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第百一話 アンデッド軍団と決戦

 アンデッド軍団を壊滅させたのは良いけど、その戦いで負傷した連中を治療するのは大変だった。治癒魔法を使えるやつを総動員して回復に当たらせた。


 一番活躍したのは、もちろんユーリだ。


 ここまで急がせたのは理由がある。こちらの治療を悠長にやってたら、敵がアンデッドを増やして戦力を回復しそうだからだ。


 まぁ、人には見せられない姿でグッタリしてるユーリを見ると、ホントに申し訳なく思うが仕方ない。


 そして治療の次にやったのは、ギルド長や指揮官と相談して冒険者及び兵士から、それぞれ50人の活躍した剣士や戦士を選抜した事だ。

 この選抜した100人には、素晴らしい剣を与えた。ミスリルの剣やオリハルコンの剣だ。


 もちろん、種も仕掛けもある。


 ほら、日本では江戸時代から加賀藩が金箔を作ってたじゃないか。あれの知識をベティに与えて、鋼の剣にミスリル箔や、オリハルコン箔を貼ったんだよ。

 これで量産型ミスリル剣と、量産型オリハルコンの剣を大量に作れたわけ。


 性能?


 剣一振りをオリハルコンのみ、ミスリルのみで作った場合より、多少は落ちる、かな?


 ふふふふ。

 奴らは喜んでるし、知らぬが仏だよ。


 ただ、メッキ製品ではあるけど、アンデッドには効果があるはずだ。この剣を与える代わりに、アンデッドの本隊に少数で戦を仕掛ける事に同意させたんだよ。当然、報酬も払う事も伝えた。


 まぁ、我が家の航空戦力もいるし、楽とは言わないが勝算は十分にある戦いになるだろう。


 そんな100人の斬り込み部隊を連れて、アンデッド本隊に戦を仕掛ける日が来た。




 敵の総数は200体ほどだが、レッサーヴァンパイアやリッチが最弱の兵のようだ。強いのになるとドラゴンゾンビとかいるな。敵の総大将はノーライフキングみたいだ。


 戦闘開始だ。


 まず、ユーリが能力を使う。使う能力は全能力上昇だ。これで戦力の底上げが出来た。


 続いて天使と戦闘用の蜂っ子が、空飛ぶ家から出撃した。そして上空から接近するアンデッドに魔力弾を連射した。

 これは着陸する空飛ぶ家にアンデッドを近寄せない為で、弾幕を張ってる間に選抜された斬り込み部隊が続々と降りていく。


 俺、ライム、サァベル、リル、ミスリーン、イオリ、ナナミも参加する。俺とナナミは最後に降りる。理由はナナミのミルクを飲むと、俺の戦闘能力をサァベル並み上げるからだ。


 「ワシもゴーレムを作るかの?」

 

 俺はベティの申し出に頷いた。すかさず、人間の先鋒としてゴーレムが千体、二列横隊で並ぶ。


 「突撃じゃ!!」


 人間より多少は大きいゴーレム軍団が、ベティの合図で突撃を行なった。凄い速度でアンデッド軍団に突っ込んだが、敵に与えるダメージは少なかった。逆に次々に撃破されてしまうのが見えた。


 「さすがに敵も強いのぅ」


 ベティが豪胆に笑っている。それを見て選抜した斬り込み部隊の面々も笑った。さすがに強い連中だけあって度胸もある。


 「この戦いに勝って生き残れば、一生遊んで暮らせるぞ。稼げよ、みんな!!」

 

 俺の声に全員が元気よく雄叫びを上げた。


 「突撃!!」


 サァベルとリル、そして俺が先頭に立って突撃をする。いや、本当を言うと、俺は最後尾を走るつもりだったんだよ。

 だけど、ユーリとナナミの二人から身体能力を上げてもらってたから、サァベルに負けない速度で走ってたんだよね。


 今さら速度を落とせないし、そう簡単に負けないと思うから行っちゃうよ。

 だけど、あの化け物の群れに真っ先に突っ込むのは、小便ちびりそうなくらい恐いね。常に先陣を預かる奴を尊敬するよ。


 抜刀して、もうすぐ接敵するってタイミングで、空から天使や蜂っ子の支援攻撃が降り注ぐ。


 制空権を確保するのって大事なんだな。改めてそう思ったね。俺の前方にいた敵は味方の魔力弾に撃ち抜かれて半死半生だ。

 

 ヴァンパイアを肩から袈裟斬りにした。俺の剣も、鋼の剣に金箔ならぬミスリル箔を貼り付けた、なんちゃってミスリルソードだが、効果は絶大だったな。


 「傷が…再生しない!? その剣は、まさかッ!?」


 そこまで言って、力尽きたのか塵になって消えてしまった。なんか、居た堪れない。ごめんな、ミスリルメッキの剣で倒しちゃってさ。


 それはさておき、今気がついた。

 こっちの吸血鬼って昼でも活動できるんだ。

 太陽光が弱点じゃない代わりに、元の世界の吸血鬼ほど強く無い感じかな。


 サァベルとリルも敵を斬り刻んでる。さすがに強いなぁ、こいつら。


 さぁ戦闘は、これからだ。

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