ブラックガールズパーティー
青紫「いたたた・・・本当に死ぬかと思った」
琥珀「生きてるだけましだな。ブルトシュバインはバラバラになっちゃったそうだ」
青紫「あちゃー、スクラップにされないかな?」
その頃、青紫と琥珀はグレゴリーの病院に入院していた。あの爆発の後、動けなくなった所をジャルダン達が助けに来たらしい。その肝心のジャルダンはもうどこかに行ってしまった。隣の机には籠に入った果物がご丁寧に置いてあった。
青紫「ねえ、バナナ食べさせてよ」
琥珀「今食べさせる事が出来るか?」
青紫「じゃあ、尻尾とかで使ってよ?」
琥珀「私に尻尾はない。それに例え、尻尾があるとしてどうやって皮を剥く?手は無理だぞ」
青紫「我儘いってすみません」
琥珀「とはいえ、私も空いてきたな。何か軽い物が欲しいな」
青紫「ここの料理、予算削っているから美味しくないし、量も少ないからね―あ、そうだ!!最初にやってきた人に食べさせてもらおーっと!!」
琥珀「呑気だな」
そんな会話をしていると、突然ガラガラと扉が開いた。そこから入ってきたのはプラチナの兜とスーツを着た白金の暗殺者だった。手には花束を持っていた。それを見た2人はただ固まった。
青紫「あ・・・なんか嫌な予感・・・」
琥珀「くっ・・・」
顔が見えなくても分かる、何か感じる威圧感。それは奴がアートルム直属の部下だからだけではない。彼女達の病室は一気に緊張感が漂った。すると、何も喋らず入ってきた白金の暗殺者は花束を置くと、いきなり喋り出した。
白金の暗殺者「今日はあなた方の処遇についてお知らせに来ました」
青紫「げっ!?」
白金の暗殺者「あなた方はしばらく自宅謹慎、それに数ヶ月の月給を下されました」
琥珀「何だとっ!?」
青紫「なんでそうなるの!?」
ボイスチェンジャーで発した言葉でも2人にとっては脅威に等しかった。何故なら、奴は絶対に勝てない存在だからだ。そして、ある前任者の後釜だからでもある。
白金の暗殺者「あなた方は独断で作戦に背き、さらには商売相手や商売道具を無くした。アートルム様も機嫌を悪くなられています」
青紫「でも、ちゃんと回収するものは回収出来たよ?」
白金の暗殺者「ええ、だと言う事で今回は特別に免除という形で今の処遇になった訳です」
琥珀「あれでまた回収し損ねたら、今以上になってたって事か」
白金の暗殺者「では私はこれで」
そう一言言って病室を出た。扉を閉めた途端、2人はため息をついた。緊張した空気から解きほぐされたからだろう。もうあの人に会いたくない。
青紫「緊張したからバナナ食べたくなった」
琥珀「勝手にしろ」
琥珀は背を向くように寝始めた。青紫は負傷した手を使って何とかバナナの皮を剥こうとしていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
長月「あなた達は初めましてだね、お茶でもどうぞ」
ジャラゴン「はあ、じゃあお言葉に甘えて」
葉月「貴様は呑気か。少しは警戒しろ」
その頃、ノワールファミリーとマゼンタ第8部隊のみんなはマゼンタ第9部隊の本拠地にいた。みんな応接間でお茶を飲んでいる。それにしても、またマゼンタのいる世界に飛ばされるとは思わなかった。あの穴は彼女の能力か?
長月「改めて自己紹介をします、私はマゼンタ第9部隊隊長、長月幸水です。以後、お見知り置きを」
長月と呼ばれる隊長は丁寧な口調で自己紹介をした。おそらく、おっとりした性格なんだろう。おっとりした性格の見方は昔、母さんが教えてくれた。育ちがいいからあんなにおっとりしているのかと聞くと、母さんはおっとりした性格は梨を沢山食べているからよと教えてくれた。以降はおっとりした人は梨を沢山食べていると認識している。そう言えば、机にカットされた梨が置いてある。
眼鏡マゼンタ隊員「私はマゼンタ第9部隊副隊長、秀玉南水」
ギャルっぽいマゼンタ隊員「私はマルゲリット・マリーラ。よろピー!!」
眠そうなマゼンタ隊員「あー、私はー私は秋満月ラフランと申します。よろしくお願いします〜」
みんなここの職員である事に間違いない。証拠にマゼンタ色のバッチやブローチがある。ちなみにバッチかブローチかは選べるようだ。
ドナ「ねえ、さっきなんでブラックホールを出したの?」
長月「ああ、あれね。気まぐれよ。葉月ちゃん達と一緒に面白そうな人がいたから連れてきただけよ」
カレント「うわ、まじか」
ヘルブラン「あー、なんかすみませんねー」
空気は気まずい雰囲気になった。すると長月が僕の方をジッと見ていた。
長月「あなたがあのノワール?顔は見えないけど、案外可愛い顔かもね」
ノワール「なんだ?」
葉月「あの男から色々と聞いたな。こいつらは我々を脅やかす存在だ」
ヴェルデ「ええっ!?脅やかすって!?」
秀玉「なんですって!?そんな人達を招きいれてよいのですか!?」
秋満月「私は面白いからいいと思うけど」
アスール「私達お邪魔でしたね、今日はこれで」
ドナ「そう言って逃げるつもりでは?」
アスール「うげっ!?流石マゼンタ」
空気は一気に修羅場になりそうだった。このままではこの部屋が一気に戦場化としてしまう。ついさっきまで戦ったばかりなのに、また面倒事は勘弁してくれ。
ノワール「もう少しゆっくりしたかったが、これで帰らせてもらおう。さよならだ」
そう言うと、ノワールは懐から煙玉を出して、部屋中を真っ白世界になってしまった。葉月達も巻き添いを喰らい、耐えきれなくなったのか窓を開け出した。やがて見えるようになった頃にはもぬけの殻だった。
葉月「あっ!?また逃げられたっ!?」
マルゲリット「あらららー!!!」
部屋に残ったのは第8部隊と第9部隊の人達だけだった。またしても同じ手で逃げられたのだ。しかも、綺麗に紅茶を飲み干していた。
葉月「お前達、また探しにいくぞ!!」
白鳳「あわわわ〜」
そう言うと、葉月達は部屋を出て行った。残った長月達は葉月達の後ろ姿をじっと見ていた。特に何か動く訳でもなく、長月は何もせずに椅子に座り、紅茶を再び飲み始めた。
秀玉「?あの、隊長?」
長月「あれがノワール。何だか楽しくなってきたわ♪♪」
秀玉「はい?」
長月「何かこう、ビビッて来たみたいなそんな感じがしたわ。今は泳がした方がいいわ」
秀玉は長月が何を言っているのか理解出来なかった。それはこの場にいた全員同じだった。とはいえ、長月がここまで興味があるとは誰も思わなかった。ノワール、ノワールファミリー、そしてグレゴリー。この関係性はまだ分からないが、今分かるのは自分達が知らない世界で必ず何かが起こっていた事だろう。それを踏まえて、長月は"楽しくなった"と言ったのであろうか、真相は彼女しか分からない。
長月(また会えないかな〜♪♪今度はじっくりお話ししたいな〜♪♪)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
宝華「ナイスタイミング、黒季」
オリヴィア「私ハモット遊ビタカタネ」
秋穂「いや、そんな事してる暇ないよ!!」
その頃、旧校舎に何とか戻ったノワール、黒季達はフェイスマスクを外し、髪の色を元に戻した。しかし、服装は戦闘服のままにした。
春香「それにしても、マゼンタの隊長2人に会うとはねー」
夏菜「確か長月ちゃんだっけ?見た感じ、私と年は変わらないかなー?でも可愛かったわね!!」
赤城「何故そんなに呑気なのですか?また新たな敵が現れたのですよ!?」
氷山「それにしても・・・さっきのは凄かったです!!今までにない体験をしてきました!!私、今を生きています!!」
灰川「何を言ってるの?」
みんな、さっきの戦いで魔力や体力をだいぶ消耗したのだろう、顔が疲れていた。それに時計を見ると、もう午前1時になりかかっていた。流石に帰した方がいいな。そう思い、この場で解散した。外は暗く、明かりも月や電柱が光っている程度だった。女を帰らせるには危険という事で今日は各家まで一緒に帰る事にした。
白沢「今日は色々あったけど、新たな仲間も出来たし、カオスも倒したし万々歳じゃない!!」
氷山「はい!!不束者ですが、皆さんの役に立てるようよろしくお願いします!!」
夏菜「うんうん!!これからもよろしくね!!」
秋穂「まさか、こんな時間に帰るとは思わなかったわー」
赤城「警察の人に見つからないようにしましょう」
すると、突如ライトの明かりが見えた。あれは巡回している警察官だと一目見て分かった。こんな時間に男性1人女性数名いると怪しまれるので、みんな隠れ出した。やがて明かりは近づき、眩しくなった頃に自転車は止まった。
警察官「ん?あれ?さっき人がいた気配がしたんだけど?気のせいか?」
そのまま警察官は自転車を走らせて、遠くへ行った。いなくなった事を確認してみんな姿を出し始めた。
オリヴィア「イヤー、危ナカタネ」
宝華「はぁー、ドキドキしたわー」
春香「私は隠れる必要なかったのでは?」
灰川「なんだか、お腹空いてきたわね」
白沢「そうね、今度また歓迎会をやりましょうよ!!ちょうどいいお店を知っているわ!!」
黒季「いいんじゃない?折角10人揃ったからね」
ジャラゴン「わーい!!楽しみー!!」
ケンちゃん「この10人なら絶対大丈夫だ!!」
その日はみんなで盛り上がりながら、帰路に着いた。おまけとして、家に着いた後は黒い緞帳を使って、自分の部屋に移動させた。みんな寝静まっているので、何とかバレずに事なきを得た。というか、最初からこれを使ったらよいのでは?僕は考える事をやめた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
???「ふふふ、また食べちゃいましたわ」
その頃、ある荒野では悲惨な状況になっていた。黒装束を着ている人が顔や腕、足は食いちぎられたように斬られ、体は心臓を抜いたのであろう、左胸の辺りに穴が空いていた。顔が残っていた者もいたが頭に穴が空いていて、何かに貫通させられた後が残っていた。そんな状況の中で1人の女性が立っていた。耳が長い事からエルフ族、中でもより高位にいるハイエルフ族である事に間違いはない。色白で瞳は黄色で、高級そうなドレスを着ていた。明らかに死体が散乱した荒野には絶対似合わない存在だ。しかし、彼女はそんな状況でも笑って踊っていた。
???「さあ、宴はまだ始まったばかりですよ〜??グ・レ・ゴ・リ・ィ・さーん」
そう、彼女はグレゴリーの戦闘員と戦っていたのだ。グレゴリーの存在はノワールファミリーかマゼンタしか知らない。しかし、マゼンタにこんな無惨な事をする人はいない。よって、彼女はノワールファミリーの一員だった。それを察したグレゴリー戦闘員はただ隠れて、隙を見せるのを待っていた。しかし、それが彼女にとっては不愉快極まりないらしく、ストレスを溜めていたのだ。
???「早く片付けないといけないので隠れてないで出てきてください」
しかし、全く隙を見せないエルフにグレゴリーの戦闘員達はなかなか動けなかった。銃は全て壊されており、例え撃っても何故か彼女に当たらない。このままでは体力や精神も擦り減ってしまうようだ。どうにか逃げ出すタイミングを測っている時、足元にゴロンと音がした。しかも2、3個はしたであろう。足元を見るとそこには栓が抜かれた手榴弾が転がっていた。
グレゴリー戦闘員「!!!!!!」
グレゴリー戦闘員は気付き逃げ出すも、運悪くそのまま爆発してしまい、巻き添えを喰らった。他にも爆発した場所があり、全部で5箇所はあった。
???「アグネスさん、あまり焦らすのは良くないですよ」
???「その声、あの爆発はあなたの仕業だったのね!!」
???「私の能力"運送術"で奴らの場所に爆弾を送っただけです」
???「ツツジ!!!」
そこにはブレザーにスカートを履いたいかにもJKらしい女性、ツツジがいた。そして、もう1人のエルフはアグネス。ノワールファミリーではイザナギやモルドレッドと同じ古参の1人だ。暗躍部隊のリーダーをしている。今爆弾を送ったのはツツジの能力、運送術。場所と座標さえ分かれば、色んな物を送れる能力。ただし、専用のタブレットからじゃないと送れないとはいえ、送りつける場所は自由で体内にも送れる。あまりやりたくはないが。
アグネス「それにしても、まだうじゃうじゃと湧いてきますわ。やはりあなたのでは効率が悪いので、引き続き私がやります」
彼女の能力は・・・いや、それはまた次回の時に話そう。シンプルかつ強力な能力について。




