表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/139

第十五話 依頼の内容

 ギルマスに招かれて、別の会議室に行くとマリアとエリックがいた。


 「久しぶり!」

 「活躍してるようだね!」


 それぞれに声をかけてくれる。でも、活躍と言っても冒険はしてないんだよな。異世界の物品の鑑定作業、というより、ほとんどレシピ本の翻訳だったしなぁ。


 「何を言ってるんだよ。他の冒険者の解毒したり、俺達を回復してくれたじゃないか」

 「それをしたのはライムだよ。俺じゃない」


 そう答えて隣にいたライムの首に腕を回して、引き寄せる。ライムがすげーんだ。


 「それに俺は二人に命を救われたんだ。まだ借りは返してない」


 そう言うと、二人は気にしなくて良いのに、と笑った。

 だが、そうはいかん。この俺は、受けた恩は必ず返すのだ。必ず、な。ふはははは!


 悪役っぽいですわよ。と小声でサァベルに囁かれた。気をつけよう。


 「ところで、そちらの女性は新しい仲間?」

 「あぁ、こいつは・・・」


 一気に血の気が引いた。幻聴だと思うがザーッという引いてく音まで聞こえた。サァベルを見ると、「ぁ」と声を出したまま絶句してる。ライムもオロオロして狼狽えている。


 サァベルが大怪我させたのって、エリック達じゃないか。あの時のサァベルは純然たる肉食獣で、悪意は無かった。

 

 食欲はあったかもしれないけど。


 「わ、私は、サァベルと申します。よろしく、お願い致します」

 

 エリックとマリアも自己紹介しつつ、にこやかに挨拶をしている。気まずいのか、サァベルが視線で助けてと訴えてくる。


 「挨拶はその辺にして席に座れ。依頼内容について話すぞ」


 助かった、とサァベルが感謝の視線をギルマスに送った。俺以外の人間に、こんな目で見られたのってギルマスだけだな。


 さすが顔が恐いだけの事はある。全員が着席したのを見てギルマスが口を開く。


 「今回の依頼は調査だ。

 場所は東の草原の国、調査内容は行方不明のユニコーンを探してもらう」


 なんでユニコーン?


 「草原の国は牧畜の国、なかでも馬の生産に力を入れてるんだが、良質な馬を作る方法としてユニコーンやペガサスと配合するそうだ」


 そのユニコーンやペガサスが盗まれた?


 「ユニコーンやペガサスは飼えない。奴らは英雄とか、美しく清らかな乙女だとか、そんな連中がいないと逃げちまうよ」

 

 じゃあ、どうやって配合してんだ?


 「選りすぐりの美しい牝馬を牧場に数日間放置しておくんだとよ。そうすると、向こうから勝手に来て、思う存分種付けしていくそうだ」


 それが来なくなったから、原因を調べるってことか。あれ、ペガサスは良いの?


 「ペガサスは元々レアな存在で滅多に来ないし、翼があるから行動範囲が広い。だからユニコーンだけで構わない」


 了解!


 しかし、ユニコーンって処女厨のスケベ馬なんだろ? じゃあ、来たくなるようなエサを用意したら良いんじゃないか。と言ってみた。


 誰が良いかと俺の視線が彷徨う。

 ライムとサァベルは論外。だって俺の能力で人間になってるんだし、生粋の人間じゃないと。


 そうなると、マリアか。


 俺が見たせいか全員の視線がマリアに集まる。


 「え? なに? 私!?」


 マリアは狼狽えて首を横にブンブンと振りながら断った。


 「私なんかダメだよ! そんなの無理だってば!! そんな資格ないよ!!」


 そんな資格ないって、マリアは処女じゃないのか。誰だ、マリアをヤった奴。あ、でも待てよ。平均寿命が短い頃なんかは、中学生くらいの年齢で結婚したりするんだっけ?


 「マリア! 相手は誰だ!?」


 エリックがキレてる。

 あー、適齢期が早くても、結婚前の娘を傷物にされたら、そりゃ怒るか。


 「お兄ちゃん、何を言っ・・・ちッ、違うよ!? 私、まだ処女だからね!!」


 若い女の子が、そんな事を大声で。


 「でも、お前資格無いって言ったろ! 相手はオルソンか!?」

 「違うってば!! 資格が無いって、そんな意味じゃないよ!! 私は美しくないから資格が無いんだよッ!!」


 なるほど。そういう意味でしたか。

 我が日本では謙譲の精神は美徳だけれど、この世界ではどうなんだろうね。下手を打ったね、マリアちゃん。

 確かに今のマリアは美しいってより、可愛いって感じだからな。仕方ないけどさ。


 今日はもう、打ち合わせって雰囲気じゃないな。明後日の昼に東門に集合の約束をして解散したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ