表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノワール・モンスター  作者: アキラ明晃


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

106/106

助けて(1)

 幾度も戦い続けた結果、金ピカだった鎧は剥がれ落ち、黒色に朽ちるもなお戦い続け、最終的に黒色すら剥がれ落ち、骨が剥き出しになった禁書は意思のないまま、ただ剣を振っていた。骨の剣にはトゲがついており、背中からは骨の大蛇が2匹現れた。やはり、禁書という事もあってか、相当な力を持っている。攻撃力も数段と桁違いになっていた。


ノワール「厄介だな。こうなると、敵味方諍いなしに襲う」


ブラン「骨になってまで、そんなに世界を支配したかったの?」


ジャラゴン「もう、ある意味すげぇな」


アインス「とにかく、あいつを止めるしかないわね」


アインスとブランが禁書に襲いかかるも、蓋骨蛇が現れ、2人の武器を噛み出し、そのまま持ち去った。これで武器はしばらく使えなくなるも、その隙に自身の属性で攻撃をした。その攻撃は命中し、禁書は倒れてしまい、武器を噛んでいた蓋骨蛇も口が開いたせいで武器を落としてしまい、禁書と一緒に倒れ始めた。しかし、しばらくすると再び立ち上がり、地面に落ちた剣を足を使って、手にすると再び斬撃波を繰り出した。ノワールは剣を出し、同じく斬撃波で迎え撃った。2つの斬撃波はぶつかると、爆発しながら消えてしまった。その後も禁書はただただ同じ技を繰り出し続けて、ノワールもそれに対抗するように斬撃波を繰り出し続けた。


ジャラゴン「おいっ!!このままじゃ、埒が明かないぞっ!?」


ノワール「じゃあ、お前、一役買って出るか?」


ジャラゴン「へ?」


ノワールはジャラゴンを掴みだし、そのまま禁書に向かって投げ出した。あまりの出来事にジャラゴンは固まってしまったが、投げられた後自覚した。このまま禁書の方まで投げ出しやがったと。


ジャラゴン「ジャララララッ!?嘘ーんっ!?」


ノワール「あいつの体に傷が出来る事を祈っているぞ」


ジャラゴン「嫌ァァァァァァァァァァァァッ!!」


ジャラゴンはそのまま真っ直ぐに飛び続け、あまりの速さに魂が抜かれそうだった。禁書も何か向かってくる事に気付いたが時遅し、そのまま飛んできたジャラゴンが禁書の体に直撃した。しかも勢いが終わる事なく、そのまま吹っ飛ばされて、ビルを3つ貫通し、穴が空いて崩れてしまった。禁書はそのまま壁にもたれ掛かってしまい、そのまま地べたに座り込んだ。ノワールはスライムを伸ばして、急いでジャラゴンを回収した。ジャラゴンの頭には立派なたんこぶが出来上がっていた。


ジャラゴン「ジャララララッ!!殺す気かっ!?死んでしまうわっ!!」


ノワール「おもちゃは死なない。強いて言うなら、廃棄処分されるぐらいだ」


ジャラゴン「勘弁してくれーっ!!!」


ノワール「とはいえ、禁書の体にヒビが生じてる。とりあえずは褒める」


ジャラゴン「なら、もっと褒め称えて〜!!!!」


その頃、禁書の様子はと言うと、よろめきながらも何とか立ち上がり、フラフラと暴走グレマーズの方へ向かっていた。暴走グレマーズまでだいぶ距離があるが、禁書はそれでもそっちへ歩いて行った。


ブラン「ん!!あれはっ!!禁書が動き出した」


アインス「一体どこに・・・まさかっ!!」


ケンちゃん「暴走グレマーズの所へ行って、魔力を蓄えようとしているのですかっ!?」


ノワール「・・・」


ジャラゴン「おい、ノワール?」


ノワール「レッド達をカードに戻す」


禁書が暴走グレマーズへ歩き出した頃、背中の上ではカオス兵が全滅していた。同時に暴走グレマーズの武器を全て壊したレッド達も攻撃の手を収めた。これ以上の戦いは不要だからだ。


カオス兵「ぐ、ぐぎゃ・・・」


葉月「大した事はなかったとはいえ、流石に数が多すぎだ」


ジーナ「魔力を殆ど使ってしまいましたわ」


フィア「フィアはまだまだ戦えるのですっ!!」


神無月「いや、もういないし」


アスール「しっかし、どうしてこいつはまだ動けるのかしら?」


ブルーノ「ドウヤッテ、ゴハン食ベルノネ?」


ヘルブラン「どうやって寝るんだろう?」


秀玉「戦い過ぎて、頭おかしくなったの?」


グレーズ「まだ平常運転です」


そんな少し和やかな雰囲気もすぐに終わりを告げる。暴走グレマーズが禁書を見つけると、すぐさま腕を伸ばし、禁書を捕まえた。捕まえた後は下の口を大きく開き、そのまま丸呑みしてしまった。それに気付いたレッド達はすぐさま攻撃を再開するも、突如手から髑髏の蛇が現れて、噛みつき始めた。それに気付いたアスール達も戦闘態勢になり、背中から現れた髑髏の蛇を相手に戦い始めた。しかし、髑髏の蛇は再生能力があり、砕けても壊してもすぐさま回復してしまうのであった。


ツヴァイ「そんなっ!?骨が再生されたっ!?」


ゼクス「全く、休む暇もない」


アハト「フィア、良かったなっ!!まだ暴れられるぜっ!!」


フィア「がるるっ!!燃えてきましたのですっ!!」


武器を失った暴走グレマーズだったが、今度は再生する骨を繰り出しているので、どんなに強かった者でも苦戦してしまうのであった。当然、刀で斬ろうとしても再生能力が付与しているせいで役に立たない。すると、葉月は刀を収めて己の拳で骨に攻撃をしていた。


葉月「貴様がした事を今度は私が仕返しする番だっ!!うりゃあぁぁぁぁぁーっ!!!」


神無月「隊長っ!?」


カレント「嘘っ!!骨が砕けているっ!?」


ドナ「でも、また再生してしまう・・・」


葉月「なら再生出来ないように細かく砕くだけだっ!!」


しかし、葉月の攻撃を阻止しようと、今度は人の手の骨が現れた。しかし、その骨は吸い寄せられるようにある場所へ飛んで行った。


長月「隊長はあなただけじゃないわっ!!私の事も忘れないでねっ!!」


葉月「ああ。お前の最大限の力でこの骨を吸い込めないか?」


長月「うーん、私の力はバランス調整が難しいから操れる程度しか出来ないけど・・・こうなったら、貴方に付き合ってあげる。とことんやるわっ!!」


葉月「感謝するっ!!皆、離れるんだっ!!」


葉月の合図に合わせて、ノワールファミリー、マゼンタは暴走グレマーズの背中から離れて、遠くへ避難した。レッド達もいつの間にか光と共にどこかへ消えていった。そして、長月は誰もいない事を確認すると、最大限の力を振り絞った。


長月「"ブラックホール・ナイト・パレード"」


長月の手から黒い稲妻が出始め、それは空に向かっていた。その後、稲妻は輪っか状を形成し、巨大な輪っかが浮かび上がった。その後、輪っかの中では中心部がひび割れ始めた。徐々に大きくなり、やがて果てしなく続くであろう、空間が現れた。そこから掃除機の如く、強い吸引が始まり、それは地面さえ揺れる程の力があった。その吸引力が強すぎるせいで周りの建物が吸い寄せられてしまった。


ドリィ「な、何て力っ!?」


マルゲリット「ワォッ!!あれが隊長の本気っ!!これはかなりすごいわっ!!」


ヴィオレ「なんか、私達まで吸われてない?」


アマリージョ「うひゃぁっ!!体全身にビリビリ電流流れてくる〜っ!!!」


ヴェルデ「あのっ!!手加減とかはないのですかっ!?このままではみんな吸われそうなんですけどっ!?」


秋満月「ないと思う。だから私達も吸われる可能性あり。吸われたらどこにいくのか分からない」


ガラクロ「アーハ、ポンコツ」


あまりにも強すぎる吸引力のせいか、レッド達も吸われそうになった。しかし、蓋骨蛇はみんなバラバラになりながら、中に吸われて行った。そして、暴走グレマーズも足が宙に浮いてしまい、吸われそうになっていった。


長月「あと少しねっ!!」


やがて宙に浮いた暴走グレマーズは吸い込まれるようにブラックホールの中へ吸われてしまい、そのまま遠くへ飛ばされてしまった。無事吸い込まれた事を確認すると長月は能力を解除し、ブラックホールを閉じたのだった。終わった後の現場は一部分だけ跡形もない状態になっていた。しかし、これで暴走グレマーズが暴れる事はなくなった。


葉月「やはりやらせたくないな」


長月「自分も。魔力、殆ど持っていかれちゃった」


長月は大量の魔力を消費した事により、体がおぼついていた。額には大量の汗もかいていた。これにて終わった・・・




そう感じていた一同であった。そんな歓喜な時間も束の間、突如空がひび割れ始めた。最初に気付いたのは長月だが、一体何が起こったのか分からず、ただじっと見ていた。空のひびは徐々に大きくなっていき、やがて一部分が剥がれ落ちた。そんな時だった。中から黒く太い腕が伸びてきたのだ。それは暴走グレマーズの腕などではなかった。その後、こじ開けようとしているのか、穴が空いた場所から更に白い腕が現れた。そして、穴を広げていき、尻尾、体、そして顔が現れ始めた。体中にゴツゴツし、尖っている岩みたいなものがあり、体の真ん中は赤く、尻尾にも無数の棘、背中には禍々しい翼が生えていた。顔は暴走グレマーズと同じ顔であったが、雰囲気が違っていた。この場にいるみんなはただ、ジッと見つめていた。これが一体何なのかは分からない、ただ一言では言い表せない何かであるのは間違いない。


グレマーズ?「我は全てを超越した存在、人が神と呼ぶ者になった者だ」


葉月「神だと?」


アスール「神って、あれは何だったのっ!?」


グレマーズ(神)「あれは力を蓄えるのに必要なものだった。貴様らが戦っている間に随分と力を溜める事が出来た」


神無月「そんなっ!?」


ルージュ「ようは蓑だったって訳ですか?蝶みたいにサナギの中で成長するみたいに?」


グレマーズ(神)「そうだ、貴様らのおかげで随分力が溜まった。感謝しよう」


グレーズ「あんたに感謝されても・・・」


グレマーズ(神)「そして、貴様らに祝福を。"デッド・オア・アライブ"」


グレマーズ(神)は各両手から白色と黒色の魔力の込めた球体を出してきた。球体には魔法陣が浮かび上がって、その2つを葉月達の左右に放った。すると球体動き出した。速度は遅かった為、皆はただじっと見つめていたが葉月は感じていた。虫の知らせか、あれはただの魔球ではないと言う事に。


葉月「みんな、逃げろーっ!!!!」


突如、葉月は叫び始めた。みんなを逃すように指示したが、足元が何故か光り始めた。足元には魔法陣が浮かび上がっていたからだ。この魔法陣は範囲内にいる者を動けなくするらしい。もちろん、これもグレマーズ(神)の仕業だ。


グレマーズ(神)「我が力の威力を己の身で味わってみるといい」


葉月「何っ!?」


グレマーズ(神)「この球体に入れば生か死か、もっとも生だったとしても無事では済まされない。運命は常に私の手にあるのだ」


葉月「ば、馬鹿なっ!?」


一歩も動けない中、球体は徐々に近づき、2つの球体がぶつかり、1つとなった。そして巻き込まれた葉月達だったが、視野が暗くなり、みんなの安否が分からなくなった。刀を振りかざそうにもみんなを切ってはいけない。葉月は暗い中、みんなを探すしかなかった。数分も歩き回ったが、状況が変わる事なく、ただ前へ歩いて行った。そして、パリーンッと砕けた。景色は急に明るくなり、周りが見渡せる状態になっていた。気づけば体中、ボロボロになり、出血もしていた。手足腰に力が入らなくなり、その場で倒れてしまった。


葉月「ぐ・・・力が、入らない・・・」


長月「葉月、ちゃん、大・・・丈夫・・・?」


声を掛けてきたのは長月だった。だが、長月も自分同様、大怪我をしていた。いつダメージを負ったのかは分からない。あの球体がぶつかった時に何かが起こったに違いない。


グレマーズ(神)「生き残ったのは貴方方だけか」


葉月「生き・・・残っ、た、だって・・・?」


グレマーズ(神)「周りを見ろ」


グレマーズ(神)の言う通り、周りを見てみるとそこには横たわっているアスールやツヴァイ、神無月や秀玉などがいた。ただ寝ているだけかと思いきや、長月が脈を触ってみた。


長月「・・・・・・・・・し、死んでる・・・」


葉月「な、・・・・・そんな、馬鹿な・・・・」


あまりの出来事に絶句してしまった。そして脱力し、その場に座り込んだ。もはや、何の事も考えられない。アクションも出来ない。ただただ、目の当たりの出来事を見るしかなかった。


葉月「し、死んだ・・・なんて・・・」


長月「葉月ちゃん・・・気を・・・しっかり・・・」


葉月「しっかり・・・しっかりだとっ!?私の仲間は死んでしまったんだっ!!たった数秒でっ!!それで気をしっかり持てるかっ!!!!」


長月「葉月ちゃん・・・」


一緒に訓練をした仲間、一緒に食事をした仲間、一緒に笑い合った仲間、そんな仲間達は自分の目の前で殺された。自分がここにいるのに、隊長である自分が守るべき仲間を殺されてしまった。そんな何も出来なかった自分が悔しくて、悔しくて、悲しみすら通り越して、自分に対しての苛立ちしかなかった。


グレマーズ(神)「貴方方は運がいい。私の想像する世界へご招待しよう」


ノワール「では、我らもご招待してくれ」


グレマーズ(神)「???貴様は・・・」


その時、ノワールが遅れて現れた。ブラン、アインスも遅れて現れた。ノワールはスライムを伸ばして、死体となったアスール達を回収し、トランクケースの中へみんなを収めた。するとノワールは葉月達に向かって質問をした。


ノワール「マゼンタ隊長、何か言いたい事はないか?」


葉月「あ、あぁ・・・」


ノワールの質問に対して、葉月は考えるのをやめた。自分が何を望んでいるのか、どうしたいのか、ノワールは既に分かっていた。それは彼女自身も分かっていて、最後の力を振り絞って、有名なたった一言を言い出した。









葉月「・・・・・・・・た、助けて・・・・・」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ