第四十九話 戦闘中2
残った航空戦力は妖精180人。攻撃力が10%減少したけど問題無し。進軍中に崖に挟まれた谷底みたいな道があった。
それを見た時に思い出したのが、テルモピュライの戦いだ。映画のスリーハンドレッドの元ネタの戦いなんだけどね。
大軍の利が活かせない狭い地形を利用して、スパルタ軍がペルシア軍をコテンパンにやっつけたんだよな。
スパルタの戦士がまた強くて、まさに一騎当千で、敵を薙ぎ倒すシーンはスカッとするんだ。
ただ、問題は。
俺達がペルシアの役割をやらされるのが、気に入らないんだよな。サァベルとリルも狭い場所での戦いは厳しいようだ。
「フェイロンさん、サァベルさん達を撤退させて下さい」
妖精がセージュの言葉を伝えてきたので、すぐに二人を退却させる。すると二人が退却してから、すぐにセージュが魔法の一撃を狭い道へ叩き込んだ。
守るには良い地形だけど、魔法攻撃されたら狭くて逃げようがない。
「サァベル、リル、ミッキー、キーラ。狭い道を抜けた向こう側にいって橋頭堡を築くんだ!」
これに蜂っ子と妖精達が続き、更に少し遅れて冒険者が続いた。もちろん俺も行く。
「フェイロン! まだ、こっち来ちゃダメ!」
蜂っ子の一人が妖精二人を抱えて、こっちへ飛んでくる。さらに後続の蜂っ子が妖精を連れて来た。妖精は血塗れで、ぐったりしてる。
ユーリが慌ててヒールをかけるが、傷は癒えても意識は戻らない。
「どうした。何が起こってる?」
「私達が狭い通路を抜けるタイミングで投石されたんだよ。すぐに散開したけど不意を打たれて、かなりやられたよ」
そう言う蜂っ子も、腕が力なく下がってる。
「お前もケガしてんだろ? 休んでろ」
「ダメだよ。女王蜂がいるんだよ。働き蜂が下がれるわけないよ」
キーラを守るためか。
普段、俺に妊娠させちゃえ、一発やっちゃえって煽りまくるから、わりとどうでも良いのかなって思ったけど、大事にしてるんだな。
「よく聞け。キーラは、お前達の女王蜂かもしれないが、俺はキーラの王様だ。その俺が言うんだ。休んでろ!」
「・・・うん、わかった」
お、気を失ったか。
後方に妖精を連れてきた奴は、全員が重傷だったので強引に休ませた。しかし、ここにきて妖精が30人くらいで、我が家の蜂っ子も10人が戦線離脱とはね。
サクラとスミレが来てくれたので、倒れた者達の治療を頼んで、この細い道を通り抜けた。
やたらに広い所へ出たな、と思った瞬間に足元にボーリングの玉くらいある石が落ちてきた。こんなの、まともに頭にでも当たったら死ぬって!
俺が来たのを見つけた蜂っ子が五人ほど来てくれた。俺に飛んでくる投石をニードル攻撃で粉々に粉砕してくれるので安心だ。
周囲を見ると、前方にいくつかの低い山があって、そこが鉱山のようだ。最初に戦った場所は、それなりに広かったけども、谷底を抜けたこの場所は更に広い。
戦場は全域に広がってるが、ゴーレムはこちらへ移動しようとする傾向があるようだ。そんな中でサァベル達が戻ってきた。
皮鎧はボロボロになり、手や足は内出血で変色している。武器は廃棄するしかないくらい破損していた。すぐにユーリが回復魔法をかけるが、疲労は溜まってる。
「お疲れ様。みんな少し休むといい」
ライムはミッキーに異次元倉庫の入り口を開けてもらうと、簡単な食事と飲み物を準備してくれる。
サァベル達が食事をしてる中で、戦場は妖精達がゴーレムを吹き飛ばしてるのが見える。冒険者達も妖精と連携しながら確実に破壊していた。
これならサァベル達が復帰するまでは大丈夫だろう。




