Cheese10〜パシリのお誘い〜
美化委員会兼Cheese同好会に所属する、わたし立川 華は今…高校初の漢字テストを目前に苦しんでいた………。
華(う〜?なんだこりゃ?《逆鱗》これ、なんて読むんだろ?)
龍「『げきりん』って読むんだよ」
華「へぇ〜!…ってあれ?なんでわたしが読めないこと分かったの!?」
龍「いや、なんとなくだけど?」
華「すごいね!!なんだかエスパー伊藤みたいっ!!」
龍「……例え、悪くね?」
玲「な〜に〜?華、呼んだ〜?」
龍「呼んでねーし。つーか、用もねぇーのにくんな」
玲「あんたこそ何?いっつも音楽ばっか聴いて次の時間の漢字テストやばいんじゃな〜い?」
龍「あ〜マジだりぃ。お前も立川みたいに静かに勉強してろ」
玲「フン!あんたこそ華の邪魔したら鼻毛抜いてやるからっ!!」
華(鼻毛は抜いたら痛そうだな……)
そして漢字テストが行われた。
わたしの点数はきっと……ボロボロに違いなかった………。
そしてその日の放課後、漢字テストが早くも返却され、予想通りの結果だった………。
華(うっ…!?35点……!!まずい。マズすぎて頭が痛いっ…)
龍「……まぁまぁだな」
華(鈴木くんは何点だったのかなー…?)
龍「見んなっ!つーか覗くな!!」
華「ばっ、バレた!?ごめんなさいっっ!」
龍「なんか立川ってわかりやすいよな。変な奴に脅されたりすんなよ?」
華「脅す……?鈴木くんが…………??」
龍「馬鹿。なんで俺なんだよ?お前みたいなタイプは利用されてポイ系だ」
華「ポイ!?…ポイ捨て!?」
龍「……もういい。俺の例えも悪すぎた」
華「??」
龍「じゃあな、立川。せいぜい人に利用されんよう気をつけろ〜」
華(…………嫌味?)
雅「………はぁ」
華(あれ?佐藤さん?どうしたんだろう?おっきな溜め息ついて……)
すると佐藤さんは鞄を持たずに、後ろの扉から教室を出て行った。
華(何処に行くんだろう??……トイレかな?)
…………ガラッ………突然、前の扉が勢いよく開いた。
薄井「はぁぁーーなぁぁぁーーこぉぉーーー!!!」
華(げげっ!?!?)
薄井「Cheese同好会活動開始時刻はとっくに過ぎてるぞ!?いつまで教室で油を売ってんだね!?」
華「教室にまで来ないで下さいっ!!今すぐ行きますからっっ」
薄井「よし!では音楽室にいきなさい」
華「今日は音楽室で活動するんですか?」
薄井「2年には選択授業というものがあってね…」
華「はい、知ってますよ!確か美術と英会話と音楽がありましたよね?」
薄井「詳しいね。じゃあ、話しが早い!僕は音楽を選択しているんだがー…」
華「はい!」
薄井「楽譜を音楽室に忘れてきたんだ〜♪花子!取ってきなさ〜い☆」
華「…………はい?」
薄井「楽譜ゲッチュをしたら写真部室に来るんだぞ?そこで待ってるからなぁ〜♪」
そう言い残して、薄井 翔は駆け足で消えた…。
華(今のって、遠回しに………パシリにされたのーーーー!?)
しぶしぶ先輩の楽譜を取りに音楽室に向かうと、行く途中で音が聞こえてきた………。
華(何の音だろう…?)
……♪♪♪♪♪♪……
華(……!ピアノの音だっ!!)
音楽室から流れるようにピアノの音が響いていた。
華(上手だなぁ!誰が弾いてるんだろう??)
わたしはそっと音楽室の扉を開け、中を覗いてみた。
すると、そこには………
雅「………」
華「佐藤さん!?」
雅「誰…ですか!?」
華(しまった〜!?つい、声を出してしまった……)
雅「……立川さん?」
華「え、えぇーと、その〜、覗くつもりは全くなかった……わけでもないです。ごめんなさいっっ!!」
雅「立川さんって、素直だね」
華「……へ?」
雅「気にしてないから大丈夫。立川さんはどうしてここに?」
華「…あっ!知人の楽譜を取りに来ましたっ!!」
雅「そ、そうなんだ…」
華(あの人のことは知人としか言いようがないっ……!)
雅「もしかして向こうにある机の上の楽譜がそうじゃない??」
華「確かにそれかも…!ありがとう!佐藤さん!!」
雅「いいえー…」
……………カサッ
机の上にあった楽譜をみると汚い字で“薄井 翔”と書いてあった。
華「佐藤さん、ありました〜!これみたいです」
雅「…立川さん」
華「はいっ!なんでしょう!?」
雅「わたし……本当は立川さんと友達になりたかったんだ」
華「ほっ、ホントに!?」
雅「うん。だからこれから立川さんのこと、“華ちゃん”って呼んでもいい?」
華「もちろんだよっ!そう呼んでくれると嬉しいっ!!」
雅「わたしのことも雅って呼んでくれて構わないから…。これからよろしくね、華ちゃん」
華「うんっ!!雅……ちゃん」
雅「…」ニコッ
こうして、佐藤 雅ちゃんという高校での二人目となる友達が出来ました!!!
〜パシリのお誘い〜
完。




