第九十六話 雌伏の時
地球であれば、もはや宇宙空間と呼んでも差し支えないほどの高度へ行ったけれど、そこに住む種族と戦いになって、逃げ帰ってきた。
うん、逃げてきた。
やはり人数が足りないよ。勝てたとしても、割りに合わないし、無理矢理に占領しても維持出来ないんだよな。
だから地上に帰ってきた。
地上に戻ってやる事は一つ!!
人を増やす事なのだ。
まずは三年間、雌伏するのだ。
ちなみに三年って数字に根拠はない。
何となく、そう思っただけ。
とにかく戦力増強を図る。
そして、再び空へ!!
最初の一年目。
女帝になったキーラが戦闘用の蜂っ子を能力で産み出す事に専念して300人の戦力が出来た。
その間にサーラ、シーラ、セーラの女王が働き蜂っ子を各300人を能力で産み出して、合計900人の労働力が産まれた。
ちなみに65人も足りない理由は、他の仕事をしなければならない時があったからだ。
戦闘用は天使達97人、戦闘用蜂っ子36人を加えれば戦闘用は約450人。
労働力も今までいた蜂っ子達を合わせれば、1000人を超えた。
しかし広大な面積を持つ空飛ぶ島を開墾して生産力を向上し、人間を養うための食料を自給自足するには、まだ労働力が足りない。
何となく決めた三年って数字は、意外と正しかったようだ。だが、人間は機械ではない。それをキーラ達、四人に思い知らされた。
「毎日毎日、私達、同じ能力を使い続けて、もう嫌! 絶対に嫌!!」
「「「同感!!」」」
キーラが毎日毎日って言った時、「ボクらは鉄板」と続く事を期待してたが違った。四人が仕事してる時は、俺だって仕事してたんだ。
でも、そんな事は四人には関係ないらしい。
「仕事って買い出しに近隣の町に遊びに行ったり、他の女の子の部屋に毎晩遊びに行ったりしてるだけじゃない」
「部下の報告によると、この一年でエルフ2名、ネレイド10名、スライム娘10名が妊娠したとか」
よく調べてんなと思ったけど、考えてみたら妊娠した女の子の世話をしてるのは蜂っ子なんだから、知られても当たり前か。
「分かったよ。とりあえず、能力で分身作成をしろとは言わないから」
「それだけじゃ足りないよ!」
キーラのセリフに三人が頷く。こいつらにはパートナー化の能力を使ってるし、離反するとは思えないが……いや最初の頃は、それを恐れて結構気を使ってたんだよな。
「俺が悪かったよ。で、どうしたら許してくれるかな?」
「私達も可愛がって欲しい!!」
キーラのセリフに三人が勢いよく頷いた。それで許してもらえるならと、四人の部屋にも通うようになったら妊娠してた。
妊娠すると分身作成の能力が使えなくなるようで、その理由は分からない。分からないが、たぶん本物の分身と言える子供を宿したから、かなぁなんて思ってる。
三年計画を自らの不注意で潰したんだから自業自得だけど、代わりの計画を立てた。
まず一つ。
世界樹に戻ってエルフ娘を大量に引き取ろう計画だ。子供が産まれないらしいが、うちに来た二人は宿してる。それを理由にして年頃エルフを引き取る。男性エルフも嫌だが引き取ろう。触発されて頑張るかもしれないからな。
二つ目。
ドワーフを集落ごと勧誘する。優秀な武器、防具を作るのに、この種族は不可欠な存在だ。世界中を旅して、必要な鉱石はベティが大量に確保してくれるんだ。文句を言わずについて来るに違いない。
三つ目。
妖精を連れて冒険者をしてたセージュを仲間に引き入れる事だ。奴は仲間にしたら戦力は格段に増強される。しかも妖精が嫁みたいなもんだから、トラブルも無いだろう。
この三つの計画を実行するのだ。




