k01-54 仲直り
お昼時で込み合うテイルの敷地内をひたすら走った。
まだ治っていない肋骨が痛む。だけどそんな事気にしてる場合じゃない。
息を切らして走り続け、教務課の前でエーリエを見つけた。
「エーリエ!!」
駆け寄っる私に少し戸惑った表情を見せるも、いつも通りの笑顔を返してくれるエーリエ。
「シェンナ!? ……ケガは大丈夫なんか? こないだのリベライル、凄い闘いやったなー! うちハラハラし過ぎて途中から見とれんかったよ。せやけどシェンナなら勝てると思とったよ!」
そう言ってケタケタと笑う。
「あのね……エーリエ」
「なんや、神妙な顔して? そいえばホームの荷物は片付いたんか? 何なら後から持ってこうかと思っとったんやけど……」
いつもの調子で勢いよく捲し立てるエーリエ。何も変わらないその笑顔が余計に辛い。
「ご、ごめんなさい!!」
そう言って精一杯深く頭を下げる。
「な、なんや急に!?」
「ジン・ホームの事……私、報告したのエーリエだと勘違いして。酷い事言っちゃって……。そんな簡単に許せないと思うけど…………本当に、ごめんなさい!」
頭を下げたままエーリエの言葉を待つ。
「……なんや、そんな事かいな!」
そう言ってエーリエは可笑しそうに笑う。
「え……」
思いがけない反応に驚いて思わず頭を上げ、エーリエの顔を見る。
「そんなん、ウチかてマスターからホームの場所が分かったて聞いたとき、もしかしたらシェンナが喋ったんかて一瞬思たよ。せやからお相子や」
「で、でも」
「……それにな、あの後色々分かったんやけどな。マスター、事故以来ずっと忙しそうやったやん? あれ、事故の調査の傍ら、大怪我した生徒の親御さん達に謝罪して回ったり、良い医者を付けて貰えるよう病院の関係者にお願いして回ったり、責任の擦り付け合いで揉めるテイル側とマスター・クアィエンの仲裁に入ったりとか……ずっと動き回ってくれとったらしいわ。しかもクアィエンファミリアの生徒の分もやで。殆ど寝てなかったらしいわ」
「え……そんな話全然……」
「そらそうやろ! あのプライド高いマスターや。生徒にそんなカッコ悪い所見せる訳ないやん。でも、そう思たら……当然アイネにした事は許せる訳無いんやけど、あの事もマスターなりに精一杯やってた中で何か少しおかしなってしまったんかなて。……やから、今回の件は誰も悪くない! マスターも、シェンナも。悪いのは全部敵国のスパイとかいう奴や! この話はそんで仕舞いや!」
そう言って満面の笑顔を見せるエーリエ。
その顔に、安心したのか、申し訳ないのか。自分でも分からないけど涙が溢れてくる。
「ふ、ふぇぇーー」
我ながら情けない声を出して泣いてしまう。
そんな私をぎゅっと抱きしめるエーリエ。
「もぉ、ホンマ可愛いなぁシェンナは」
そう言ってまた笑うエーリエ。
穏やかな昼下がりの太陽の元、教務課前で抱き合う2人の女子生徒。
周りからの視線が痛いのは分かってるけれど、今は気にせず泣かせて貰う。
エーリエの豊満な胸に顔を埋めて…………それにしても、なにこれ。凄いボリュームね。
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