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第三十三話 キラービー殲滅作戦

 俺とギルマスとセージュは、妖精のリナが魔法で出した異空間の入り口を通って、その先にある屋敷で作戦会議を行った。


 ちなみに、この屋敷に来る為の魔法は、妖精の里って名前らしい。


 まず、作戦決行は一週間後の正午となった。夜中に仕掛ける案もあったのだが、キラービーを陽動するのに、夜中では追ってこないのではとの懸念が出たからだ。


 第一段階 陽動作戦

 ギルマスが指揮する冒険者部隊が巣に魔法攻撃、及び火矢を射る。キラービーが巣から出たのを確認したら、後退しつつ囮となって敵を引きつける。


 第二段階 砲撃

 妖精達全員で長距離射程の魔法攻撃を仕掛けた後、全妖精が出撃して飛び出してきたキラービーと空中戦をやる。


 この時に全員出撃に妖精から反対の声が上がった。直掩を5〜10人残せと言うのだ。

 彼女達からしたらセージュは大切な存在だから、仕方がない。だが様子を見て、大丈夫と判断したら出撃すると約束した。


 なお、妖精出撃前にライム、ユーリは妖精達に能力を使って支援を行う。



 第三段階 隠密作戦

 サァベル、リル、ミッキー、ライムは地上にて遊撃を行う。地上付近を飛ぶキラービーの殲滅と、負傷して落ちてきた妖精の回収。


 第四段階 残敵掃討

 目に見えてキラービーが減ったのを確認したら、巣へ突入し女王蜂を倒す、


 こんな感じで作戦はまとまった。もし、こちらの想定以上にキラービーが強く、作戦開始早々に二割の妖精が倒されたら、ユーリが結界を構築してやりすごし、撤退する。


 

 そして一週間後


 

 俺達はキラービーの巣が見える場所に、本陣を構えた。200を越える数の妖精が、戦闘用の軽装鎧と盾、杖を装備して待機している。


 セージュは材質が何か分からない細長いヒモを何本も握っていて、妖精達はそのヒモを掴んで待機していた。


 セージュの持つヒモに、妖精が鈴なりになってる。これに何の意味があるのか、リナに尋ねたら快く教えてくれた。


 「あのヒモはね、魔力を良く通すの。私達はヒモを通してセージュから魔力を吸収するんだよ」


 ほら見て、とリナが示す方向にいる妖精は、身体が光り輝いている。髪の毛一本に至るまで、魔力が満ちてるようだ。


 魔力が満ちた妖精はヒモから離れて、空中に浮いている。そこにライムが身体再生と異常無効を付与していく。

 さらにユーリが全能力上昇をかけていく。自分の身体能力が、ありえない程に上昇してるのを感じ取った妖精達の表情は明るい。


 こちらの準備が完了した頃、ときは既に作戦開始の5分前であった。


 「何とか間に合ったなぁ」


 セージュと苦笑いした。十分に余裕はあったはずなんだけど、まぁこんなもんだよな。


 妖精達の直掩部隊も頭上3メートルくらいの位置に待機してるが、リナだけはセージュの肩に乗っている。


 そのリナが作戦開始を告げた。


 「正午だよ。生きて、また会いましょう。作戦開始!!」


 リナが言い終えた瞬間に、キラービーの巨大な巣から爆発音が轟いた。俺には見えないが、目の良いサァベルが、火矢が巣へ飛んでいると教えてくれた。


 そして今度は俺にも見える。巣から黒い霧のようなものが見えた。あれはキラービーの大群だろう。100か200か、あるいは、それ以上いるだろうか。


 それが俺達とは反対側へと飛んでいく。


 大丈夫かな?

 思っていた以上の数が、ギルマス達の方向へ飛んでいったけれども。


 こちらからキラービーの大群が見えなくなってから、俺は叫んだ。


 「第二段階!!」


 200人を越える妖精達が、俺の声を聞いて両手を前に出した。両手の平に丸い光りが現れた。


 「照準合わせ! 目標キラービーの巣! 用意! 撃てッ!!」


 リナが号令が響く。

 直後に光の弾丸が巣へ飛んでいく。

 わずかなタイムラグの後、着弾した音が連続して聞こえてくる。


 「気に入らないなぁ」

 「何が?」

 「妖精達の攻撃を受けたら、巣はもっと破壊されてる。なのに、あれしか破壊できない」


 いや、結構穴だらけになってるよ?


 「まさか、ジャイアントキラービーの上位種じゃないだろうな?」


 まさか、ね。

 それよりも、その穴だらけの巣から、雲霞の如く、キラービーが沸いてきたぞ。さっきの囮を追ったのなんか比べ物にならない数だ。


 

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