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第四十話 蜂っ子の仕事

 リーフレットを見送った後、早速部屋割りを決める事になった。外見はボロいけど、室内はしっかりしていて十分だと思える。


 俺は一階の奥にある一番広い部屋をもらった。ベッドはキングサイズにしてある。サァベルやリルが潜り込んでくるからな。


 俺の部屋の近所は古参メンバーが取った。ライム、サァベル、ユーリ、リル、ミッキー、キーラの七人だ。少し離れた部屋はスライム五人組の部屋がある。二階の部屋は蜂っ子達の部屋になった。


 「お金を下さい」


 蜂っ子の一人がお金を要求してきた。何を買いたいのか聞いてみると。


 「左官の道具と、モルタルとか色々です」


 どうやら宿屋の外壁の補修工事をするつもりらしい。お金を渡すと、嬉しそうに受け取って部屋を出ていった。


 「お金を下さい」


 別の蜂っ子がお金を要求してくる。今度は何を買うつもりなんだろうか。


 「食器とか鍋とかフライパンです」


 食事をするのに食器が足りないらしい。もちろんお金を渡す。やっぱり笑顔で受け取り、部屋を出て行く。


 これ以外にも、掃除用具の代金や、蜂っ子達の普段着や作業着など服類の代金も要求された。


 これまでパートナーから積極的に金銭を要求された事はない。初めてのパターンなので、いささか戸惑っている。


 サァベルやリルは、ちゃんと買い物できるか心配で、離れた位置で見てたらしい。

 しかし左官に必要な材料を見ても、きちんと吟味して良い物を選んで店の者を唸らせていたらしく、二人は安心して帰ってきたそうだ。


 「私達より、しっかりしてましたわね」

 

 と、サァベルは語ってくれた。


 炊事、洗濯、掃除も実に手際がいい。宿屋の外壁も完璧に仕上がっており、近隣の住人から職人を紹介して欲しいとまで言われてしまった。


 「私の姉妹達はどうかしら?」


 キーラに聞かれたので、「最高だ!」と短く答えると、キーラはニンマリ笑いたいのを無理に抑えて、「まぁ、当たり前のことをしてるだけなんだけどね」と答えた。あ、ドヤ顔になった。


 「でも、キーラは何も出来ないよな?」

 「私の仕事は指図する事だもの。さぁ〜、ガンガン行こうぜ〜って言うのが仕事なの」


 ふ〜ん、女王蜂だもんな。

 そう納得してたら、近くで洗濯物を畳んでた蜂っ子が、キーラをみてため息をついた。そのため息をつく様子も愛らしい。


 「どうした、ため息ついて」

 「お姉さまが間違えたことを言うので、つい」

 「私が間違えた? どこが?」


 蜂っ子はキーラの前に正座すると、咳払いをして間違いを指摘する。


 「お姉さまの仕事は、指図することではありません」

 「ええッ!?」

 「お姉さまの仕事は、子供を産む事です」

 「分身作成は、まだしなくていいって」


 確かに言ったかも。

 ただ、ギルド経由で家事、土木、育児の依頼が来てるから増やしても良いかもしんない。


 「分身作成では、私達と同じ子が産まれるだけです。そうじゃなくて、お兄ちゃんから子種をもらって産んで下さい」

 「待ってくれ。それだと何が変わるんだ?」

 「近衛が産まれます」


 近衛って何だ?


 「私達が一般兵だとしたら、近衛は将軍や軍師です。近衛が私達に命令します。お姉さまの仕事は子作りです」


 蜂っ子は俺を見た。


 「お兄さま。早くお姉さまに一発仕込んで下さい。お兄さまの部屋は防音が万全ですから、お姉さまが泣き叫んでも大丈夫です!」


 そんな強引にやって恨みを買うような事は、ちょっと勘弁して欲しいです、はい。


 「お兄さまもヘタレですか。残念です」


 なんか、可愛いのに恐いな。

 キーラは可愛い妹と思ってた存在が、キーラを強姦してしまえと煽った事にショックを受けたようだ。


 でもまぁ、それを俺が断った事で、キーラの俺に対する信頼度は爆上がりである。

 しかし、こうなる事すら、蜂っ子の思惑のうちなのでは、と思う。

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