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とろけるCheese  作者: KoKoRo
92/156

Cheese92〜約束〜

淳くんと初めて行くお祭り当日。




華(やっぱり夏祭りには、浴衣を着ないとね!!)



華「お母さーん!去年の浴衣、出してー?」



母「去年の浴衣?あるわけないでしょ?あんたが破いてきたから、いい生地だけ取って捨てたわよ」



がーーーんっ



華「じゃあ、新しいの買って!?今すぐに!!」



母「あんたの携帯買ってあげたばかりじゃない!?欲しいならバイトでもやって、自分で買いなさい」



ががーーーんっ




こうして、今日のお祭りは私服決定となってしまった…。




そして、時は流れて、午後7時を回った。



―――東京駅にて。



淳(…ったく、圭の奴、何処だ?)



圭「淳ちゃーーーん!こっち!こっち〜!」



淳「バカ!!あんまりデカイ声を出すな!!」



圭「もうすぐ駅に着くみたいだよ。ドラムのジョー!」



淳「ジョー?何それ?そいつの名前?」



圭「うん。サイトでそう名乗ってたよ」



淳「嘘なんじゃないの〜?やっぱりお前、騙されてんだよ」



圭「俺もサイトじゃ、マッカローニって名乗ってたよ♪」



淳「意味わかんねぇよ…」




―――その後、ドラムの姿が現れないまま、一時間が経過した…。



淳「なぁ…、来ることまで嘘ついてんじゃないのか?」



圭「んなことないって!絶対来るよ!!」



淳「悪いけど俺、用事が……」



圭「来た!!!」



淳「え?」




前方から大きなバッグを持った長髪の男が現れた。



??「もしかして、マッカローニ?」



圭「イエース!ザッツライト☆」



淳(こいつが…ドラム……?)



??「俺、鳴海 譲。よろしく」



圭「俺は堤之原 圭!で、こっちがギターとヴォーカル担当の…」



淳「池本 淳です。よろしく」



譲「ふーん。あんたがギターか。で、お前がベース?」



圭「うん。まだまだド素人だけどね!」



譲「ドラム候補がいないってわけだ?俺はマジでデビュー目指してる。信頼できる奴とやりてぇ」



圭「こっちだって半端な気持ちでやってねーよ!な?淳ちゃん」



―――♪―♪♪


(淳の携帯が鳴る)



淳「!」



圭「もしかして淳ちゃん、たっちゃんと会う約束とかしてる?」



淳「なんで……」



圭「早く言えよ!バカ!!たっちゃん、待ってるんだろ!?」



淳「!…ごめん、本当ごめん!」



(圭と譲を置いて、走り出す淳)



圭(道理でさっきから様子がおかしかったわけだ…)



譲「なぁ。あいつ、彼女いんの?」



圭「うん。いるよー。つーか、ごめんね!こんな時にいなくなっちゃって」



譲「本気でデビューしたいと思ってる奴に、女がいるってか?遊びならまだしも、本気なら俺は絶対、認めねぇ」



圭「遊びで付き合うような奴じゃないよ!!淳ちゃんはそんな男じゃない」



譲「女なんか…邪魔なだけだろ……」



圭「…………」








―――その頃、淳は、祭りの会場に向かって走っていた。



淳(華ちゃんに電話を……)



(携帯を取り出す淳)



…………ピーーー



淳(!?充電切れかよ…!?なんでこんなに俺は…駄目なんだよっ…)



(華の待つ場所へ、全速力で走る淳)




――その頃、華は…




華(メールの返事も返ってこない…。電話も繋がらない…。淳くん、今何処にいるの……!?)








東京駅を出て30分後に淳は華との待ち合わせ場所に到着した。



淳(華ちゃん……)



ガードレールに寄り掛かり、携帯を握りしめたままの華を見た淳は、彼女の元へと走り出した。



華「淳くん…!!」



淳「ごめん、俺…」



華「よかったぁ…。電話も繋がらないから、事故にでも逢ったんじゃないかって、すごく…心配した…。うっぅ…」



(ぽろぽろと泣き出す華)



淳「!」




…………ギュッ


(華を抱きしめる淳)



淳「ごめ…ん……。華ちゃんと会う前に、用事があって、圭と会ってたんだ…。携帯が繋がらなかったのは、充電が切れただけなんだ。約束守れなくて、本当にごめん…」




華「淳くんは約束守ってくれたよ?」



淳「え……?」



華「ちゃんとここに…わたしに会いに来てくれたもん」



(淳をそっと抱きしめる華)



淳「華ちゃん…」



華「傍にいてくれるだけで、嬉しい」



淳「………」



(淳は華の手を握った)



淳「お祭り、まだやってるかな…?」



華「うん!屋台は開いてたよ!」



淳「じゃあ、行こっか」



華「うん!」





―――もう絶対、約束を破ったりしない。



だから、ずっと…





俺の傍にいてほしい。




そう、強く願った。









〜約束〜 完。



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