第十六話 草原の国へ入国
翌日、俺達三人は武器と防具の店に行った。この世界に来て、初めて他の国へ行くのだ。装備は買い揃えないと。
防具については三人とも革鎧を購入した。前線で戦うサァベルだけは、金属片をつけた防御力の高いものを装備してる。
武器は俺とライムが普通の片手剣で、二人とも盾も装備する。サァベルはパワーがあるので両手剣装備だ。
だが、両手剣は通常戦闘の時だけで、ヤバイ奴を相手にする時は、鋼で製作された手甲を両手に装備して能力を駆使して戦うのだ!
これなら大丈夫だろう。
武器や防具を買った後は、旅に必要なものを購入していった。
ギルドの仲間が
「アレは持ったか? コレは用意してあるのか?」
と、母ちゃんかと思うくらい、やかましい。
でもまぁ、それだけ心配してくれてんだと思えば、ありがたいか。
更に翌日、東門でマリアやエリックと合流する事が出来た。マリアとエリック以外に、オルソンとミリーシャ、エルフィンがいた。
オルソンは均整の取れた筋肉質の男性で、燃えるような赤い髪をした男臭いハンサムな剣士だ。
エリックがスピードを活かした斬撃で、切り刻むとするなら、オルソンは一撃必殺の攻撃を叩き込む。好対照な二人だ。
そして大事なのは、こいつがマリアの処女を奪った疑惑をかけられた事だ。ウチの大事な二人に手を出すようなスケベか、見極めなければ!
ミリーシャは栗色の髪を肩まで伸ばした神官戦士の美少女で、俺達と同じ革鎧を装備してる。武器はヘビーメイスだ。これで殴られる奴に心底から同情するね。ミリーシャの特技は回復魔法で、マリア以上の腕前だそうだ。
そのマリアが密かに教えてくれたけど、ミリーシャはエリックと恋仲なんだってさ。
エルフィンはエルフ族で非常に美しい。輝くような金髪を腰まで伸ばしてる。切れ長の目に黒い瞳の美人だ。惜しいのはスリムで身体の起伏が薄いこと。だが、この感想は誰にも言わずに墓場まで持っていくつもりだ。
エルフィンは弓と魔法、とくに精霊魔法が得意なんだと言っていた。
この5人に俺達3人が加わって、8人で出発する事になった。道中は年齢の近さもあって、かなり楽しく話をした。
それで分かったんだけど、オルソンって良い奴だった。なんで、そんな良い奴がマリアに関する不名誉疑惑に名前が出たのかって、オルソンしか他に男がいないからだった。
二日ほど街道を歩くと砦が見えてきた。
この砦までの土地が、中央都市の領土だと聞いている。この砦から向こうが草原の国と呼ばれているんだ。
「よう、また来たな。今回は何をしに行くんだ?」
「また依頼を受けたのです。これが依頼書」
「おう、これか。ご苦労様。よろしく頼むよ。ところで、そっちのお前ら、あまり見ない顔だな?」
「この三人は新人なんですよ」
「そうか。頑張れよ」
エリック達は、わりと顔馴染みのようで笑顔で会話してる。何回も砦を通って依頼を解決して、信用を得たんだろうな。
そのおかげで、俺達三人もすんなりと通る事ができた。
ちなみに俺達は草原の国へ行くので、そちらの国の兵士が対応したが、逆の場合は都市側の兵士が対応するそうだ。
砦を通り抜けて、丘を越えたら、どこまでも続く草原だった。一面緑の大海原のようだと思ったよ。風で草が靡く音が潮騒のように、草が靡く様がさざ波のように思えて感動してしまう。
モンゴルへ行くと、こんな感じなのかな?
「フェイロン、異国の景色は見て飽きないだろうが、そろそろ行こう」
「悪いな! さぁ行こう」
凄い景色だった。
これが観光だったら、どんなに良かったか。
こんな広いところで原因究明。
できたら解決って、どこからやりゃあ良いんだよ。気が遠くなってくるよなぁ




