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第二十九話 中央都市

 「中央都市よ。私は帰ってきたァ!!」

 「なんで、叫ぶの?」


 雌伏すること三年、ついに敵に一矢報いた軍人を知らないなんて、これだから異世界人は困るんだよ。


 まぁいいや。


 出発する時は、俺とライムとサァベルの三人だったが、今やユーリ、リル、ミッキーが加わって戦力は倍増したのだ。

 

 まずはギルドへ戻るか。

 自分の部屋もあるし。


 「よう、おかえりトイレ伯爵」

 

 冒険者ギルドのマスターは、俺を見るなり、そう言った。何故知ってるのだ。


 「よう、便所成金。久しぶりじゃないか。ちったぁ奢れよ」


 今度は冒険者の先輩かよ。

 確かに稼いだけど。

 便所成金はないだろ。悪意たっぷりに言いやがって。せめてスライム成金と言えよ、こんちくしょーめ。


 でも、奢ってやるよ。ギルドの酒場にいる全員にな。盛り上がる酒場をあとにして、久しぶりに部屋に戻った。

 しかし、部屋はベッドがあるだけで、とくに私物がある訳でも無い。そんな俺の部屋に六人がいるのは異様な光景だ。


 「ミッキー、異次元倉庫を出してくれ」

 「わかりました」


 全員で倉庫に入ると実に広く感じた。三畳間とその十倍では違うよな。


 「ここに住むか」

 「えッ!?」


 ミッキーが驚いたあと、不満そうな顔で俺を見ている。


 「不満か?」

 「困った時に使うのは仕方ないけど、あたしの倉庫は宝を保管する為にあるの。生活のためじゃないの」


 正論だな。

 

 「フェイロン怒った?」

 「いや、怒ってない。怒るわけがない。ミッキーの言や良し。宝箱の中で生活しようと言った俺が馬鹿なのだ!」


 ギルマスに、あと三部屋を借りれないか聞いたら、金を稼いだんだから、自分で家でも借りろと言われてしまった。


 じゃあ物件を探すまでの部屋を決めるか。


 サァベルとリル、ライムとミッキー、俺とユーリに決めた。この決定にユーリは嫌がるだろうと予想してたが、サァベルまでが嫌がった。


 「私がフェイロンと同じ部屋になりたいのですわ」

 「それはいい! 私は喜んで譲るよ」


 そういやサァベルは一緒に寝たがってたな。だが俺は心を鬼にして断る。


 「何故ですの!?」

 「ユーリを他の娘と同室にしたら、貞操の危機だからだ」

 「そんな大袈裟な。私はスキンシップを楽しむだけだよ」

 「じゃあ、そのスキンシップを、俺と楽しもうか」

 「絶対に嫌だッ!!」


 語るに落ちたな。男にされたく無いことをやる気だったか。こんなユーリを見て、サァベルも渋々だが納得した。

 俺もデカイ猫みたいに懐くサァベルと一緒に寝たかったよ。湯たんぽみたいに温かいし、いい匂いがするし。


 部屋割りを決めてから、次の依頼を決めるまでの間に、俺は不在の間に流れてきた漂流物のチェックを行った。


 ライムは一人で都市を歩き回ってるようだ。そんなに治安は悪くないが、心配なのでリルとミッキーを護衛につけた。

 ライムにはリルとミッキーに都市を案内してやってくれと言ってある。


 「で、ライムは何をやってんだ?」

 「都市で生活してるスライムに問題ないか聞いてるんだって」


 リルは教えてくれた。

 ライムの奴、アフターサービスも万全だな。

 半年くらいしたら、草原の国へスライムの生活状況を調査しに行きたいとか言いそうだ。


 ユーリは回復魔法を使って、冒険者相手に格安で治療する商売を始めた。若い女性冒険者で胸に痼りがある場合には、念入りに治療してるようだ。


 乳がんとかの早期治療になってんのかな?


 でもユーリの場合、絶対におっぱいを触りたいだけだと思う。

 

 そういえばエリック達を見ないと思ってたら、彼らは西の鉱山都市に行ったそうだ。ゴーレム系モンスターが急増したので、その討伐依頼を受けたそうだ。元気にやってれば良いけれど。


 そういえば、うちは魔法使い系がいないんだよなぁ。エルフィンみたいな女の子が仲間になると嬉しいんだが。


 今後の目標は自分達の家を借りる。魔術師を仲間にする。の二つかな。

 

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