第九十七話 世界樹に戻ろう
作るのさ、ハーレムを。
そう言って失敗したアニメの主人公がいた。だが、俺は成功した。全ては、この世界に来る時にもらったパートナー化の能力のおかげだ。
神様、ばんざーい!
つーか、もらえなきゃ絶対に異世界なんか、来なかったけどね。
そして、ハーレムを拡大する為に永遠の美少女であるエルフ族の女の子をもらいに行く。
寿命が長すぎて、なかなか子作りしなかったら緩やかに種族は滅亡に向かってました。
ってのは、言っちゃ悪いが壮絶に間抜けだと思うんだよ。森と共に生活してる癖に、植物を見習わないのは、どうかと。
植物は動けない代わりに、超アクティブに周囲を利用して種をばら撒いてるよな。
世界樹に向かうのに、空飛ぶ島は巨大すぎて威圧感を与えてしまうので遥か上空に待機。もちろん、浮遊大陸がある場所よりは低空で、パールが縄張りとしてた高度に待機させてる。
俺は空飛ぶ家で世界樹に向かった。一緒に行くのはエルフ娘二人と、俺、ライム、サァベル、リル、ミッキー、ユーリ、ナナミ、ミカエルだ。
ミカエルは地上に来るのは初めてで、広大な世界に感動してた。
「浮遊大陸の外縁部に行けば下界は見えましたけど、行く理由が無いですし見たところで住める場所かも分かりませんでしたから」
地上に降りたら自力では帰れないから、忌避されてたようだ。罪人などは地上に落とされるのが、死刑よりも重い罪とされていて恐れられていたそうだ。
そうだとすると浮遊大陸の同胞に見捨てられても、自暴自棄にならずに捕虜となった仲間の為に頑張ったミカエルは凄いものだ。そう褒めて頭を撫でたら、ミカエルは喜んでくれた。
ミカエルは見ていて飽きない。
広大な大地と海に感動してたが、それにも慣れた頃、今度は世界樹を見て驚愕してた。いや、気持ちは分かるんだ。
俺達だって、初めて見た時は驚いたし感動したからね。でも、今回のメンバーは全員が世界樹に滞在した経験があるから。ナナミは世界樹の娘みたいなもんだから例外だけども、一人で大騒ぎしてるミカエルに、全員が過去の自分をダブらせてたんじゃないかな。
「これは…こんな木が存在するなんて、空飛ぶ島に残った仲間にも見せてやりたい」
「それ、いいな。エルフを移住させたら天使族の観光でもやるか?」
「お願いします!!」
わはぁ〜と、子供みたいに目を輝かせているミカエルに、ほのぼのしてしまう。いつまでもミカエルを見ていたいが、世界樹に到着する準備をしないとな。まぁ、準備はサァベル達がしてくれるんで、やる事もないけれど。
空飛ぶ家が接近するとエルフ達が警戒してるが、俺達が甲板に出て手を振ると笑顔で手を振ってくれる。
「すぐ帰ってくるとは思わなかったから、別の奴らが来たのかと思って緊張したぞ。それにしても、もう帰ってきたのか?」
エルフにとって10年くらいは、2〜3日くらいの感覚なんだろうか。久しぶりという言葉を飲み込んだ。
見せた方が早いと思って、妊娠してお腹が大きくなったエルフ娘を見せたら、死ぬほど驚いていた。
「もう妊娠させたのか!?」
「100年後くらいかなと思ってたのに」
100年後なんて普通の人間は死んでるよ。
「若い娘を全員任せるって言ったよな? だから迎えに来たよ。それこそ、100年後にはエルフを10倍に増やしてやるよ」
妊娠したエルフ娘二人を見せた上で、豪語したら説得力あるだろって思ったけど、シャレにならないくらいの効果があったようだ。
「分かった。君と共に行く女の子を集めようじゃないか。少し待ってくれ」
「分かった。あと、すでに結婚してるか、同棲してるカップルも集めてくれ。産ませた子供の相手も欲しいからな」
「分かった。だが、そんなに乗れないだろう。大丈夫なのか?」
空飛ぶ家を見てエルフ族の長老は言った。
そうか、空飛ぶ島を知らないんだった。
長老達を乗せて、空飛ぶ島を見せたら納得してくれた。将来的に島に森を作ったらエルフに任せる事も伝えると喜んでくれた。
「アレなら安心して集められる。任せてくれ」
長老達が引き受けてくれたので、エルフ美少女のハーレム計画は一歩前進したのだった。




