表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とろけるCheese  作者: KoKoRo
11/156

Cheese11〜寂しさ募る〜

わたし、立川 華は高校で二人目の佐藤 雅ちゃんというお友達をゲッチュ(ついでに楽譜もゲッチュ)し、意気揚々と写真部室に向かっていた。





…………ガラガラ…… 写真部室前に着き、ゆっくりと扉を開けた。



華「失礼します。………??」



すると、写真部室には誰もいなかった。


華(薄井先輩、まさか帰ったんじゃ!?)


その時、突然誰かに後ろから目隠しをされた。



華「わわっ!?」



??「だ〜れだ」



華「………薄井先輩」


薄井「なんでわかった!?君はエスパー伊藤かっ!?」



華(わたしと同じ例えを言ってるーーー!?ということは、わたしと薄井先輩って、同レベルの人間?)



薄井「そんなことより花子!楽譜はちゃんと持ってきたかっ!?」


華「もちろんですよ!これですよね?」



自信満々に取ってきた楽譜を薄井先輩に渡すと……



薄井「ああ、ありがとう……ってバカァァァァァァーーーー!!」


華(えぇえーー!?)


薄井「中をちゃんと確認したかっ!?これは僕の落書き帳であって楽譜は机の中にあるんだっ!!!」


そう言いながら薄井先輩はおもむろにわたしが持ってきた紙束をパラパラめくった。


華「汚い絵ですねー。あ!これなんか幼稚園児でも描けますよ」


薄井「花子……どうやら君は僕に喧嘩を売りたいようだな?」


華「い゛!?ちっ、違いますよっ!?」



薄井「な〜にが違うのかな〜??」



華「うう……。あっ!わたし、今度こそ薄井先輩の楽譜取ってきますからそれで許してくださいっ!すみません!!では……!」


写真部室から逃げるように出ようとした瞬間、裾を捕まえられた感触があった。



薄井「待て、花子。今日はもういい。君はここにいてくれ」



華「……先輩?」



薄井「君がいなくなると寂しいからな……」


華(なっ……!?急になにを言い出すんだろう……この人は……)


薄井「一人だと話し相手がいなくて困ってたんだよ〜〜♪」



華「……そうゆうオチですか………」



薄井「何か言ったかい?花子」



華「いえ!!あの、そういえば野高先輩って今日いないんですか?」



薄井「メダカなら川でスイスイ泳いでいるよ♪」



華「そのメダカではなくて野高先輩のことです!!」



薄井「優なら屋上だ。また空の写真でも撮りに行ったんだろう」



華「野高先輩って本当に空が好きなんですねー」







ほのぼのとそう思いながら薄井先輩と雑談をして、 今日のCheese同好会を終えるつもり…だったのに………



華「5時になりましたっ!!」


薄井「あ〜、そうだね」



華「じゃあ、わたしはこれで失礼します!」


薄井「よぉ〜し、僕も帰ろう!花子〜一緒に帰るぞ〜〜♪」


華「なぜですか!?」


薄井「ツッコミがはやいね?君も。いいじゃないかっ!一緒に帰るくらい!!」



華「一緒に帰るイコール………カップルがすることですっ!」


薄井「……それは花子の中での常識かい?」


華「とっ、とにかくわたしは一人で帰りますね?じゃあ、失礼します」




……ガラガラガラ……薄井先輩を一人残し、わたしは写真部室を出て行った。




薄井「……今日は一人で帰るのか……」



薄井「……………」




…………ガラガラガラするとその時、写真部室に誰かが入ってきた。



野高「あれ?薄井、まだ帰ってなかったの?」



薄井「優……?なんだ、まだいたか!!仕方がな〜い!一緒に帰ってやってもいいぞ?」


野高「いつも一緒に帰ってるだろ?何を今さら……」



薄井「何をトロトロしてるんだ!?早く行くぞーー☆」



野高「…はいはい」



薄井「そうだ!花子に言い忘れたからメダカくんに言っておこう!」



野高「……なに?」



薄井「君達、月曜日から水やり当番だからよろしく頼むぞ〜♪」



野高「へ?いつ決まったの?それ…」



薄井「僕が今日決めた」



野高「今日って……ちゃんと先生には言ったのか?」



薄井「僕がルールだ!T.Tに話す必要はないといえよう!」



野高「一応質問。T.Tって誰のこと?」


薄井「高橋 武。イニシャルT.Tだ。それに“タケシ”と“カケル”だぞ!?字も被りゃキャラも被るじゃないかっ!?」



野高「!?意味わかんないよ。字も“ケ”しか被ってないし、キャラも全然被ってないっ……!!」



薄井「とにかくE.Tに報告する必要はな〜〜いっ!!」



野高「E.Tって……映画になっちゃってるよ!?」



薄井「うるさいな…。もうゴチョゴチョ言わずに帰るぞーー!!」


野高「……その擬音間違ってるよっ!?」







なにか波瀾を起こしそうな予感がするCheese同好会所属の薄井翔であった…………。







〜寂しさ募る〜 完。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ