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第九十五話 捕虜

 無事に浮遊大陸から離れる事が出来て、とりあえずは安心した。しかし、ロマンを求めて地上の誰もが到達できない場所へ行ったのに、争いになるとは……。


 違う浮遊大陸に行っても、また争いになるのか。それとも今の大陸だけの事情があるのか。多分あるんだろうけど、もし、また来るなら戦力が必要だ。


 「蜂っ子達に被害はないか?」

 「負傷者は今までにないほど出てますが、死に至るような重傷者はいません」


 うん、安心した。


 「敵を捕虜にしましたが、どうしますか?」

 「よし、見に行こう」


 見に行って驚いた。

 100人くらい捕虜がいたからだ。


 「えっ!? こんなにいるのか?」

 「魔法が掠っただけでも、バランスを崩して落下、負傷した者が多いようです」

 「なるほどなぁ。飛ぶ事に憧れてたけど、大変なものなんだな」

 「私達の人数に匹敵する人数ですし、管理しきれないですから、何人か残して殺しますか?」


 それって三桁の無抵抗な人間を虐殺するか決断しろって事だろ。わりと元気な捕虜は殺すと聞いて怯えている。


 「待ってくれ。捕虜の中では私が最高位らしいから、私が責任を取る。嬲り殺してくれて構わないので、他の者は助けて欲しい」


 そう俺に言った奴は、凛々しい雰囲気の金髪美少女だった。しかも胸も大きい。俺の視線に気がついた美少女は言った。


 「私はミカエル。もし、私が魅力的に見えるなら、貴方の奴隷となって如何なる奉仕もすると約束する。だから仲間を助けて」


 他の捕虜も可愛い娘ばかりだな。

 なら助けるしかあるまいよ。


 「その意気や良し。全員助けよう」


 もちろん、パートナー化の能力は使うよ。ミカエルは勿論、捕虜の娘全員に使った。それで能力を使いながら、改めて数えたら百人に惜しくも届かない97人だった。

 翼人が能力を使ったら、種族名が天使に変化してたけど問題ない。可愛くて裏切らないなら良いのだよ。


 パートナー化の能力を使った後は、縄を解いて手厚く治療を行う。身内になった以上は、絶対に死なせないのだよ。


 ミカエルは司令室に来てもらって事情を尋ねてみたんだが、今回訪れた浮遊大陸は何年かに一度、衝突する別の大陸があるそうで、そこに住んでいる別種族と戦いになるそうだ。


 「いつか、どちらかの大陸が砕け散るかもしれませんし、もしかしたら合体するかもしれませんが、どちらにしても主導権を握る為に戦うしかないのです」


 それで俺達は敵認定されたわけか。


 ついでにパールが言った守護者たる竜について聞いてみたら、ミカエル達は知らないと言った。


 「私達の祖先は時々出会う未知の陸地に移住を繰り返したと聞いてます。そちらにはいたかもしれません」


 この空域は辺境の田舎って事か。

 この世界って、どんだけ広いんだろうな。


 事情を聞いた後は、俺の部屋に招いて親睦を深める事に専念した。ミカエルは二人きりになると、とても可愛い子だったよ。


 「仲間を率いる時は、やはり責任もありますから。貴方といる時は一人の女の子に戻れますし、気が楽なのです」


 と言ってた。



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