第四十四話 選抜
サァベルとリルを連れて、元は酒場だった場所に行くと、全員が揃って食事の支度をしていた。サァベルとリルも手伝いにいく。
俺?
俺は何もやらない。
というか、やらせてもらえない。
俺はこの集団の長だから、やらなくて良いと言われたんだよね。最初はラッキーと思ったよ。人数が少ない時は、色々やったし。
でも、今は手伝いをさせて欲しいと、切に願う男になったのだ。だって考えてみて欲しい。家事を甲斐甲斐しくやってんのは蜂っ子なんだ。
見た目が小学校の高学年から、中学生までの女の子なんだよ。子供にやらせて、ふんぞりかえる大人が俺なんて嫌すぎる。
でも、やらせてもらえない。だから諦めた。
開き直りって大事だよ。
配膳が終われば、あとは当番の蜂っ子の「いただきます」の掛け声と共に食事開始だ。男の子がいたら、ずいぶんと騒がしくなるのだろうが、ここは大人びた美少女しかいない。
ある程度、食事が進んだのを見計らって、みんなが見える位置に歩いていくと、全員の視線が俺に集まった。
「食事をしながら聞いて欲しい。
色々な場所で小耳に挟んでるかもしれないが
今、西の鉱山都市でゴーレム討伐を
行っている。
残念な事に状況は悪く、解決の目処は
立ってないそうだ。
それで俺もギルマスに行くようにと
指示された」
やっぱり行く事になったんだ。俺の近くにいた蜂っ子達は、そんな感じで話している。そんな中で誰かが挙手をしたので、「どうぞ」と声をかける。
挙手をしたのはスライム娘のスミレだった。こうして見ると美少女なんだよな。でも、地味な印象が強くて、何でだろう?
「私達も一緒に行けますか?」
「仕事を考えると全員は無理だと思う。
だからスライム娘から二人
蜂っ子から五人を連れていくつもりだ」
スライムは現地採用できるし、蜂っ子も能力で増やせるから最低限の人数で大丈夫だろう。嬉しい誤算は全員が参加を希望したことかな。
誰を選ぶかで苦労した。
スライム娘からはサクラとスミレを選んだ。理由はサクラは治癒の技術で非常に優れていた事で、スミレもサクラほどではないが優秀だし、何より一人手を挙げて質問したので目立ってた。
「やはり普段から話しかけて覚えてもらわないと・・・」
他のスライム娘が悔しがってる。
ごめんよ、次はお前達から選ぶから。
蜂っ子達からは中学生くらいに見える発育の良い子を選んだ。その方が力が強かったり飛ぶのが速かったりするからだ。
だが、それでも30人くらい残ったので、密かに胸の大きさで決めた。
「あ〜、やっぱりダメか〜!」
「最後は、おっぱいで決められたぁ〜!」
何故、バレた!?
「貧乳は死ねってことなんだね・・・」
ヤバイ雰囲気が蔓延してきたので、乳に貴賎無しと演説をかますハメになった。だが士気は上がったので良し。
今日の夜は蜂っ子のなかでも小さい奴五人と、一緒に寝る事になったが性的な意味は無い。ちなみに寝た時の感想は温かくて気持ち良かった。
一言で表現すると湯たんぽみたいだった。
翌日、ミッキーに物資はどうなったか聞いてみた。
「大丈夫! 必要な量は確実に揃えたよ。でも、これはギルドマスターさんが手配してくれたおかげかもね」
ギルマスは、そんなに早く俺達を鉱山都市に追いやりたいのか。まぁ、俺達がジャイアントキラービー壊滅作戦に参加する前から、ずっとゴタゴタしてたもんなぁ。
「それじゃあ、出発だ! みんな留守は頼んだぞ!!」
いってらっしゃーい♫と合唱する蜂っ子達。
寂しそうな顔を見ると、後ろ髪を引かれる思いだが、仕方ないんだよ。
なんかこう、たくさんの人間が乗れるような乗り物は無いかな。元の世界の旅客バスみたいな乗り物が良いんだが。
それを今後の課題としてみようか。
読んで下さって、ありがとうございます。




