星屑ノ竜(ティリラーシィ)で間違いないだろう。


「ラナさん。ドラゴンとの戦闘経験はありますか?」


「うん、何度か」


「それは何より。ご存知だと思いますが、ドラゴンは攻撃力がとにかく高いので、長期戦になればなるほど危険です。なので、早めに片付けましょう」


「わかった。私、回復魔法、防御魔法、補助魔法は得意だから。その辺りは任せて!」


「オッケーです。じゃあわたしは、攻撃魔法全振りでいきますね」


 話しながら、ありがたいなと思う。


 ソロパーティーだった頃は、攻撃、回復、防御、補助など、全ての魔法を自分で行っていた。


 いくらわたしが努力家で天才だとはいえ、同時起動できる魔法や魔力量には限界がある。


 だから、攻撃だけに集中できるというのは、すごく助かることなのだ。


「よし……それじゃあ、さっさと倒しちゃいましょう!」


「えいえいおー!」


 ラナさんとわたしは、ぱちんとハイタッチする。


 それからわたしは、星屑ノ竜(ティリラーシィ)を見つめて――たん、と地面を蹴った。


 星屑ノ竜(ティリラーシィ)が、一気に視界で大きさを増す。


 わたしは駆けながら、高度破壊魔法〈地属性〉を唱えた。


 星屑ノ竜(ティリラーシィ)は九つの属性のうち、地属性を弱点とする。


 わたしの魔法なら、災竜クラスだと難しいが、ドラゴンクラスなら一発で倒せるはずだ――


 と、そう思っていたのだが。


(…………ッ!? 効いてない!?)


 目の前にいる星屑ノ竜(ティリラーシィ)の身体には、多少の傷しか付いていない。


 星屑ノ竜(ティリラーシィ)が、咆哮を上げる。


(まずっ……! ブレス攻撃が来る!)


「大丈夫! もう、唱えてある!」


 後ろから掛けられた言葉に、はっとなる。


 そうだった。


 今のわたしには、とても心強い味方がいる!


 星屑ノ竜(ティリラーシィ)が吐き出した黒い炎は、ちっとも熱くなかった。


 ラナさんの防御魔法のお陰だ……わたしはにっと笑いながら、思考を巡らせる。


(稀にいる、弱点克服個体か。星屑ノ竜(ティリラーシィ)の弱点は地属性以外にないし、他の多くの属性には耐性がある……それなら、)



 ――――今朝の修行の成果を、出すときだ。



 わたしは黒い炎の中を駆けながら、星屑ノ竜(ティリラーシィ)との間合いを詰めていく。


 炎を抜けて、昏く輝くドラゴンの黄金の瞳と、目を合わせた。


「悪いですね……美味しく頂かせてもらいますよ?」


 迫り来る星屑ノ竜(ティリラーシィ)の鉤爪を飛び跳ねてかわしながら、わたしは微笑んだ。


 高度破壊魔法〈無属性〉――


 ドラゴンの心臓を狙いながら、魔法を唱える。


 鮮血が吹き荒れた。


 ドラゴンが、呻くような叫び声を上げる。


(後、一発……!)


 気付けば自分の身体が、柔らかな温かさに包まれている。


 ラナさんが強化魔法を唱えてくれたのだと、すぐにわかった。


「ありがたやです!」


 わたしは大きな声で言ってから、再び炎を吐こうと咆哮を上げるドラゴンに、


「させませんよ?」


 そう告げて、もう一度魔法を唱えた――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ