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第八話 能力確認

 スライムの上位種だったライムの所持してるスキルを見せてもらった。


・意思疎通(スライム種)

・身体再生(強)

・感覚遮断

・状態異常無効

・能力付与(一時的)


 攻撃と防御は残念ながら無いが、治癒する為に必要な能力があると思う。ただ回復魔法のような即効性は無いな。


 「やはり私は戦闘には向かないかな?」

 「そうだな。でも、ライムは一人で病院が出来るぞ」

 

 戦争の時に後方で無双できそうだ。


 麻痺や毒を食らった者に、状態異常を付与して治療できる。重傷者は回復魔法に任せて、それ以外の者には、感覚遮断で麻酔や痛み止め代わりになるし、身体再生で確実に治癒する訳で、これは素晴らしいだろう。


 では実践してみよう。

 

 「ねぇ、どこ行くの?」


 質問するライムの手を掴んで、冒険者が集まってる場所へ行く。いつも騒がしいんだけど、今日は深刻な雰囲気だ。


 「誰か、毒消しを持ってないか!?」

 「いや、薬草じゃ間に合わないぞ」

 「やるしかない。今日に限って解毒魔法を使える奴が出払ってるんだ」


 これは都合がいい。

 思わずニヤけてしまいそうだ。


 「おい、ウチのライムに任せてくれ」

 

 声をかけると、皆が一斉に振り向いた。

 当事者の顔は真剣で恐いくらいの表情だ。これで俺の気持ちも引き締まる。

 

 「やれ、ライム。状態異常なんざ、治してしまえ」

 「分かった。状態異常無効、付与」


 荒かった呼吸が静かになり、顔色も良くなってきた。もう大丈夫だろう。


 しかし、俺はチキンハートなので、念の為に関係者に言っておく事にした。


 「もう大丈夫。でも、念の為に解毒薬を飲ませておいた方がいいぞ」

 「分かった。これなら大丈夫だと思うが、フェイロンの言う通りにしておくよ」


 一人が毒消しを飲ませてると、別の一人がライムの手をとって何度も感謝の言葉を繰り返す。


 「駆け出しの頃からの仲間なんだ。本当にありがとう!」

 「いえ、どういたしまして」


 少々、面食らいながらもライムは笑顔で対応してた。なかなか順応力がある。良い事だ。


 この数日後にはマリアとエリックのパーティーが、大怪我をして帰ってきた。本来はもっと人里離れた場所に生息してる肉食獣が、この近辺に来てたらしい。


 「サーベルタイガーだった。あんなのが来たら開拓村なんて全滅してしまうから戦ったんだよ」


 そう言ったエリックの革鎧は、もう廃棄処分間違いなしってほど壊れてる。また足は噛まれたのか血塗れで、肩を貸してるマリアも返り血で真っ赤に染まっている。

 他の仲間も腕が折れてるのか、ダランと下がったままの者もいるし、胸を巨大な爪で引っ掻かれた者もいる。


 よく生きてたな。

 全滅しても不思議じゃなかっただろう。


 「うん、全滅すると思ったよ。本当に運が良かったのよ。ファットターキーの群れが近くにいてね」


 戦いの音に驚いて逃げたらしい。それを見たサーベルタイガーは追いかけていったので、その隙に逃げてきたとマリアは言う。


 「より高いレベルの冒険者を派遣して下さい。俺達じゃ、とても歯が立たない」

 「分かった。あとは任せろ」


 ギルマスが強い冒険者を手配する為に、その場を立ち去ると気が緩んだのか、怪我をした者達が呻き声をあげる。


 「困ったなぁ、魔力が回復してないから魔法が使えないよ」


 マリアが困ってたので、ライムに応急処置を任せてもらう事にした。


 「感覚遮断、付与。身体再生、付与」


 感覚遮断を付与した途端に、怪我をした者からは「痛みが消えたぞ!」と歓声が上がる。

 なので痛覚を遮断しただけだから、無理しないようにと注意しなければならなかった。


 「痛みが消えただけでも、ありがたいよ」

 「小さい傷はマリアの魔力が回復するまでに治ると思うが、安静にしてろよ」

 「了解だ」


 エリック達は少し休んでから、宿に戻ると言うので観察させてもらったが、ギルドにいる間に小さい傷は治っていた。

 大きな爪痕は傷口が盛り上がり、傷痕こそ残ってるけど問題ないレベルまで回復していた。


 さすがに折れた腕や、噛まれたエリックの足は回復とまではいかなかった。多少は良くなった程度か。


 でも、これなら十分に実用レベルだと思うし、その場にいた連中にも太鼓判を押されたよ。

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