第四十六話 鉱山都市
砦を出発して三日も旅すれば鉱山の城へ到着するのだが、今回は城には行かないで最前線の鉱山都市へ直行する事にした。
なので、砦を出て五日ほどで都市に到着した。城へ寄らなかった理由は、またトイレ改善に勤しむ自分達が見えたからだ。
この砦から都市までの五日間で、蜂っ子が五名生まれた。みんな中学生タイプで胸が大きい。密かに気に入っている。これで旅に参加する蜂っ子は15人、合計で70人に増えたな。
都市に着くと、とにかく目につくのは冒険者の数だ。どれだけいるのか分からないくらい。中央都市だけじゃなく、他の都市からも応援が来てるようだ。
そして大なり小なり怪我をしてる奴が多い。これだけの冒険者が参加して勝てないって、どうなってんだか。
冒険者ギルドへ向かうと、ギルマスが迎えてくれる。他のギルマスがクマかゴリラみたいな風貌をしてるのに、ここのギルマスは優男だ。
「リチャード・フレイアーだ。よろしく頼む」
挨拶を交わすと、早速会議室に連れて行かれた。テーブルに地図を広げてギルマスが説明を始める。
「新しい鉱山を開いて採掘を始めた。最初は順調で、様々な鉱物資源を取る事が出来た。
それが突然、ロックゴーレムの大群が出現したのだ。それに関わった者は全員死んだので何を見つけ、何を行なったのか、まるで分からない。
冒険者を雇いロックゴーレムを破壊しても、また出てくる。一進一退の攻防を繰り広げていたのだが今度はアイアンゴーレムが現れた。
こちらは敗れて撤退し、最初の鉱山付近にあった他の鉱山も奪取されてしまった。幸いな事に、それ以降は進撃を止めて現在に至っている。
だが、斥候の報告によればミスリルゴーレムが現れたらしく、あれが大量に現れたら、もう二度と近寄れなくなってしまう」
何とかして欲しい。
そうギルマスは話し終えた。
原因は、例えば古代文明が残したゴーレム製造の機械とか、魔法装置を作動させてしまった。なんて事だったり?
ミスリルゴーレムは中央都市のギルマスにも言われたが、触ってしまえば何とかなる。だが、そこに行くまでが大変だ。
何しろ俺はレベルが低いから、ミスリルどころかロックゴーレム相手でもマズイ。
「セージュ・ベルッドが来るまで待ちましょう。遠からず彼も来ます」
そうギルマスに提案したが、一刻も猶予は無いと難色を示された。おかしいな、俺の事を聞いていても、奴の事は聞いてないのか?
セージュは400人も妖精魔導師を抱えてる冒険者だと説明したら驚いていた。まだ200人だっけ?
セージュが来るまでの間、重傷者はユーリに治療させて、軽症の者はライム達に治療を任せる事にした。
蜂っ子達の5人は街道の監視を任せた。三人はゴーレムの動向を監視させている。ギルマスの斥候と一緒に行動して、万が一の時には飛んで知らせに来る手筈となっている。
もう二人はセージュ達が来るのを見張らせていた。セージュに会えたら、一人は都市に来るまでに状況説明、もう一人はセージュ到着を知らせる役割である。
残り10人の蜂っ子は食事の炊き出しなど、雑用を引き受けていた。
「私達も何かやる事はありませんの?」
「ボク達、暇なんだよね」
サァベルとリルが俺に言いにきたが、今は英気を養っておくようにと言い含めておく。二人とも不満そうだったので、尻尾の付け根をポンポン叩いて宥めておいた。
到着してから10日経過した頃、負傷者はいなくなった。キーラは毎日、分身を生み出して更に10名が増えた。これで合計80人となる。
この10名は最前線付近に、防御壁の製作や簡易的な宿舎などを建築している。ミッキーは資材を運ぶ為に一緒に行った。
この防御壁と簡易宿舎が出来上がると、冒険者が最前線へと移動していく。
自分達の鉱山の為に冒険者が来ているとは言っても、治安の問題もあって行政は頭を悩ましていたようだが、蜂っ子の建築技術を聞いて炊き出し要員を出してくれた。
炊き出しから解放された蜂っ子10人は、最前線での土木・建築に従事したので、作業は加速度的に進んでいくのだった。
そんな時に、エルフィンと再会した。エルフィンは草原の城へ行った時の仲間だ。彼女に宿泊してる宿屋に案内されて、エリックとマリアにオルソンとミリーシャにも再会出来た。
エリックがリーダーを務めるパーティーは、最初の事件の発端となった坑道に入れないかと、侵入経路を探してたそうだ。
「結局、見つけられなかったよ。空から行かない限り、無理だと分かったよ」
と、エリックは自嘲混じりに言った。




