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第三十話 ユーリの金儲けと異国の冒険者

 中央都市に帰ってきて半月ほど過ぎた。魔術師の仲間は増えてない。つーか、俺のパートナーに対する下心丸出して来る奴が多すぎる。


 エルフィンがいたら良かったのになー


 それから家を借りる件は、うやむやになった。理由はギルドが個室を人数分貸してくれたからだ。最初は金があるんだから貸さないと言ってたのにな。


 原因はユーリだ。


 ギルドで回復魔法を使って、冒険者相手に治療屋をしてたが、噂を聞いた商人などが、ギルドへ治療の依頼をしてくるようになったそうだ。

 依頼料で儲かるので、俺達に部屋を貸してくれる気になったらしい。


 そのユーリは儲けたお金を、俺に全額渡してくれる。だから冗談で言ったんだ。


 「この金で風俗行けば、思いきりエッチな事ができるぞ」と。


 そしたらユーリの奴、ホントに行きやがった。行って性病を治療して、風俗店のオーナーから多額の謝礼をもらって帰ってきた。


 「店で働いてる娘は借金返済の為に働いてる訳だし、年季が明けたら自由になりたいとか、故郷に帰りたいとかあるんだよ。

 なのに、性病で命を落としたりする。可哀想じゃないか。

 店のオーナーも女の子が稼げる時に稼ごうと酷使してるわけでね。

 だったら病気を治療してやる代わりに、もっと緩やかなスケジュールで働かせてやればと思ったんだ」


 それは、今のユーリにしてやれる良い事だと思うけど、ユーリの旨味は無いだろ?


 「触診と称して、散々に触ってきたよ。色っぽい声で鳴いてくれるし、楽しかったなー」


 そーですか。

 なら、良いんですけどね。


 二、三日したら、今度はライムを連れて風俗に行きやがった。変な遊びを教えんじゃねーよと文句を言ったんだけど、ライムに止められた。


 「店で働いてる女の子って、危ない毒を肌に塗るんだね」


 女の子が使う白粉は毒物らしい。これは毒素が溜まり、限界を越えると異常が出るそうで、ユーリの回復魔法も効かないんだって。

 それでライムの状態異常無効を付与して、毒素を消去してるそうだ。さらに不潔な風俗店の店内をスライムを配置して清潔にしたそうだ。

 さらに性病を持った客を格安で治療した事で、店の売り上げは鰻登りだとか。


 謝礼金が凄い額になった。

 しばらく遊んで暮らせるな。


 でも遊ばない。冒険するんだ!

 まだ見ぬパートナーを探すのだ。


 後に、ユーリは風俗界の中興の祖、風俗の女王と呼ばれる事になるのだが、ユーリはそう呼ばれるのを嫌がっている。


 




 ユーリとライムが稼いでくれたので、依頼を選ぶ余裕があって助かる。俺のことを便所成金とか呼びやがった先輩様のパーティーは、西の鉱山都市に出発したよ。


 鉱山都市の依頼はゴーレム討伐だが、かなり苦戦してるらしい。硬くて強くて手強いのが、次々と湧いてきてキリが無いようだ。

 

 エリック達は、その原因があるはずだと討伐から原因の探索へと切り替えたらしい。正しい判断だと思う。俺ならゴーレムをパートナーにして、直接原因を聞きだすかな。


 「フェイロンよ」

 「なんですか?」

 「紹介したい奴がいるんで来てくれ」

 

 ギルマスに呼ばれて、会議室に入ると一人の男と妖精がいた。妖精を見たのは初めてだ。

 元の世界のアニメの影響だと思うけど、妖精の身長って20〜30センチくらいだと思ってたんだが、この妖精はその倍くらいあるようだ。


 「こちらは東の大陸の冒険者だ。名前は」

 「セージュ・ベルッドです」


 そう名乗った冒険者は、海外の日系人三世みたいな顔立ちをしていた。

 

 「俺はフェイロン。よろしくお願いします」

 『貴方は異世界人ですか?』


 セージュとか言う冒険者は、いきなり日本語を喋って、俺を驚かせたのだった。

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